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最近の趣味は食べる事…かもしれない

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第一食目/ひょんな事【週末限定 ねこねこ食堂】

頭の回らない朝に。 「ひょんな事」から食堂を任されることとなってしまった。人生で「ひょんな事」という言葉を使うことになるとは思わなかったが、それを使う他に表しようのない出来事だった。 『ちょっと旅に出てくるから食堂の管理、よろしくね!家賃と光熱費は気にしなくていいから!常連さんには伝えてあるけど、出来ればたまにお店を開けてあげてね!』  朝起きて大衆食堂の中にある住居部分の居間の真ん中にでんと胡座をかいている焦げ茶色の重そうな丸い食卓の上に余程慌てていたのか注文を取る時よ

    • 第二食目/気を遣わない気の遣い方とめんつゆ焼そば【週末限定 ねこねこ食堂】

      気を遣わない客。  「良かった、誰も来ないみたいだ。」安堵から思わず言葉が口から溢れた。  秋の終わりの夕方の5時頃、窓から射し込む赤い陽射しがいい感じに一日が終わりそうな予感をさせてくれる。  流石に常連さんでも暖簾を出してもいない、店内も薄暗い食堂の様子を見たら多少は察してくれるのだろうなと一人頷きつつ、この店の主人へのほんのりとした罪悪感もあるものの、これからもこの調子でやっていこうと心に決めた。 『ガラガラガラッ』  心に決めた瞬間に勢いよく音を立てて開く食堂の

      • 見てるもの、見えてるもの『君と夏が、鉄塔の上』を読んで

         学生の頃の夏休みというものは見たものやったこと全てが特別なものだったなと、大人になってからしみじみと思うわけだが「君と夏が、鉄塔の上」も特別な夏休みの話である。  あらすじとしては中学3年生の夏休みに鉄塔マニアという点以外は平凡な伊達、学校の屋上から自作の空飛ぶ自転車で飛び降りる破天荒な帆月、幽霊が見えると噂されている比奈山の三人は帆月が見たと言う「鉄塔の上の男の子」について謎解きに奔走する…といった感じだ。  伊達の書いた読書感想文を読んだ事をきっかけに、帆月が鉄塔の

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