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お互いの将来を考えて②

夕方からの予定を終えると連絡が来ていた

「バイト終わったら、夜電話したい」

バイトを終えて、今日のことを思い出す。
思ってたことを伝えて、彼の対応の優しさに改めて触れて、それでもなお私の決心は揺らがなかった。
彼の主張を聞いても貫けるか、
情に流されない意志を準備して、かけた

彼の最初の主張はこうだった。
今、私に恋愛的気持ちがあるなら続けたい

私は昼に言ったことを繰り返しながら、
将来のことを考慮して、別れたほうが良いって思うくらいには冷めてしまっていることを伝えた。

一時のことかもしれないし、もう少し考えたら?
どれくらい前から考えてたの?と返ってきた。

別れを考えてる間も、察されることのないよう普通にしていた私としては、どれくらいの期間偽りの皮を被っていたか知られたくなかった。

正直に言ったら、彼はそっかぁと一旦受け止めて、
その上で、気持ちが無くてもいいよ、もう少し付き合っていたい。私に好きな人とかができるまで。将来が気になるなら卒業まででいいから。
そう言った。

瞬時にもったいないと思ってしまった。
私の卒業まであと1年半、付き合い初めから数えれば2年、そんなに長い時間を、将来他人になる私なんかが頂いて良いわけがない。
2年もあったら、仕事も近くで遠距離とか気にしなくていい、美人で、私なんかよりずっと人間のできた良い人と色んな思い出が作れる。
そう思いながら、こう考えちゃうってことはやっぱりそれくらいの熱量だったんだなぁ自分、と更に萎えた。

真剣に私とのことを考えてくれてる彼には失礼だけど、今の気持ちをどうオブラートに包んでいいか分からなくなって、そのまま伝えた。

暫く考えて、その静かな時間で彼の主張が折れていくのを感じた。電話越しでも分かるくらいに

別れよ、2年も一緒にいたら、更に別れにくくなると思う。お互い、情には弱いタイプでしょ?

彼は笑った。
よく分かってるじゃん、と

性格や価値観が似ていたから分かる。
そう思ったけど悲しくなるから言わないでおいた
なんとなくねーって誤魔化して、笑った


別れよっかー、俺は大好きだけど。
そう言って彼は私の覚悟を受け入れてくれた

半年足らずの思い出を話して笑ったり、彼が聴かせる聴かせる詐欺してた自作曲の音楽をようやく聴いたりして、和やかに電話を切った。

またごはんでも行こうね。

そう彼が言ってから、もうすぐ4ヶ月経つけど彼とは会ってない。多分もう会わないだろう

でも、いいひと夏だったと勝手ながら思う。
故郷が同じだったら将来も考えてただろうなぁ
それくらい楽しかった。良い人だった。

ただただ、ありがとう。
もう伝えることはないけど、多分シンパシー的なもので伝わってるかな、

私たち似たもの同士だったから

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