【ヒューマンエラー白書】
subtle・「○○白書」ってオシャレですよね〜。「あすなろ白書」懐かしい〜。
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こんにちは、『なぜ猫』と申します。
48歳女性、そそっかしい性格で、
パート先のカフェでも、よく失敗しています。
スープに、フォークをつけて持って行ったり(飲めるか〜!)
「江口」さんと言う予約の名前を、
「シエロ」さんという外人さんと思ったり。
今日は、そんな「人的ミス」・・ヒューマンエラーについて
昔話を例えに、考察していきたいと思います。
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私が、「昔話の中のヒューマンエラー」について、
考えた時に、
真っ先に頭に浮かぶのは、
怪談『耳なし芳一』です。
昭和世代には、よく知られたこのお話も、
平成っ子には、馴染みが薄いと思うので、
かいつまんで、あらすじをご紹介します。
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眼の見えない「琵琶」弾きの「芳一」は、
毎晩、平家の亡霊に墓場に連れ出され、
そこで「平家物語」を、弾かされていました。
生きている人間の前で演奏しているものだと、
思っていた芳一ですが、
寺の同僚から、
墓場で火の玉に囲まれて、演奏していた事を聞かされます。
芳一を心配した和尚さんは、
芳一の体に、弟子に手伝わせて般若心経を書いて、
芳一の姿を、亡霊から見えなくしようとします。
その後、和尚と弟子は、
どうしても行かなければいけない法事のために、
芳一1人を置いて出かけます。
「亡霊からは姿が見えないから、絶対に口を聞いてはいけないよ。」
と、言い残して。
夜が更けて、亡霊が芳一を呼びにやってきましたが、
どこにも芳一がいません。
散々探して、「耳」だけを、見つけます。
そうです、弟子が「般若心経」を書く時に、
耳に書くのを忘れていたのです。
そのせいで、耳だけが宙に浮いているように見えた。
亡霊は、耳だけでも連れて行こうと、
芳一の耳を切り取って持っていきます。
和尚さんと弟子が、
朝、帰ると、
耳から血を流して、芳一が倒れていました。
傷を手当てすると、
奇跡的に芳一は回復して、
その後、ますます琵琶の腕も上げて、
「耳なし法一」として、
さらに有名になったそうです。
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お話、いかがでしたでしょうか?
まさに、
これぞ、
「ザ・ヒューマンエラー」でしょ?
「キングオブ、ヒューマンエラー」
弟子が、
「指差し確認」さえしていたら・・・、
芳一は「耳」を、失わなくてよかった。
和尚さんが、始める前に、
芳一の体の部位を書いた「チェックシート」を、
作っておけば・・以下同文。
和尚さんと弟子の、「2人」で作業したと言うのが、
気の緩みの元だったんでしょうね。
心理的盲点に陥ったとも言える。
相手がしてくれてる「はず」。
この「はず」で、
日本中の至る所で、悲劇が起きています。
『H(はず)の悲劇』・・・
コップを、受け取ってる「はず」(相手が握る前に手を離す)
聞こえてる「はず」(言った!聞いてない!)
財布持った「はず」(サザエさ〜ん)
鍵しめた「はず」(泥棒さん、いらっしゃ〜い)
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教訓・耳を失いたくなかったら「指差し確認」をしましょう。
(個性的なビジュアルで有名になりたいなら「指差し確認」しなくていいです。)
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次にご紹介するのは、「鶴の恩返し」です。
これは、お気楽な「平成っ子」でも知ってるでしょうから、
あらすじは、パスでいいですね?
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このお話の場合、
「ヒューマンエラー」は、人間の娘に化けた鶴が、
お爺さんとお婆さんに、
「決して、覗かないでください」と、
口約束だけで、
部屋に籠ったことです。
お爺さんとお婆さんの、「善良さ」を、
過大評価しすぎたところに、
鶴の「ヒューマンエラー」があった。
しかも、この問題を、複雑にしているのは、
鶴の「決して〜」という言動によって、
元々は「善良」だった爺婆が、
約束を破ってしまう罪を犯してしまい、
本人達でさえ、
「え? なんで? ダメって言われたのに。」
と、なった事。
「カリギュラ効果」と言う人間の心理現象があります。
「絶対ダメ!」と言われると、
逆にやりたくなってしまう心理の事です。
人は、制限されると、それを取り払いたくなる生き物。
いくら昔でも、
いくら「鶴」でも、
そのくらいのことは分かってても良さそうなのにね。
お笑い芸人「千鳥」のノブが、
「アメトーク」で「名言」を、言ったことがあります。
〜「『すな』は『せえ』じゃ」〜
この意味は、
『やめて、やめて!しないで!押さないで!』と、自分が言う時は、
『やってやって!して!押して!』と、言ってるんだから、
押してくれないと(お笑い的に)困ると言う意味です。
その後、続けて、〜「『せえ』は『すな』じゃ」〜とも。
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この『「すなはせえじゃ」の法則』を、
鶴の恩返しの、鶴のセリフに置き換えると、
「決して、覗かないでください」(すな)は、
「めちゃくちゃ、覗いてください!」(せえ)
こうなります。
もはや、被害者は鶴ではなく、お爺さんとお婆さんでは?
と言う気持ちを禁じ得ません。
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自分の軽率な発言で、
善良なお爺さんとお婆さんを、嘘つきにしてしまった鶴。
やはり、人間の心理までは、
理解できなかったのかもしれませんね。
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教訓・姿だけ人間になってもダメ。心まで「人間」になるのです!
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最後は、「おむすびころりん」のお話。
お婆さんが作ってくれた「おにぎり」を、
お話の「しょっぱな」から、
落として、追いかけるお爺さん。
いきなりの「ヒューマンエラー」・・・と、
思いきや、
おにぎりを、落としたおかげで、
お金持ちになります。
一見「ヒューマンエラー」でしたが、
結果を見ると、
「おにぎりを落とした」事は、「serendipity」だったんです。
serendipity(セレンディピィティ)とは、
偶然出会う幸運、あるいは予想外の素敵な出来事。
回り道したから、素敵なお店があった。
バスに乗り遅れたから、好きな娘と出会えた。
これらが、serendipity。
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教訓・おにぎりを作ってもらう時は、よく転がるように、
「まんまる」に握って貰いましょう。
思わぬ幸運に出会うかもよ。
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最後までお付き合い頂きありがとうございます。
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