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『自分にとって、有効であれば良い!』

〜「跳びはねる思考」東田直樹著より〜

にほんブログ村、シンプルライフカテゴリーで、ブログを書いています『なぜ猫』です。

ブログ名は『なぜ猫年はないのか問題』

ウチで飼ってる2匹の猫が、ブログ名のヒントになりました。

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過去のブログから、一つご紹介させていただきます (o^^o)


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図書館で借りた本「跳びはねる思考」。

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なぜこの本を借りたかというと、以前、この男性が出ていたテレビ番組を、たまたま見ていたからです。


ずいぶん前に見たので、内容はほとんど覚えていませんが、興味深い番組で、記憶に残っていました。


作者の東田直樹さんは、会話のできない重度の自閉症者でありながら、文字盤を指差して、言葉を綴る「文字盤ポインティング」や、パソコンをつかって、第三者の手助けなしのコミュニケーションができます。著書多数、受賞歴多数の男性です。


この本はエッセイ形式で、自分の内面を他の方がわかりやすいように、出来るだけ正確に、書こうとしています。


「挨拶が難しい」のはなぜか?


直樹さんには、人も風景の一部となって目に飛び込んでくるので、通りすがりに挨拶されると、山も木も、建物も小鳥もが、いっぺんに話しかけてくるような、感じなのだそうです。


だから、まずどこから声がするのか特定する事が難しく、戸惑ってしまう。混乱はしても、挨拶されること自体は、嬉しいと言っています。


「笑顔が作れないのはなぜか?」


「笑顔」とは、「笑う時の顔」ではなく、「敵意はありませんよ。あなたに好意がありますよ。」という、意思表示としての「笑顔」の事。どうやれば、笑顔になるのかが分からなくて、苦労していたら、「鏡を見て練習しては?」と言われて鏡を見ると、自分の瞳に映る「小さな自分」の姿が気になって、よく見ようと目を凝らす。鏡の中に閉じ込められた瞳の中の小さな自分を覗くと、鏡の中の自分も、こちらを見ている。お互い、「相手を助け出したい」・・とおもう。そして、何のために、鏡を見たのかを忘れるそうです。


「なぜ、怒られてるのに笑うのか?」

怒られているときに笑ってしまうのには、いくつか理由があるそうです。一つは、「自分がなぜ怒られているのかが、わかって嬉しい」から。また、怒っている人の顔が、いつもと違って見えて、おかしくなる。直樹さんにしてみれば、怒る「内容」は、言葉で伝えるだけで充分なのに、わざわざ、顔をそんな風(彼曰く、『苦悩の表情』)に、する理由がわからない。相手の怒った顔が面白くて、何度も見たくて、再生ボタンを押すように、わざと怒らせようとしたりするそうです。


「『よりどころ』とは何か?」


誰にでも、「何かにすがりたい」という気持ちはありますね。お守りやパワーストーンを身につけたりお参りをしたり、占ってもらったり・・・直樹さんにとっては、それが、「電子レンジのドアを少し開けて、すぐにパタンと閉じること。」だそうで、1日に何度もするそうです。きっかけは、レンジを使ったときに、うまく閉まらずに、やり直したら、きちんとしまった事。その感覚が、すっきりと体に響いたようで、「一仕事したかのような」感じと言っています。このページに、タイトルである「自分にとって、有効であれば良い」と、書かれている。

根拠も証明も、賛同もいらない。

無駄で滑稽で、少し哀しいのが、人間らしくて良いと。


直樹さんは自分の事を、「まるで壊れたロボットの中にいて、操縦に困っている人のよう」と表現しますが、「必然と偶然」というタイトルのページに、「人は何をするにも説明を求めがち。それは人が本能だけでは、生きれなくなったから。『生きる』事は、生物として当たり前なのに、いろんな理由が必要なのは、進化というより、退化ではないか?」という考えを書いています。

物事の斬新な切り口と、深い洞察力。


直樹さんは、自分の障害に非常に苦しんできました。

「壊れたロボット」と自分で言うのも、周りの人が全て「スーパーマン」のように、いろんな事をやってのける事がショックで、パニックを起こしたこともあるから。
だけど、こうも書いています。

「魂はどんな時も、僕を守ろうとしている。


魂が、自分を守ってくれると思えたなら、心配はないです。」


「最後の1日まで、僕は人生を真っ直ぐに生きていきたいのです。」


ひたむきで、純粋な、一人の若者の姿に、


勇気づけられる一冊です。


借りて、よかった (^ ^)



最後まで読んで頂きありがとうございました (^^)

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