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人類に優しくすればいい ~文化系男子のための恋愛入門⑤

※この記事は文化系のためのオンラインマッチングサービス「猫Match!」の『「モテたいわけではないのだが」文化系男子のための恋愛入門/読書会&トーク』
より、トイアンナさんトークショーパートの一部を書き起こしたものです。

その④はこちらより

語り手:トイアンナ(作家/恋愛・就活ライター)
聞き手:あじさい(文化系恋愛アドバイザー/猫Matchマネージャー)


■優しくって下心を出さない男はキープ枠に入る


で、次に、一番ぐさっとくる話をさせていただくんですけど、袖にしたい男枠って一番入りやすいのは「優しい男性」なんですよね。
愚痴を何時間でも聞いてくれるような。今から来てよっていったら来てくれる。今電話していい?とかいきなり電話しても出てくれる。その優しさが大事。で、優しいってモテるはずじゃん、私そもそも「モテたいわけではないのだが」で優しさをどう発揮するかみたいな話書きましたしね。


優しいからモテるってわけじゃないの? っていうか優しい人が好きって女性は判を押したようにいうじゃん!みたいな。話もあるんですけれども、優しくって下心を出さない男はキープ枠に入る。

――なるほど、いろいろ繋がってきますね!

はい。なぜかっていうと、使い勝手がいいからなんです。女性から見たときに。だって自分にとって害をなすことを絶対してこない、私の話をなんでもきいてくれる、それでいてなんならお代まで払ってくれる。その上で私に非常に優しくしてくれる。なんて素敵な人なんだろう! でもピンとこないのよね。っていわれるんですよね。
なんで「ピン」とか「ぱっとしない」とか「ぐっとこない」とかよくわからないオノマトペで表現されちゃうかっていうと、そこが、下心がなさそうに見えるから、っていうところに繋がっちゃうんですよね。

――さっきの「弱く見える」。

そうです。結局、あなたが付き合いたいかわからないです。付き合わないんならこの関係ナシね、って言えないんです。
セフレにされちゃってる女性と似た原理なんですけど、私あなたの本命になれないなら付き合うのやめますっていえない人は舐められちゃうんです。男性の場合は愚痴聞き要因として利用されますし、女性だったらセフレとして利用されますし、いずれにしても、私を対等なパートナーにしてくれないならお付き合いはする気がないです、って言い切れない人は利用されちゃうんです。

――付き合えないけど会ってくれるからいいや、って自分で自分を納得させてずるずる続いてしまうってことですね。

そうですね。だから、下心をちゃんと見せるってのは防衛策でもあるわけですよね。

■人類に優しくすればいい


私はあなたを本命というか、パートナーとしてちゃんとしたいから、そうじゃないと付き合えないから線を引く。時間の無駄だから。
でもそういうと、ものすごい勢いで距離をおく人いるんですけど、それめちゃくちゃ目立つので(笑)。単純に「あ、ごめん今日忙しくて会えないんだよね」というのを繰り返せばいいです。「今電話できる?」「ごめんちょっと忙しい」「来週話きいてよ」「ごめんその日は予定あって」そうやって引いていくだけで大丈夫です。いくらなんでも相手も何回もやれば察してくれるので。よっぽど危ない相手じゃないかぎりは、それで、ああこの人はもう私に気がないんだな、じゃあやめとこって引いてくれるはずです。

――一種の自然消滅を狙うってことですよね。

そうです。で、ただこの話をすると、さっきもいろんなグループ入らせてもらった時に出てきたのが、女性と違って自分は選ぶ立場じゃないというか、女性から選んでもらう立場なのでっていう発言をされた方がいらしたんですけれども、いやそんなことないっすよ。むしろ対等でいないと駄目でしょう。ってぐらい自尊心をまず持つっていうことはすごく大事。
そもそも自己肯定感を持つのってすごく心理学的な話でめちゃめちゃ難しいので、それよりも人に優しくされる環境を作った方が早いと私は思ってて。人から普段から優しくされて、自己肯定感が自動的に上がるような環境作りってのはすごい大事だと思ってます。で、そのために何をしたらいいかっていうと、人類に優しくすればいいっていう話をよくしてます。
何のこっちゃかっていうと、恋愛に苦手な男性って好きな女性にだけ優しくするんですよね。で、これはめちゃくちゃ不評を買います。お前好みじゃない女に対してすごい態度だなとか、男同士だとめちゃくちゃ冷たいんだなみたいなのが見えちゃうんですよね。

――下心は出せないのにそういうのは出せちゃう。

そう、逆にそれ下心ですけどみたいな。むしろ浅ましい心って意味で下心より下心だがって感じ(笑)ですけどね。なので、それを隠そうよっていうのは提案したいなって思ってます。
人類に優しくするって別に難しいことじゃなくて、例えば今日「なんか○○さんスーツいけてますね」って職場でちょっと褒めるとか。あるいは「今みんなちょっと喉乾いてると思うんで買ってきましょうか」って買って出るとか、あるいは別に職場のお土産を1人1人普通に渡すとか、そういうフェアな行動をするだけでもいいんですよね。
みんなに優しくする。っていうことをすると、女性に……好きな子に優しくするって考えるとめちゃくちゃ緊張するじゃないですか。でも、かわりに「人類に優しくしよう」と、全人類に優しくすればいいんだって思ってると、たぶんもうちょっとフラットに見える。それこそさっきの試行回数を増やすと好意をばらまけるっていうのが非常にやりやすいかなって思います。

■繰り返すだけでモテはじめる


さきほど男性が女性を口説く試行回数が増えると彼女が出来る、モテるって話がありましたけど、じゃあ試行回数を増やしたからっていって、好きな子だけ、Aさん、Bさん、Cさんっつって試行回数を増やしてもめちゃくちゃ気持ち悪くなるので、かわりに全員にまんべんなくめちゃくちゃ優しくする、っていうのをやると、単純に好意が返ってきやすくなります。好意って別に恋愛感情以外も含めてですよね。そうすると、自分は愛されてるっていう感覚になれるから、最終的に自己肯定感も上がりやすくなります。
で、じゃあさっきの、自分を舐める女を大事にしないっていうのとどうやって折り合いをつけるかって話なんですけども、最初はまず、全員に優しくします。で、まず全員に好意をぱーってばらまく、ばらまいてから、優しくしてくれない人には優しくしません。

――いいレスポンスが返ってこない人に対してはある意味での足切りをするっていう。

はいそうです。なので、自分がまず優しくして、優しさを返してくれた人にまた優しくして、そうじゃない人にはフェードアウトしてっていうのを繰り返すだけです。これをゲーム理論でしっぺ返し戦略っていうんですけど、しっぺ返し、ようは自分がされたように相手に返す、これだけで、自分に好意をもつ相手だけを引き抜くことができるので、非常に便利です。

――普通に試行回数でみんなに優しくするのは、異性だけじゃなくても同性相手でもじゅうぶん自己肯定感を高める訓練になりますよね。

なりますね。もちろんまったく同じ言葉遣いをする必要はないと思うんですけど、たとえば「あじさいさん、本当今日かっこいいすよねえ。前からイケメンだと思ってたんですよ」っていきなり言われたら、お、おう……ってなりますよね。

――たしかに(笑)

なので、表現は男女で変える必要があるのかなって思うんですけども、例えばそこで、いやーあじさいさん今日のシャツめっちゃ似合ってますね、これ何の柄なんですか? みたいなそういうレベルのコミュニケーションで、優しくするというか……こういう風に好意をちょっと出す、ていうやり方。ちょっと宗教的になりますけど(笑)単純に自分が生きてるだけで幸せを感じやすくなるじゃないですか。人に優しくして優しさがかえってくるので。そういうサイクルを作る意味でもまあ、幸せになりますし、その中で自分に好意をもってくれる相手が増えてきたらさらに優しくするだけ、繰り返すだけでモテはじめるので、恋愛でもうまくいきやすい、試行回数が自動的に増えるやり方かなって思います。

――ありがとうございます。

ここまでちょっとコンセプトっぽい、思考法みたいな話ばっかりしちゃったんで、最後にめちゃくちゃ小手先の話してもいいですか?


<その⑥へ続きます!>


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