※任務報告書08:『KI2K』
・名前 :Kizaki Itelligence sytem ver 2000
・『二つ名』:『KI2K』
・所属 :CCC
・階級等 :なし
二十一世紀初頭にとある技術者が心血を注いで開発されたと噂される、夢の『しゃべるカーナビ』。夢の実現に向けてカーナビ黎明期のさなかには様々な機種が発売されたが、いずれも、事前に録音した声優の音声を再生したり、かんたんな想定質問を回答する程度のものだった。
一方、この機種はネットワーク上に原始的な人工知能を置き、カーナビからの運転データを吸い上げ自己進化していく性能を持っていた。開発当初は非常にささやかな性能だったが、今日のクラウドの普及とともに急速に性能を上昇させ、現在ではほぼ人間に近しい知性と経験を所有している。
派遣業界ではこのような人工知性体はいくつか存在が確認されているが、その中でも『彼』は運行、交通機関に特化した存在であり、他の追随を許さない。
他方、その性能を十全に発揮するには、車体側の性能が常に不足している。車体にギミックが搭載されてさえあれば、時速数百キロで走り、ジャンプで河を飛び越えたりと無双のアクションを見せることができるが、幸か不幸かその機会が巡ってくることは極めてまれ。