雨の日のカフェ

朝から雨だ。

憂鬱になる。

やる気うしなう。やる気はずっと失い気味なんだけど。わずかなやる気さえも失ってしまう。

そんな事をつぶやくと、ポジティブでリア充な友達は言う。

「私、雨の日嫌いじゃないな!こんな日は雨模様を見ながら、ゆっくりブレイクして、雨音に耳を傾けるのもいいんじゃない?」なんて言われて、驚きすぎて口を開きっぱなしで、ただただ彼女を見つめてしまう。

間をおいて、我に返り「ごめん、無理だわ...」と返事する。

彼女は、笑ってコーヒー片手に窓の外を眺めている。

「スゲー世界観の中で生きてるね。私はそんな風に小説の中の主人公のような女にはなれないよ。こえーよ。」と言ったことがあるが、彼女はどこ吹く風で、「私がどんな世界でどんな風に生きようが、誰かに文句を言われる筋合いはないでしょ。私の人生だよ。好きなように生きるの。」と言っていた。だから彼女が好きだ。

潔いと思った。彼女になりたいとは思わないが、思ってる事を言っても、受け入れて突き放したりはせず、でも私とあなたの考え方は違うのよと自分の想いもしっかり伝えてくれる。彼女が私の事をどう思っているかは分からないけれど、少なくともこのように会いお茶をする時間を作ってくれてるのだから、嫌いという事はないだろう。...たぶん。そう思いたい。

嫌われたくないのに、なぜついうっかり思ったことを口に出してしまうのだろうか。もうこれは病気だと思う。でも、少なからず彼女は受け入れてくれているようだ。...たぶん。

「私、友達が欲しいんだけど、もうどうやって作ればいいのか分からないんだよね。でも、いざお話とかするとさ、この人心の中でどう思てるのかな…とか、深読みしちゃって疲れるんだよね。すぐに人を信用できる人が羨ましい。」

ポロっとそんなことを相談すると、彼女は窓の外をみながら

「そんな所もひっくるめて、楽しいって受け売れてくれる人がきっと現れるよ!大丈夫。」

と当り障りのない前向きな言葉をかけてくれた。ってか、君は私の友達ではないのか?と言う質問は怖くて出来なかった。

「違うよ。」と微笑みながら言われたら、しばらく立ち直れない気がした。

結局のところ、友達なのか、知り合いなのか呼び方に困る彼女との時間は、ゆっくりと過ぎて行く。まだしばらく友達が出来そうにない私には、彼女が必要で、私が彼女を必要と思うように彼女も私が必要だといいなと、心の中で思いながら、彼女に習い私も窓の外を眺めながらコーヒーを飲んでみる。

でも、ふと客観的に見てみたら、40歳過ぎたおばさん二人が窓の外の雨を眺めてコーヒー飲んでる姿は、小説でもなんでもなく、日常の一コマに過ぎない。

そんな現実に引き戻されて、私はカフェを後にした。

今日も皆様いい一日を!

サポートしてもらえるとは思っていませんが、もし変わった方がサポートしてみようかと思って頂けるのなら、こんな嬉しい事はございません!!でも、とりあえず、一度考え直してみて、それでもなお!って方は、ぜひ!!本当にありがとうございます!!!