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向こうの際


腕を振る
先端に淡く
ひかりを湛えた棒切れで
お前の姿の獣を払う

鳥が飛んでいく
泣いているのは
水に落ちた銀貨
腫れ上がって
漏れ出して
事切れるまで
それほどない

幻惑の霧に
連れて行かれる
息は戻ってこない
深い森の中
血を流すことなく
埋没していく


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