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軽薄

母の子宮を経つ日
私はきっと死刑を執行をされる罪人のような顔をしていたと思う
眩しく温かい地獄で 産声をあげる

白いチューリップが一輪
音も立てずに散って 無垢な私 壊れる
甲高い耳鳴りが 日常に解けてゆく
涙を流す暇(いとま)は
夏の夕暮れの菫(すみれ)色の空に消える

薄い紙切れで滲む  嗚呼、雑なものだ

君たちを愛したかった
幸せだと思いたかった
凪いだ冬の海を見ていたかった
綺麗だと思いたかった

紙一重のところに終わりが居る

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