反ワクチン派の考察|参政党の登場を通して
参議院選挙が近くなってきた。
Twitterを見ていると参政党に言及するツイートが目につく。
ツイートをしばらく追ってみると参政党と反コロナワクチン派、反マスク派(以下「反ワクチン派」とまとめて言う)との関わり、そして反ワクチン派の中の主義主張の違いが浮き彫りになってきたので、ざっくり紹介したいと思う。
※多分正しくはワクチン、マスク強制反対派と言ったほうがいいのかと迷うところはあるが、反ワクチン派と記載する。
参政党って?
参政党は新しい政党なのだが、ざっくり言うと、保守(というよりむしろ「ネットde真実系」の右翼)の集団から始まったのだが、途中から変質し始め、現在では国粋主義的価値観を下敷きに陰謀論的な主張をする政党になってしまったらしい。
(天皇中心の〜とかその辺の文言に加えて、国際金融資本とかグローバリストとかいうキーワードが出てきて個人的にはおやおやとなってしまった。)
反ワクチン派との関わり
その参政党が掲げる主張の中で耳目を集めているのが反ワクチン、反マスクの主張であり、各種SNSで活動する反ワクチン派の支持を集めているという状況のようだ。
ただ、ここで気になったのは、反ワクチン派と見られるアカウントの中に、参政党を批判しているものが複数あるということだった。
諸手を挙げてみんな参政党を支持していると思いきやそうではないらしい。
ということは、反ワクチン派の中にも主義主張の違いがありそうだと気がついた。
陰謀論か選択の自由か
なぜそれらのアカウントが参政党をとんでもないと批判しているのか。
ある批判では、参政党が右翼的政党で憲法の「創憲」を主張していることが根拠に挙げられていた。
まず、「自民党など改憲勢力は改憲により国民の自由を制限しようとしている」というのが護憲勢力の主張がベースにある。
ここで天皇中心の国を作るという参政党の主張を考慮に入れると、改憲よりひどい、まるで大日本帝国憲法のような憲法を参政党は「創憲」したいということだと解釈できる。
これではお上の一存で国民の自由、すなわちワクチンを打たない自由やマスクをしない自由も奪われることになる。
つまり、批判者たちは選択の自由を守ることが根本にある反ワクチン派だったのだ。
(ちなみにそういったアカウントはれいわ新選組を支持していることが多かった。)
反ワクチン派は陰謀論ベースのものとばかり思っていた。
つまりコロナウイルス自体が、ある大きな存在の陰謀により仕組まれたもので、ワクチンも同様に人々に害をなすものだ、という言説だ。
しかし、そういう考えではない反ワクチン派もいたのだ。
参政党がまるでリトマス試験紙のように選択の自由派か、陰謀論派かを浮き彫りにしていたのだ。
たしかに陰謀論を主張している政党であれば、陰謀論的反ワクチン派は飛びつくし、右翼思想とか国粋主義とかに反感があるわけでもなさそうだ。
それどころか親和性が高い可能性すらある。
日本固有の伝統や人々の性質を重んじることにより、国際金融資本の企みを打ち潰すことができる、などなど。
外集団同質性効果
私はコロナワクチンを3回打ったし、外出時はマスクを着用する。
つまり反ワクチン派は、私の所属する集団ではない。
心理学の用語で、外集団同質性効果というものがある。
自分が所属していない集団(外集団)の構成員は全て同じような性質を持っているように見え、逆に自分の所属している集団(内集団)には多様性があるように見える現象を説明する言葉だ。
私にとって反ワクチン派は同じ思想で動いているように見えがちであり、選択の自由も陰謀論も十把一絡げに捉えてしまう。
しかしよくよく観察すると明確に考えが分かれていることがわかったし、それらが実は水と油だったなんてことまでわかってしまった。
こういう発見ができたので、私にとって今回の参院選の価値は大いにあったと思う。
まだ投票していないし結果もでていないが。
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