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家計簿を複式簿記でつけてみる

簡易的な家計簿を毎月付けていたが、課題があった。
それを解消すべく、複式簿記で家計簿を付けてみようと考えたので、お話ししたい。
日商簿記3級程度の簿記の知識と表計算ソフトの扱い方のスキルがあれば、だれでもできると思う。

これまでの課題

・支出分析がしにくい

これまでは、毎月末日の銀行残高を前月と比較してどのくらい増減したかを確認していた。この方法は簡易で、貯金が増減したかだけ知りたければこれで十分だった。
しかし、何にお金を使ったかなどの分析は別に行う必要があるので、同時に支出分析用の集計も行っていた。
この時、キャッシュフローベースで支払を追っていくと、クレジットカードや公共料金などの当月以前分の支払も含まれているので、別の月の分として集計し直す必要があった。
特に私の場合はほとんどクレジットカードで支払をしているので手間がかかる。

例えば、クレジットカードで12月に使った分を1月にまとめて支払うなんてことは結構多い。1月の出金だが、12月の費用として集計して……みたいなことをやるとだんだんよく分からなくなってくるし、正確性も担保できない。

BS(銀行残高)とPL(支出分析用の集計)がきちんと繋がっていないのが問題なので、複式簿記を使えば解決できる。
以下のように仕訳を切ればよい。
出金時の仕訳で未払金がチャラになるか確認すれば、計上されている金額が正しいかも担保できる。

12月 〇〇費/未払金
1月 未払金/現預金

・資産・負債の管理がしづらい

idecoや積立NISAを始めたので、資産の残高管理を行いたいと思ったのと同時に、そういえば奨学金の返済もしていることに気がついた。奨学金は負債に計上して、残高管理したい。
複式簿記を導入すれば、これらも管理しやすくなる。

方法

Googleスプレッドシートを使うことにした。Excelでもnumbersでも表計算ソフトならなんでもよい。
結局のところ、仕訳を入力してそれを勘定科目別に集計できればよい。

具体的な方法は以下のサイトがわかりやすい。

https://officeqa.net/excel-fukushikiboki-kakeibo-01/

・勘定科目を決める

適宜自分の管理したい勘定科目を設定する。
費用の科目については、支出分析がやりやすいように分けるとよい。

毎月必ずかかるもの(食費や光熱水費など)と突発的に発生するもの(遊興費や家具家電購入費など)を分けると個人的には分析がしやすかった。定常的に暮らすためのベースラインの費用とたまに発生する費用を分けて考えることで、将来の見込みや予算が立てやすい気がする。

また、給与明細の項目ごとに科目を作っておくことをおすすめする。
例えば、基本給や残業手当などの給与の種別や住民税などの税金や社会保険料の科目だ。
こうすることで、給与明細の集計表が勝手にできあがる。
天引きされている税金や社会保険料も月々のコストだと捉えて、分析することもできるようになるのもメリットだ。

・仕訳を入力する

仕訳を入力するシートを作って、入力していく。
おそらく最初は開始仕訳を切っていくのが面倒だと思うが、ここさえ我慢すれば毎月少しずつやるだけでよくなる。

・集計する

切った仕訳を勘定科目別に集計する。
sumifsでもいいし、ピボットテーブルでもいい

気づいたこと

複式簿記で課題は解決したが、新たに考慮すべきことも発生した。

・前払費用

保険料やNHK受信料など一定の期間分を前払しているものがある。
これを前払費用に計上した上で、期間にわたって按分して費用計上しているのだが、果たしてそこまでやる必要があるのかどうか疑わしい。金額も僅少なのでそこまで厳密にやる必要はないかもしれない。

・給与

当月分が翌月に支払われるため、それを未収金に上げる必要があるかどうか悩ましい。
現時点では給与の収入だけは現金主義で計上してしまっているが、月によってそこまで変わらないので、別にいいかと思っている。

まとめ

複式簿記によって、課題は解決された。
若干手間はかかるが、家計簿を体系立って付けられるようになったのは、とても気持ちがよかった。
これまでより分析もしやすくなり、ベースラインの生活コストも見えてきたので、将来設計や計画的な支出に役立った。

簿記初心者は勉強にもなると思うので、おすすめだ。実務でやったことがあるかないかで理解度は大きく変わってくると個人的には思う。
そういう私は簿記の資格を何も持っていないので、説得力はないのだが。

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