10年来の元ジャニオタが例の性加害報道についての自分のモヤモヤを言語化してみる

例のBBCのニュース、タイトルだけでもめちゃくちゃ怖くて、どうにか勇気を出して日本語記事だけ読みました。

10代を丸々ジャニオタとして過ごしてきて、20代になりジャニーズからは離れ、海外コンテンツを見るようになって、「他人から見たら私ってポリコレなんだろうな」みたいになった。

どんなときも犯罪者が100%で悪い。それは絶対。
けど、このニュース、自分の中のモヤモヤがすごい。全然落ち着かない。「ジャニーさん/日本社会に対する怒り」とかの言葉だと雑になってしまうモヤモヤ。

私がジャニオタになり始めたころ、SNSはまだそんなに流行ってなくて、スマホとガラケーが半々くらいで、もちろんジャニーズの公式アカウントなんかどこにもなくて、私は地上波とスポーツ新聞と、雑誌(テレビ誌・女性誌)と"信ぴょう性の低い"ネット記事を中心に情報収集をしてオタ活をしていた。

だから、"ジャニーズ"や推しの名前で検索をかける過程の検索候補などで、そのとき既にふわっとこの件について知ってはいたけど、よくわかんない週刊誌が出す信憑性が低い推しの熱愛報道と同レベルのものだと思ってちゃんとリンクを踏んだことはなかったし、仮に本当のことだったとしても昭和の頃の話だと思ってたので「その時代の倫理観分かんねーしな」とか思っていた。

10年ほど経った今。
「今回の報道、どのSNSアカウントでも回ってくる。しかも週刊誌じゃなくて、BBC。これはちょっと思っていたものと違うかもしれない。」と思って勇気をだしてリンクを開いたら……

全然昭和の話じゃない。2000年代の話。推しもいた時代。たくさんの微笑ましいエピソードを聞いた合宿場。めちゃくちゃショッキング。

推したちが性被害に遭っていたかもしれないという可能性と、直接被害には遭っていなくても、同期や仲間の被害を推しがスルーしていたかもしれない可能性と、それでも尚、推したちは彼が死ぬまで尊敬していたこと……

私はただのオタクだったけど、推しが尊敬しているジャニーさんを推しのように尊敬していた。
ジャニーズのファンダムから離れてある程度の大人になった今ですら自分の中で消化しきれず、モヤモヤが止まらない。
ガチガチに推してた10代の頃これを知ったら、私はどう思ったんだろう……

Twitterでこのニュースが私の元へ流れてくるとき、大抵はBBC側の意見に賛同し、ジャニー氏や会社、日本社会を批判する声が多い。
しかし、TikTokだと、あまりにも悲惨なセカンドレイプ的コメントが多く、私は動画を見れずにスワイプしてしまった。そのコメントをした彼らがどんな人かは分からないが、その中にはきっと現在進行形でジャニーズタレントを推している中高生もきっといたのだろう。
私は大学入学前後からジェンダー論や人権問題に興味を抱いて勉強し始めた。それらを学ぶ前に、「あなたの好きな人たちが所属している会社のトップはこんな犯罪者です」と言われたら、直視して受け止めることができずに彼らのようなコメントをしていたかもしれない。「だって推したちは性被害のことは1mmも感じさせずに今日もメディアに出ている。そのインタビューにいるのなんて売れなかった辞めジュじゃん。」私がそう言う可能性もあった。

ジャニーズをキャンセルすべきとかそういうことを言いたいわけじゃない。キャンセルカルチャーは好きではない。だからこそのモヤモヤもある。1番に謝罪すべきであろう人はこの世にはもう居ない。

今の私を形成する上で、ジャニーズタレントである(元)推したちは多大なる影響を与えてくれたし、その推したちが私と出会えたのは、間違いなくジャニーさんが彼らをジャニーズに受け入れたからだ。
「罪を憎んで人を憎まず」とは言うが……

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猫黒 歴史
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