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欠けと深夜

短い秋があっという間に通り過ぎて,早朝はもう刺すような寒さだ.ここからどんどんこの街は寒くなるので,出しっぱなしだった冬服を整理して今年着そうなものを洗濯した.

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写真を撮るようになって,季節毎に何をイメージするのかできるだけ言葉にしようと努めてきた.夏は「錆びと斜陽」,秋は「悼みと可視光」.表現しきれたかどうかは微妙だけれども,できるだけその季節の中から,この世界の綺麗なものや美しいものを見ようと努力してきた.

L1004023-1のコピー

ここから長く暗い冬が始まります.夜の底や暗いところから,完全に明るいものを見ていたい.そしてそれを,できるだけ私にしかできない方法で捉えたい.

冬はきっと,欠けと深夜の季節だ.そう思いつつも撮りたいものは綺麗なもの・明るいもの・美しいものです.死や退廃を美化するのはきっと良くない.諦観と微笑を携えて,「それでも」を口遊みつつ,高らかに讃歌を.

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なんて,そんなことを考えながら,朝.生きることをやめないでいよう.

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