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裏切者、湯田(仮名)の激裏リーク情報001

皆さんに、間違いのない投資をしていただくため、スタッフの一人が仮名でこの作品の裏側をリークします。(※このコーナーは、多少のフィクションと、動かしがたい真実によって構成されています)

リーク情報001:いいトシしてなにやってんだ!! 夢が治らないオトナたちの暴走

私、湯田(仮名)が、投資家の皆さんをお守りするために、命の危険も顧みず、この作品の真の舞台裏をお伝えしましょう。第一回は半ば強引に共同脚本という名目で協力させられたK氏の証言です。↓↓↓

友人の北御門が、久しぶりに映画を撮るという。彼は現在、広告製作会社の社長兼プロデューサーで、その意味では今も映像を扱うが、いわゆる劇映画など大昔に撮ったっきりだ。「25年ぶりだよ」いや、それは正確ではない。25年前のは、まだ映画制作をやめていませんというアリバイ作りのために撮った小さい作品で、本格的な映画作品からは30年近いブランクがある。

彼は去年大病をした。命にかかわる病からの生還だった。その時に自分の人生を見つめなおしたらしい。それまでバリバリ仕事をこなしてきた男だったが、過去に置いてきた夢があることを思い出したようだった。

夢ねぇ…、その言葉は、オジサンになった私には、せつない響きがある。

[1] Abe : my mother used to say to me; she'd warn me, she'd say, 'Don't get too close to people. You'll catch their dreams... '... Years later, I realized I misunderstood her... 'Germs', she said, not 'dreams'.

エイブ : よく母が言ってた。人に近付いてはダメよ、夢が感染するから。あとになって気付いたことだが、母は夢(ドリーム)ではなくバイ菌(ジャーム)に感染すると言ってたんだ。

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(仮面ライダーのロケ地でもある松井建設で撮影中の北御門潤監督(右)。左は撮影監督の羽崎友康)

彼の夢というのが、映画を撮ることだ。さっそく、プロットを書いてよこしてきた。きっと、今までの人生を振り返るような、深い人間ドラマなのだろう…そう思ったのだが。

サイボーグ、改造手術、タイムトラベル… はい?、なんだコレ?

SF映画じゃないか、中学生の学祭じゃないんだぞ、おいおいなんだよ、死にかけて一念発起してコレかよ。

そういえば、彼は中高生時代にSFものの制作に没頭していたらしい。もともとは、TVの仮面ライダーも見せてもらえない厳しい家庭環境で育った反動からそうなってしまったようだった。そういや、最近も「仮面ライダー・ゼロワン」にエキストラ出演したとかで喜んでいた。もともとそういうやつなのだ。

だが、私はどうしても我慢がならず、こう訊いてしまった。

「これ、どこがオモシロイの?」

意地悪だが、正直な疑問でもあった。これで、多くの観客を納得させることができるのだろうか?

北御門は耳を疑うような言葉を返してきた。

「さあ、どこがおもしろいんだろうね?」

字面だけ追えば、プロジェクトが崩壊する爆弾発言だ。それは、決してふてくされて返したわけではない。むしろ、彼は照れつつも自信満々に、笑みをたたえてそう返したのだ。作ってみればわかるよ、心配すんなって…と言外にそうほのめかしていた。

その日以来、北御門は脚本を執筆しながら、私に意見を求めてきた。私が「自分ならこうする」とか「こういう案はどうだ」などと答えると「おっ、いいね」だの「おもしろい」だのと褒めてくるのでだんだん私も楽しくなり、積極的にアドバイスするようになっていった。そして、北御門はタイミングを見計らい、ある日こう言った。

「じゃあ、その部分、君が書いてよ」

へ?

「共同脚本家として、参加してくれ」

はい?

おいおい、ちょっと待て、この泥船に乗れというのか? 冗談じゃないぞ。ハッキリ言ってやる。

「よし、やろう。光栄だよ、よろしく」

あ…

[2] Abe : I'd catch your dreams.

エイブ : 私は君の夢に"感染"してしまった

頭の中で「タッカー」の名台詞が蘇っていた。私も、北御門の夢に感染してしまった。

■■■ あなたへのミッション001■■■
このご時世に、甘いこと言ってますね。こういうアホどもには厳しい現実をつきつけて懲らしめてやりましょう。完成に協力するていで応援してくだされば、作品はついに公開にこぎつけられることでしょう。それがコケた日には、一緒に、ざまあみろって言ってやりましょう。いや、むしろ、夢という熱病はなかなか楽しいものですから、なんなら、この病を積極的に楽しむのもアリです。

それならば、間違って作品が成功しても喜びがあり、コケてもざまあみろで済みます。どっちに転んでも悪い話ではありません。リターンもより取り見取り。でも、リターンよりもっと素晴らしいことがあります。

一緒にこの夢を完成させませんか?

[1][2] Landau, M. (as Abe). Coppola, F. F. (Director). (1988). Tucker [Motion picture]. Lucasfilm. 映画「タッカー」(1988)(監:コッポラ/ルーカスフィルム)より ランドー(エイブ役)のセリフ

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