シナリオができるまで
今回は酒場SF「REUNION」のシナリオができるまでを振り返ってみたいと思います。ストーリーの着想は2019年秋にぼんやり頭の中にありましたが、映画のシナリオ化作業は2020年2月から始まりました。
まず最初に作ったのがこのティザービジュアル。女性の写真は著作権フリー画像です。この段階では当然主演女優も決まっていません。
このティザービジュアルと短いキャッチコピーのおかげで、友人知人からいろいろなアイデアが寄せられ、その後のストーリー/キャラクターづくりに大いに役立ちました。作品の“世界観”を示すキービジュアルを最初に作ることは、特にSF設定の映画の場合は有効だと思います。
続いてプロット(あらすじ)に取り掛かりました。今回主要なドキュメントはすべてEverenoteでまとめています。スマホでも編集できるので、電車の中でプロットのアイデアが浮かんだ時にすぐ加筆したりできます。
プロットを友人に共有する際にもリンクを送るだけでよく、リンク先の内容は常に最新の状態なので、その点も便利でした。
プロットができ上った後、いよいよシナリオ化に取り掛かりますが、いきなりシナリオを書くのではなく、シーンごとにカード形式にまとめた「中箱」を作ります。これでストーリー前後のつながりや矛盾点を洗い出しながら、全体の構成を詰めていきました。
2020年4月下旬、キャラクターのセリフが入ったシナリオ第一稿に取り掛かります。ストーリー順に書くのではなく、イメージが固まったシーンから順不同にEverenoteに執筆していきました。
予想外にシナリオボリュームがあったため、この段階で友人の片山君に共同脚本を依頼しました。片山君には主に酒場の常連のシーンを担当してもらいました。片山君が共同脚本で参加してくれたおかげで、自分は本筋の執筆に集中できました。
2020年5月3日、ついにシナリオ第一稿の脱稿を迎えます。その後撮影監督の羽崎君がシーンナンバーを入れてくれ、A4・35ページにおよぶシナリオとなったのです。
そして、映画制作ではシナリオ以外にも細々としたドキュメントが必要です。例えば小道具一覧です。SF映画というのは何かと特殊な小道具(本作はそれに加えてコスチューム)が必要で、このリストアップと制作分担は早めにスタートしなければなりません。
調子に乗ってシナリオを書き進めたせいで結構な量の小道具やコスチュームが必要になり焦りました・・・(というか焦っています)
小道具は複数のスタッフに分担して制作発注をかけています。以下はその中の一人、サイボーグコスチューム制作とガジェットデザインを担当いただいている斎藤ゆきえさん(@cyborgyukky)の手によるデザイン画です。さすがプロフェッショナルの作画で、特に補助バッテリーのデザインは各所で好評でした。
映画はこの夏、7月2日に予告編(パイロット版)のクランクインを迎えます。プロフェッショナル/ボランティアあわせてキャスト8名、スタッフ20名以上が動きます。主題歌レコーディングひとつとっても、既に数カ月にわたるプロジェクトが動いています。
シナリオ作りと並行して主要キャスト候補にアポイントを取り、出演交渉を重ねました。幸いなことに「この人に演じてほしい」と考えていた役者の方に快諾をいただけました。(余談ですが、この頃からTwitterのキャスト/スタッフのアカウントをフォローするようになりました。今ではタイムラインがエンタメ一色です)
映画作りは一人ではなしえません。多くの人がかかわる中で“想定外のよい作品”になることを願っています。
ぶっとんだ「酒場SF」の誕生にご期待ください。
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