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ファスティングは最強のダイエット法①

①ファスティングについて...ファスティングは最強のダイエット法です

ファスティングについて聞かれたことはあるでしょうか?

ダイエット法は過去無数に出てきましたが、いずれもリバウンドに終わってしまうことが多かったようです。

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上の図は、今まで時代時代で最善と考えられたダイエット法、つまり『糖質制限、糖質オフダイエット』、『脂質制限ダイエット』についての長期追跡をした論文となりますが、四年間で全手法でリバウンドしてしまったという残念なデータがあります。

別記事で提示させて頂きますが、リバウンドにより太りやすい体質になってしまいますし、そもそも死亡率が上昇してしまうという恐ろしい結果も発表されています。


しかし最近になりリバウンドしにくいダイエット法が注目されるようになってきました。


それが間欠的ファスティングです


②間欠的ファスティングとは?

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ファスティングとは断食のことです。

通常人のエネルギーを産生するシステムとしては、炭水化物を燃焼させることによりエネルギーを産生します。このシステムの欠点としては、肝臓で100g、筋肉で300gしかグリコーゲンを保管できないために余ったエネルギーは脂肪として蓄積されてしまいます

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ダイエットの目的は余剰脂肪を減らすことですから、脂肪を燃料として

使用するシステムはないものか?→脂肪を燃料とするエネルギーシステムが間欠的ファスティングです。


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糖質を摂取しない状態から、ヒトの体は15時間すると体内に蓄えられた脂肪分解が始まります。その脂肪分解物質(脂肪酸)をエネルギーとして利用することでダイエット効果が発現するのです。

以上のシステムを利用した間欠的ファスティングの方法としては

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①一日の内で絶食期間を15時間空ける

②絶食期間中は水分は摂取OK

③お腹が空いたときは、インスリンを分泌させず空腹を満たしてくれるnuts、ヨーグルトなどを摂取する

④週一日から徐々に始める

⑤食事の時に緩やかな糖質制限を組み合わせるとさらに効果的

となります。



③間欠的ファスティングのエビデンスによる裏付けはあるのでしょうか?


ヒトに対するファスティングに関するエビデンスは実は大量にあります。

【IFは体重または体脂肪を減らし、インスリン感受性を改善し、グルコースおよび/またはインスリンレベルを減らす】との結論は多量に認められます。(2016、Eshghinia and Mohammadzadeh、2013、Halberg et al。、 2005、Harvie et al。、2011、Harvie et al。、2013、Harvie et al。、2016、Heilbronn et al。、2005a、Heilbronn et al。、2005b、Hoddy et al。、2014、Hoddy et al。、2016、Johnson et al。、2007、Klempel et al。、2013、Trepanowski et al。、2017b、Varady et al。、2009、Varady et al。al。Bhutani et al。、2013、Brandhorst et al。、2015、Carter et al。、2016、Catenacci et al。


またその他のポジティブな作用としては血圧を下げ、脂質プロファイルを改善し、炎症および酸化ストレスのマーカーを減らすことができますとあります。(最近になり全ての老化の根幹は慢性炎症(inflammaging)が基礎病態でないかと言われています。それに対しても有効である可能性が示唆されています)

④ファスティングの誤解

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皆さん『朝ごはんを抜くと代謝が落ちる、つまり太りやすくなる』と一度は聞かれたことがあるのではないでしょうか?

最新のエビデンスを精査すると実はその反対で、上記噂はすべて逆の作用があると報告されています。

つまりファスティングにより

【アドレナリンが分泌されることにより基礎代謝アップ】

(4日間のファスティングによりなんと14%エネルギー消費量が上昇したとの報告があります)

☆カロリー制限では逆に基礎代謝率は低下します

PMID: 229529
DOI: 10.1016/b978-0-12-571135-7.50016-3

【アンチエイジングに必須である成長ホルモンが分泌される】

成長ホルモン(GH)についてご説明します。GHのアンチエイジング作用としては、筋肉量維持、骨密度を高めてくれる、エネルギー源として、脂肪を優先的に利用してくれる、オートファジー機能強化(BDNF つまり出来損ないの細胞を掃除してくれる)ことで認知症、発がん抑制作用があります。PMID: 2355952
DOI: 10.1056 / NEJM199007053230101

そんなアンチエイジングに重要なGHですが、5日間のファスティングによりなんとGHの分泌量は二倍にまで上昇したと報告がされています。

従来のダイエット法と比較しリバウンドが起きにくい!

先ほど時代時代で一世風靡をする『ダイエット法は全例リバウンドをする』と申し上げました。

しかしファスティングは脳科学的にシンプルな方法のためにリバウンドが起きにくいと報告されています。

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説明;左図オレンジグラフはファスティングダイエット法の経時的変化です。リバウンドが起きていないことがわかります。


⑤ファスティングの唯一の弱点①血糖スパイク②ケトン体

                 

今まで解決法のない肥満に対する唯一のダイエット法であると思われるファスティングにも欠点があります。

それが【血糖スパイク(食後血糖値の急激な上昇)を起こしやすくなる】ということです。

皆様血糖値には①空腹時血糖②食後血糖値二つの種類があることはご存知でしょうか?じつは認知症、心筋梗塞等の心血管障害には食後血糖値の上昇が強く強く関連していると報告されているのです。

ファスティングは絶食期間が長いために、恐ろしい血糖スパイクを惹起する可能性が高いのです。


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またケトン体についてもお話ししておかなければいけません。

ファスティングにより、脂肪組織から脂肪酸が動員されると、その脂肪酸を利用して肝臓がつくり出す物質;ケトン体が発生してしまいます。

( 脂肪酸→(β酸化)→アセチルCoA→アセトアセチルCoA→HMG-CoA→ケトン体)

そしてケトン体はにより血管機能の低下するという論文Hypertension 2008; 51: 376-382)との関連からも注目され、

『ファスティング→ケトン体産生→血管機能の低下(老化の進行)』

という悪のレッテルが張られてしまったのです。

しかし!最近になりそれを覆す論文が米国より発表されたのです。

『若返り物質;ケトン体』については

こちらをご覧ください


⑥弱点の解決法

そのファスティングに由来する血糖スパイクを解決できる食材があるのです。

またそれは前述した老化の重要な病態である慢性炎症にも明らかに抑制してくれる明確なエビデンスがあり、率先して摂取しない食材なのです。

それについては次回以降お話しさせて頂きます。

⑦現在治療中の基礎疾患がある方はかかりつけ医と相談が必要です

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特に糖尿病治療中の方は脱水による糖尿病性ケトアシドーシスの併発の恐れがありますし、その他妊娠中、低血糖発作の既往がある、健康状態不良等の内分泌系疾患で治療中の方は必ず主治医と相談、許諾のもとに行ってください。

稚拙な文章に目を通して頂き誠に感謝致します。

Purevidence株式会社CEO 消化器内科専門医

井上浩一 拝


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