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キャンプ&トラブル&ツーリング!②

 2016年、SR400とバイクライフを楽しんでいた私は、友人と共に秋のSSTRに参加することにした。風間深志さんという、オートバイ冒険家の主催のラリー。だからできる範囲で「冒険らしく」キャンプツーリングをしてみることにした。

前の話



 初のキャンツーを済ませ、足りないものを知った私達は、本番に向けて準備をするのだが……。今回は、反省を生かしてキャンプのギアの足りないものを足していく話。





・足りなかったもの

 
 実際に荷物を積んで走ったこと。また、桧枝岐の、キリンテかわばたキャンプ場にて実際にテントを張った事で足りないものが見えてきた。


 バイクにおける不安要因・足りないもの


❶積載の不安:
 シートバッグをしっかり取り付けた。けれど、バッグに入らなかったテントは外に括るしかなく、途中で落下事故を起こすのではないかとひやひやした。シートバッグの積載バンドでしっかり縛ったけれど、それだけだと不安。固定する何かが必要。

❷積載しきれない:
 シートバッグがどうやら小さかった。
 後から調べると、30リットルではザック換算で山小屋1泊くらいの積載量。ただ、バッグの上が平らなので上に積む手段があればキャンプも可能。
 

こんな感じでネットを装着。
防水バッグはネットだけでなくバンドで留めている。テントは荷重を半ばリアキャリアに預ける形にして積んでいるが、今見ると中々怖い。


こんな感じでリアキャリアに預ける形。
シートバッグにかなりガチガチにくっつけている。



 キャンプにおける不安要因・足りないもの

 全体的に不安しかないのだけれど、前回のキャンプで致命的だったところをリストアップする。

❶暗い:
 ランタンの明るさはルーメンという値で知ることが出来る。隣のキャンプサイトにいたファミリーキャンパーさんは、幾つかのランタンを持っていた。その中でもメインのランタンが、恐らく1000ルーメン前後。上から吊るすとサイト全体が見渡せる明るさ。

ランタン2種。左のハリケーンランタンは大体200から400ルーメンくらい。コールマンのガソリンランタンは800から1000くらい。両方とも使い方によってメインになり得る。
でも、バイクでの持ち運びはグローブ(ガラスの火屋のこと)が割れたり、燃料が漏れたりする心配がある。また大きいので積載が難しい。


 一方、我々が使っていたランタンは、200ルーメン、下手したら100ルーメンくらい。これはランタンの周囲1,2メートルを薄っすら明るくする程度。本来、メインランタンを使用した上で、更にテーブルを明るくして手元を見やすくするために、この低ルーメンのランタンを置くらしい。


両方ともテーブルランタン。100ルーメンから400ルーメン程度。LEDの方は光量を調節できるのだが、最高まで上げると2時間くらいしかもたない。隣のオイルランタンと同じくらいの光量にして吊るすと良い感じ。


 更に悪いことに、我々はランタンポールなんて持ち合わせていなかったので置き場所に困り、バイクに引っ掛けたり、食事の時に足元に置いたりしていた。上からでないと、手元が明るくならずより暗くなるので置き場所も大事。


この、テントからランタンから全部揃っているシリーズが欲しかったが、売り切れ。テントはこれの色違いのものを購入した。



❷寒い:
 雨に濡れた所為もあるけれど、森の夜は冷える。桧枝岐という場所の標高も関係していたのかもしれない。現地の天気や気温を事前に知っておいて損はない。
 本当ならバーナーのみでキャンプをするところだった。大きな熱源では無いので確実に風邪を引いていただろう。夏だろうと防寒着が必要。
 また、焚火をするのであれば、今は地面へのダメージをなくすために直火を禁止しているところが多いとの事。焚火台が必要。

❸料理を作れない:
 キャンプ場に着いた時間が遅く、ランタンも暗いためナイフや鍋を持っていても危なくて料理を作ることができなかっただろう。作るなら明るいうちから仕込まないといけない。
 今回辛うじてコッヘル(バーナーにかけられる小さな鍋類)セットと薬缶を持ってきていたけれど、カトラリーはおろか、包丁も、菜箸も、調味料も、割りばしも、食材さえもないのだから作りようがなかった。無いという事実は覆せない。本当に何を食べたんだっけ。レンタルできるところもあるそうだけれど、調べていなかったので使用できず。

❹寝られない:
 火が消えない為に、寝られなかった。
 調子に乗って燃やしたのは良いが、炭になってから燃え尽きるまでに時間がかかる事を知らなかった。加減して燃やさなければいけない。
 テントに入ってからも問題があった。おやすみ3秒なので寝袋に入ってからすぐ夢の中だったのだが、寒さで何回か起きた。やはり防寒着は必要。


・解決策と必要なギア


 
①②バイクの積載についての解決策:
 SSTRは日の出と共に太平洋側のいずれかの海岸線からスタートし、日の入りまでに石川県羽咋市の千里浜を目指すイベントだ。普段では考えられない距離を乗るので、積載に不安があると楽しめない。シートバッグはちゃんと固定出来ているから良いとして、はみ出たテントやシートバッグ上の荷物が落ちないようにする為にはどうすれば良いのか。

 実はバイク屋さんのバッグコーナーに答えがあった。
 ネットが売られていたのだ。大きさはバッグ同様色々で、色も種類がある。
 シートバッグの上に積む際はこのネットをつけるようにした。大きなネットでがばっとシートバッグごと包んでしまう。SRはフックを引っかける場所があるので、固定は簡単にできた。
 コツは、左右対称・均等に力が掛かるように張ること。片方のフックを掛けたら斜めの対称の位置にあるフックをかける。これを繰り返していく。きつめに掛かっていた方が安心だし、ネットの下に荷物を入れれば入れるほど安定する。
 はみ出たテントは紐で括った。自転車の荷物を括る紐の太いバージョン。こちらもフックがあり車体に掛けられるようになっている。後々テントを変えたり、シートバッグを変えたりするまで紐は使っていた。ネットは2枚に増やして未だに使用している。

 荷物が入りきらない問題は、シートバッグの上に更に防水バッグを積むことで解決した。ザックも背負い、更にサイドバッグにも詰める事で問題なく増えた分の荷物も収まった。……ただし、シートバッグ ON シートバッグには問題があったのだが、それはまた後程。


ネットは普段も活躍した。ネギがはみ出ているけれど、買い物にめちゃくちゃ便利だった。取り回しし易く、トコトコ乗れるSRだからできたわざでもある。ボンネビルだと大きいので近所に買い物に行くのはやや億劫。


 次に、キャンプの問題。


①明るさについての解決策:
 SSTRを前に、ランタンを再び見に行ったのだが、メインランタンを買う事ができなかった。1,000ルーメン前後のランタンは大きいのだ。車のキャンプならいざ知らず、SRで運ぶのはとても無理な大きさだった。それに初めてのキャンプで散財した後だったので、あまり高い買い物は控えたかった。
 この時出した結論は……焚火すればいいか。
 焚火の炎は暖かいし、明るい。焚火さえ出来ればランタンが暗くても最悪何とかなる気がした。

②寒さについての解決策:
 本番は秋ということもあり、冬用のインナーを持っていくことにした。タイチの、裏起毛のインナーで寒がりの私には必須のアイテムだ。寒くなければ寝る時も快適だろう。
 また、走行していて雨が降りそうならレインウェアは事前に着てしまう。身体が冷えたまま高速走行すると体感気温が5~8℃くらい低く感じる。長く走れば走るほど気化熱もあり、体温が奪われる。濡れないことは絶対条件だ。
 火のありがたさを桧枝岐のキャンプ場で知ってしまったので、焚火は必須だ。焚火台を持って行こう。できれば、調理ができるタイプのものがいい。

③料理を作る為の解決策:
 ものが足りなすぎた。着く時間が遅すぎた。
 とりあえず、家にある調理用の物品を持っていく事にする。シリコン製菜箸、包丁は新聞に包んで更にタオルも巻いておく。塩と醤油も持っていく。コッヘルをまた借りて、カトラリーセットを買っておく。問題は休みが2日しか取れない可能性があること。前日は仕事なので買い物をしていく暇がないかもしれない。日持ちのする、お湯を入れれば食べられるスープやラーメンを買っておく。
 マシュマロと、マシュマロを焼く為の串も買った方が良い。
 
④寝られないことに対しての解決策:
 一番は寒さなので、暖かい恰好をしていれば恐らく大丈夫。
 もう一つの問題は、焚火が中々終わらなかったこと。寝る時間を逆算して燃やさないとまた火が消えるのを延々と待つことになる。


 この時考えられるベストな解決策だったのだと思う。
 勿論、今なら違ったアイディアを出せるが、それだって経験があってのこと。当日一生懸命考えたのは決して無駄ではなかったと思いたい。


 

・実際の装備


◇前回のキャンプに持っていったもの:

テント:ドッペルギャンガー(DODの昔の名) ワンタッチテント
ブルーシート:テントの下に敷いた
寝袋:モンベル ダウンハガー650 #5
椅子:アマゾンで見つけた中華のヘリノックスもどき
テーブル:前回書き漏らした、キャプテンスタッグ(鹿番長)の折りたたみテーブル
ランタン:ドッペルギャンガーのLEDランタン
コッヘル:スノーピーク(借り物)
ミニバーナー:ジッポの折り畳みミニバーナー(借り物)


最初期のギア達は現役。借り物のコッヘルとバーナーはほぼ私が使用している。

薬缶:コールマン
ボンベ:コールマン

(レインウェアは毎回持っていっている。山用ノースフェイスの青。B+COMはメットにつけっぱなし)


◇次回のキャンプに持っていくもの:

 積載ネットLLサイズ
 積載用紐(赤)
 焚火台:A4くん
 長袖:RSタイチのインナー
 包丁:家のもの
 菜箸:家のもの
 調味料:醤油と塩(かければなんでも美味しく食べられそう)
 お菓子:マシュマロとクッキー
 予備の食料:インスタントの飲み物やラーメン

A4くん。手のひらサイズのB6くんも有名。
小さめのダッチオーブンなら乗る大きさ。少し重たいがタフだし綺麗に燃焼する。そしてなんとA4くんの下の地面は、たとえ直下であったとしても熱くならない。試しに紙を置いても焦げ一つ出来なかった。地面へのダメージが少なくて済む。
調理もバッチリ



 果たして、雑誌のようなお洒落キャンプはできるのか? マシュマロを焼いてビスケットに挟むことはできるのか?
 そもそも、キャンプ道具を積んで、SR400でSSTR完走は可能なのか?
 
 ギアを揃えているうちに迫るSSTR2016。申し込みは恙なく済み、やがてスタンプ手帳と車体に貼るゼッケンシール。リストバンドも届いた。


当時のリストバンドは紙製だった。SSTRシステムはまだ無く、純粋にスタンプラリー(道の駅やSAのスタンプ)だった。


 後はルートを決めて、スタートするのみ。
 いざ初のラリー参加!
 初の、お洒落キャンプ!


 次回は実際のSSTRの様子と顛末のお話です。

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