クライン・レビン症候群

うなずいてた君が箸を止めた
「今日も誰かが泣いたんだね」
過去が今を曇らす

暗い話題ばかりのワイドショー
クライマーはクライマックスは観ない
萎えてしまうから

箱庭に投げ込まれてゲーム
ヒットポイントは無限でも減る
レベルは1のまま

自由を望んでまどろんだまま
幸せなふり　いつも通り
希望の進路先に何を書いたか
わからない　必要ない
飯がどうにもまずい

ああ　二人で
たったひとつの傷を背負って
知らんぷりして過ごしたいな
くだらない現実はそのままに

この世界のほとんどは造られた幻
確かなものは痛むように鼓動してる
あるのは愛　それだけ

さんざん罵りあった火曜日
縛ったのは必要なかったルール
近眼で見えなかった

知らぬ工場で流れた涙
平穏に生きてるつもりの平均
それでも鳥は鳴かず

禁止事項だらけの過保護な保険
まだ生きてくの？　わからない
死んだときのことばかり考えてる
もう死ぬの？　別にいいけど
いいかげん飽きたよ

空回りして
泥のついた裸足で小綺麗な街を
知らんぷりして駆け抜けたいな
つまらない未来を蹴飛ばして

眠り続ける街でバレずに欠伸
考えるより先に君の手を引いて
クラインとはさよなら…

崩れる世界　光だけの世界
指先から放射線　雲よりも軽く
まぶたが溶けて　体もとけて
伽藍堂の楽園　扉が開いてく
こんなにもある　ずっと近くに
そばにあるのに　心の中に

あるのは…　ただそれだけ

人も街も誰も気づかず眠り続ける
時計の針が刺しても目覚めないまま
癒されない不眠の夢を見ている

ああ　二人で
たったひとつの傷を背負って
知らんぷりして過ごしたいな
誰かが連れ戻そうとしても

この世界のほとんどは造られた幻
確かなものは痛むように鼓動してる
あるのは愛　それだけ

忘れないように　願うだけ

夢で聴いたフレーズ
二人でたったひとつの傷を背負って
知らんぷりして過ごしたいな
を膨らませてみました