文化を滅ぼしたのは誰か
インターネット上で数十万作もの漫画全巻をタダ読みできる「マンガ共和国」のサイト管理者たちが逮捕された。
国際的に著作権保護の意識が高まり、違法ダウンロードを取り締まる、極めて拘束力の強い国際法が制定された。
これにより他国のサーバを使っての脱法が無意味となり逮捕者が続出、著作権を侵す違法サイトは激減していった。
ただ「マンガ共和国」は技術者がサーバを分散、かつ絶えずデータの移動を繰り返していたため、数十年も大本がつかめずにいた。
その技術者が老衰で死亡したときに隙が生じ、やっと逮捕まで至った。
犯行グループは老衰死した技術者を含めて8人。
全員が経済的に恵まれ社会的地位を持った老人たちだった。
犯行グループはいまだ黙秘を続けている。
それでは彼らの逮捕後、マンガの売り上げが回復したか?
答えはNO。
むしろ「マンガ共和国」閉鎖後に目に見えて激減、売り上げそのものがほとんど0になった。
そもそも人々は既に絵と文字のコンテンツに金を払わなくなっていた。
無料で楽しめるコンテンツがなくなれば、別の無料コンテンツに手を出すだけ。
数十年の月日の間に、それが当たり前になっていた。
テレビは次に流行る無料コンテンツの話ばかりしている。
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