見出し画像

猫好きな腎臓外科・泌尿器科医の自己紹介 はじめてのnote

猫と人の腎臓病では原因が大きく違うらしい。
そして、その原因が克服できれば猫が30歳まで生きる日が来る可能性もあるとのこと。


自己紹介です。
初めまして、私は猫が好きな腎臓外科 泌尿器科医です。

先ず、その私がなぜこんな記事を書くことになったのかを知っていただきたいと思います。

勤務医時代は外科系医師であり、手術を主な手段として腎臓・泌尿器科疾患の患者さんの治療に関わってきました。

がんの手術などだけでなく、慢性腎臓病に対する腎臓移植手術にも数多く立ち会ってきました。

今は開業医として専門科的医療とかかりつけ医療の両立を目指しています。慢性腎臓病などの内科的な患者さんの診療にも力を入れていて、透析治療も行っています。

我が家では5年以上も前から猫のシロ(仮名ですが、本名もそんな発想の名前です)を飼っています。

シロを飼う前はペットを飼うなら犬の方がいいなと思っていましたが、猫を飼ってみるとその小悪魔的なかわいさに夢中です。

つい最近になってから衝撃的なことがありました。猫には腎臓・ 泌尿器科疾患が圧倒的に多いことを知ったのです。さらにそれは猫の飼い主にとっては常識的な話なのだとのことでした。

恥ずかしいことに、自分の診療領域との関連が非常に深いにも関わらず、そのことをシロを飼い始めて5年間以上も知らずに過ごしていたのでした。

スタッフに改めて聞くと、猫を飼っていると確認できたスタッフは全員知っていて、当然私も知っていると思っていたとのことでした。

その時は、私がしてやれることをやっておらずシロは5年以上の時間をロスしたかもしれないと思って、焦る気持ちでいっぱいになりました。

「ヤバイ」「どうしよう」がいつまでもリフレインして頭がフリーズしてしまいました。

私は忙しいことを言い訳に家族に猫の世話を任せて、動物病院にも自分で連れていったことがありませんでした。

シロを飼い始めた頃に血液中のクレアチニン値が正常高め( 意味は腎機能が正常低めという推測)と言われたことも聞き流していました。

血液中のクレアチニン値は人の腎機能の推測にも使う検査項目で、その値は筋肉量による個体間差が大きいのもあって当時はそんな大ごとだとは思っていませんでした。

その後に猫の腎臓病について自分なりに 勉強した結果、猫の腎臓病の原因に驚くべき事実と、その予防や治療に非常に希望が持てることの両方が分かりました。

元東大医学部教授で現在はAIM医学研究所代表である宮崎徹先生が発見した「AIM」というタンパクは人を含むいろいろな動物の体のゴミそうじをするとのことです。

その「AIM」タンパクが猫ではちゃんと働かないことが猫に腎臓病が圧倒的に多い主な原因であるとのことです。

しかし、既に猫の「AIM」タンパクを活性化する予防食も売り出されており、さらに治療薬も実用化に向かっていて猫が30歳まで生きる可能性もあるとのことでした。

ありがたいことに家族が「AIM」タンパク関連の腎臓病予防食を食べさせてくれていました。

さらに、人では直接には後々、腎臓病問題になることの少ない腎臓外科・泌尿器科疾患が、猫では慢性腎臓病の原因になることも知りました。

今後も猫の腎臓病や、さらには猫の腎臓外科・泌尿器科的疾患についても勉強して、シロの為に役に立ちたいと思っています。

人の腎臓外科・泌尿器科医として今まで得た経験と合わせて、猫と人の腎臓病との共通点や 相違点などを理解したいと思います。

そして、せっかく勉強したのなら、それを猫の飼い主さん( 特に自分も慢性腎臓病を抱えて闘っている猫の飼い主さん)の役に立ちたいとも思っています。

今後も「猫」「人」「腎臓病」 を キーワードに、さらにその周辺の話題についてもゆるく少しずつ語っていければと思っています。

次回は、「AIM」タンパクについて希望が持てる話をもう少し詳しくお話できれば良いなと思っています。






いいなと思ったら応援しよう!