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最近作った詩

最近、お酒を飲みながら萩原朔太郎や中原中也の詩集を読んでいたところ、詩を書いてみたいと思い筆をはしらせた。

それをここに載せたいと思う。




面影

我がなきや
あの子の声の染色さ
我がなきや
河の水面の太陽の
孤独さよ。幻よ。
砂利道歩む足の不感さ、
彼岸花の孤楽の楽しさで
饐えたる桃のいとおしさ
あの子の生活さぞ涼かしけれ
わたしは幸福を祈る
わたしは幸福を祈る、祈る。


秋まだ来るな

皆んなは夏を懐かしひと嘆く
けれどもわたしはそうではない。
伸びた草は視界を遮り
わたしの
陰惨を陽のもとに晒す。
はじめて会った瞬間に
私の眼(まなこ)は決意した
彼女の歩幅を優先し
海月は海を飛翔する。
いつか逢えると信じては、
急勾配に肺に慌しくて。


抵抗

美がたりんと嘆き、
河の陽光に思想を見出さんとする
思想がたりんと哀れみ、
本のひかりを酒に流す
若き日々の追憶は、
草木をも燃やす栄光と思ひつ、
酒場の枯草によりて人畜無害とやらを知らしめらるる。
晴れた日の憂鬱さよ、
風に流れる葉の泪を懐かしめ!!

  我が未熟。孤独の熟し、
  孤独者の影に歩み寄らんと。


追憶

夏の記憶は燦々と肌を焦がし、
不満を蒸発させて我が身を潤す
ちょうど硝子窓に映る孤独で可憐な太陽のやうに。
過去の記憶はるいるいと頬に涙を流らせ
たのしささへも浸食し哀しい追憶へと落しめる
街灯に群がる蠅々の栄ひをもきもちわるがる孤独者のやうに。
写真に映るえがおのあなたは、
瞳やら唇やら、なにもかも
暗鬱に炫いている。

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