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〔雑記帳〕好きなのに!

以前、雑記帳に書いたが、私は怪談が好きだ。古典の名作も、最近の実話系も、テレビで見る恐怖映像も、全般的に好きだ。

だが、これもコメント等では書いてきたことだが、私はとても怖がりでもある。何も見えない暗闇も、説明出来ない現象も、自分が体験するのは怖い。廃墟は論外、遊園地のお化け屋敷すら行きたくない。お金を払って、時間を使って、なぜそんな命を削るような想いをしなければならないのか。全力で御免被りたい。

それでも、テレビなどで、他人がお化け屋敷でキャーキャー言っているのは楽しく見ることが出来る。「怖かったです~」と出口でインタビューを受けているのを見て、「そりゃそうだろうな」と他人事なら冷静に思える。その人たちは、怖い思いをしたくて行っているのだから、全然怖くなかったなら「残念」ということになるだろう。

だが、多分、私と同じくらいお化け屋敷が苦手そうなタレントが、仕事で無理矢理体験させられているのは、見ていても辛くなる。お化け屋敷は本来、行きたい人が行くべき場所だと思う。罰ゲーム的に使ったり、タレントの泣き顔目当てで、嫌がる相手に押し付けるものであって欲しくない。自分自身が絶対にやりたくないことを、他の人が押し付けられているのを見るのは嫌だ。

これほどお化け屋敷すら怖がるのに、怪談は昔からずっと好きなまま。だから、自分でもショートホラーを書いてみたりするのだが、書いているうちに怖くなってしまうから困る。何パターンかのエンディングが浮かんだとき、無意識に一番怖くて救いのないものを避けている気がするのだ。そうして書き上げ、しばらくしてから、ふと眠る前にストーリーを思い出したりする。ところが暗闇で思い出すのは、勝手に一番怖いエンディングに変わっていたりするから始末が悪い。目を閉じるとホラーな映像が頭に浮かんで、怖くて眠れなくなって、小さく灯りを点けたり、音楽を聞いて気を紛らわせようとしたり。何をやっているんだ、私は。

それでも怪談はやっぱり好きなので、これからもポツポツと書いていくのだろう。風の音や、頭の中の映像に怯えながら。もし可能なら、読んで一緒に怖がっていただけると嬉しく思う。


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