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〔詩〕断罪

今朝の月は他人の顔
そっぽを向いて
取り付く島もない

昨夜の吐息も肌の湿度も
諦めるための儀式だった
ただ淡いだけの秘め事は
朝になれば
夢のように消えるはずだったのに


塞がりかけた夢の跡に
白い月は爪を立てる
そんな都合のいい時効なんて
認めてはやらないと
掻きむしり引きずり出すのは
綺麗事の奥の身勝手な罪


忘れることなど出来ない
狂おしいほどの罪


今朝の月は他人の顔
白々しい平穏を鼻で笑い
深く沈めようとする遺物を
指先でつまみ上げて笑っている




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