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映画「武士の一分」感想

ネタバレあり
この三連休で映画を観たので感想メモ

新之丞という男

主人公。職場ではそれなりに仕事をこなし、家では妻の加代と中間(奉公人?)の徳平に軽口を叩く。仕事は殿様の食事の毒見役。仕事は好きじゃないらしい。
家では徳平をからかって「徳平は阿保じゃ」と加代に言ってみたりするけど、その言い方からは愛を感じて、そこが好きだった。
将来早めに仕事を引退して、身分関係なく町の子供達に剣を教える道場を開くのが夢という所も好き。子供一人ひとりに服を仕立ててやるように、その身体に合った剣を教えたいと、優しさを感じる指導方針を加代に語っていた。
自分も昔剣道をしていたんだけど、試合に負けて悔しくてガチ泣きするちびっこを見るのが楽しいと思っていた事もあり、シンパシーを感じた。

妻の加代

めちゃくちゃ美人と同僚の間で評判。健気。新之丞を愛している。新之丞が毒見の仕事で貝毒にあたって失明しても甲斐甲斐しく世話を焼いていた。映画を観た直後は夫婦愛っていいな、こんなに愛されていて新之丞羨ましいなと思っていたがいざ感想を書くと自分の中で加代についての感想があまり無くてびっくりしている。

復讐のための剣の稽古

妻の加代を上司に弄ばれたので、失明したにも関わらず復讐を誓い剣の稽古を再開する。加代を傷つけられた怒りや悲しみのために鬼気迫る表情で剣を振る新之丞がとても印象に残った。新之丞は昔通っていた道場の師範に稽古をつけてもらうが、目が見えないためにめちゃくちゃな構え・剣の振り方だった。相手が師範であることも関係なく道場の壁を突き破るほど全力で突きに行くなど、見ていて痛々しかった。でも目が見えない事にも少しずつ順応し、気配を頼りに師範の剣先を押さえ続けられるようになった新之丞のたくましさも感じた。

上司との決闘

新之丞は徳平を使いに出して上司に決闘を申し込む。決闘の前日〜直前に、徳平に対して新之丞が「子供の頃からずっと世話になったな」「達者で暮らせ」と声をかけるシーンで涙ぐんでしまった。新之丞の覚悟と、徳平を大切に思う気持ちが感じられた。徳平が新之丞を決闘の場所へ送り届ける時、徳平が脇差しを着物の下にこっそり携帯しているのが見えて、もしもの時は加勢するのかなと想像した。
肝心の決闘だが、上司は新之丞の目が見えないことを利用して鞘を投げて音を出し、気をそらした所を斬ろうとする。それを看破して逆に新之丞が上司の腕を斬り、勝利する。めちゃくちゃ良かった。何が良かったって、上司が使った汚い手段は道場の師範が一度、新之丞に対して使った手と同じものだったことと、新之丞が勝負中、師範から免許皆伝の時に授かった言葉を呟いたこと。きっと新之丞は勝った時に師範の顔を思い出したと思う。実際そんなシーンは無かったんだけど、自分なら思い出すと思う。尊敬する人の教えに対して誠実でありたいし、それで何かを成し遂げて、全力であなたのおかげですありがとうございましたと言いたいなと思った。このシーンをみて。

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