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米中関係の衰退と崩壊を、いかに新型コロナは早めたのか(前編)

By Josh Rogin
2021年3月4日

 2016年のドナルド・トランプ氏の勝利は、米国政府と中国政府の間にあった脆弱な理解を打ち砕き、21世紀の最も重要な国家関係を、初心者の手に委ねることとなった。トランプ氏は選挙戦の最中から中国を攻撃し、大統領に就任するやいなや、長く続いていた両国の対立関係を一気に沸騰させることになった。トランプ氏は中国の習近平国家主席との間に『友情』を育んだが、彼ら二人の私的な会話が、中国の台頭という歴史的な問題に対する政権全般の対応を損ねることになったのだから、事態はかなり複雑である。そのさなか、トランプ氏の顧問達は、米国の政策を内部から操ろうと相争っていた。

 大統領就任後の最初の三年間におけるトランプ氏の中国へのアプローチは、貿易戦争と技術競争の双方を引き起こした。同時に、アメリカ社会の様々な分野、とりわけ大学、シリコンバレー、ウォールストリートが、中国共産党がアメリカ国内で行っている大胆、かつ、広範な影響力行使キャンペーンから目を覚ました。しかし、2019年の末になっても、2020年の再選を目指すトランプ氏のチームは、外交政策上の成果を得るために、貿易協定を締結させようとしていた。2020年初頭、彼らはそれに成功する。しかし、迫りくる世界的な医療危機によって、この米中間の緊張緩和は、短命に終わることとなった。

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