アフガニスタンに生じた間隙に滑り込む中国
2021年8月20日 by Zhou Bo
Zhou氏は2003年から2020年まで人民解放軍上級大佐を務めた。彼は国家安全保障に関する中国軍の戦略的思考の専門家でもある。
タリバンによるアフガニスタン制圧の速度と規模について、欧米では内省的に捉えられている。20年に及ぶ戦争に何十億ドルも費やしたのに、なぜこのような不名誉な結末を迎えたのか?と言うわけだ。しかし、中国はこの事態を前向きに捉えている。米国の早すぎた撤退によって生じた間隙に入り込み、絶好のチャンスを掴もうとしているのだ。
中国政府はタリバンをアフガニスタンの新政府として正式に承認してはいないが、8月16日に声明を発表し、「アフガニスタンの人々が独立して自らの運命を決定する権利を尊重する」とし、「アフガニスタンと友好的かつ協力的な関係を築く」と述べている。
このメッセージは明白である。中国政府はタリバンとの間に緊密な関係を築くことに何の躊躇もなく、米国に見捨てられたアフガニスタンで、最も影響力のある外部勢力としての地位を確立しようとしているのである。
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