田村 明日香

株式会社トキワ舎代表。2007年カフェナナツモリを開業。2022年までは株式会社青春の…

田村 明日香

株式会社トキワ舎代表。2007年カフェナナツモリを開業。2022年までは株式会社青春の副社長として、レモンケーキを作ったり、イベント企画をしたりしていました。猫とごはんと平屋を愛でながら、日々淡々と暮らしています。

最近の記事

青木ヶ原樹海には何かがいる

今時の若い子は青木ヶ原の樹海なんて知らないんじゃないか。 と思って職場のみんなに聞いてみたところ、 若い子どころか同世代も知らなかった。 これは関西だからなのか、はたまた一般的にそんなに知名度がないものなのか。 私にとっては「言わずと知れた自殺の名所」であり、 数年前から樹海に行ってみたい、と言い続けていた夫に対して、 そういう肝試し的な冷やかしでいくのはよくない、と真剣に説得するほど、 観光地というより心霊スポット的な扱いだった。 今から2年ほど前、静岡に行く用事が

    • 愛猫家になんてなるつもりなかった

      私の家には8年前から猫がいる。 初めて迎えた猫はラガマフィンの馬超。 猫を飼うつもりなんて全くなかったのに、馬超と出会った瞬間我が家に迎えることを心に決めた。 その日のことはあまり覚えていない。 実家での愛犬の死や、結婚してからも夫の飼い犬の死に立会い、 もうペットはこりごりだと思っていた。 私は動物に対して並々ならぬ愛情をもってしまう。 失った時の立ち直りが異常に遅く、心の中でずっとその寂しさが消えない。 それなのになぜずっと拒んでいたその領域をサラッと超えてしまったのか

      • ペンローズの階段

        電車に乗る。 窓の外の景色が移ろう。 川辺にあるキラキラ光るレストラン。 広場で行われているお通夜。 煌々と灯りのつくマンション。 人気のない商店街。 私の膝の上には神戸で買ったパンと、いつもパンパンのカバン。 パン、パンパン。 昔、パン屋で早朝バイトをしていた。 ビルの一階のパン屋で、事務所が上階にあったため、エレベーターに一度乗り、そして降りる。 上階の居酒屋帰りのお客さんと一緒になる。 夜の終わりと、朝の始まりが、小さなエレベーターの中で交錯する。 そのパン

        • 馬超はしっぽに気づいていない

          今目の前で起こった出来事。 自宅で仕事をすることがしばしばある。 我が家は事務所仕様にもなっているので、仕事をするのは快適だ。 ただ唯一の欠点があるとすると(あくまで仕事をする上で) それは愛猫・馬超が邪魔をしにくる点だろう。 PCの上をわざとらしく何度も行き交い、 隣に座ってはかわいい声で鳴き、 飲んでいるコーヒーに手をつっこんで自分も飲もうとする。 馬超は私たちの食事中以外はテーブルの上にいてもいいことになっている。長毛種で豊かな長い毛を持つ馬超が、テーブルの上

        青木ヶ原樹海には何かがいる

          43歳の夏休み

          あの頃の夏休みはなぜあんなにワクワクしたのだろう? 子供のいない自営業の私にとって夏休みはとうの昔に去っていった概念。 夏に旅行したりはするが、それはただの休みであり夏休みではない。 幼い頃あんなにワクワクした夏休みの正体、 それはきっと限りない自由と背徳感が生み出す特別な時間。 もう一度、あの頃の夏休みを味わいたい。 そこで私は考えた。 明日はちょうど休みだ。 今夜から明日まで徹底的に夏休みをしてみよう、と。 43歳の私にとっての自由と背徳感をもたらすものは何か。

          猫とごはんと平屋

          数年前にボロボロの平屋を買った。 駅までは徒歩10分、コンビニも本屋も薬局もスーパーも徒歩10分。 でも家の周りは畑と田んぼだらけ。 探していた理想の土地だった。 家は自分達でデザインを考えて、大工さんにリノベしてもらった。 だからあちこちヘンテコなところはあるけど気に入っている。 家を買う前から飼っている猫の馬超・ラガマフィン7歳。 家を買った後に来た猫のムー大陸・ヒマラヤン2歳。 お酒とごはんは日々のよろこび。 備忘録も兼ねて日々の気づきを綴っていきます。

          猫とごはんと平屋