見出し画像

ウケユリの実生

 ここ数年ウケユリを育てています。昔は幻のユリと言われ憧れていましたが今ではちらほらと販売されています。他のユリの球根もですがもし購入を考えているなら札幌市公園緑化協会をおすすめします。秋だけ販売しています。今年はもう販売が終わってますし今シーズンはウケユリなかったかも。販売されているとはいえ今やSpeciesとしてはタモトユリの方が幻かもしれません。タモトユリ明らかに系統が異なるものを入手したいのですが難しそうですね。あと値段も張ります。

 ウケユリ、請ユリは、奄美大島から徳之島にかけての島々にのみ分布する固有種で、名は多く自生する請島(うけじま)に由来します。発芽の様式は地下速発型とされています。発芽した際に子葉が展かない(地下)のはヤマユリ・ササユリも同じですがこちらは種子が夏を暑さを経験しないと発芽しません(遅発型)。さらに面倒なことに発根して小球ができても冬の寒さを経験しないと芽吹きません。

 昨年の冬に10粒ほど種を播いたのですが春に1つ発芽しました。4月18日の写真です。もう発芽してそこそこ経ってそうですね。

ウケユリ(0418)

ヤマユリやササユリは袋に埋めて地下発芽させたことしかなく陽に浴びていないこともあるのかもしれません。しかしこんなふうに葉も小球(影になっている)緑色になるのは見たことはないです。

 確かに地下速発型で1粒だけですけど播いて翌春に発根(発芽)し小球が形成されしばらくして(ヤマユリなどのように冬の寒さにあたることなく)そこから本葉(鱗片葉)が出てきました。5月2日の写真です。子葉はコオニユリなどのように伸びきりませんが少し持ち上がっていますね。

ウケユリ(0502)

5月17日の写真。鱗片葉が展いています。

ウケユリ(0517)

その後もう一枚鱗片葉が出て少し前に地上部は枯れました。他の種は発芽するのかなと観察していましたが結局発芽せずこの晩秋に発芽してきました。ここでも小球が形成されしばらくして本葉が出てきています。下は最近の写真です。

ウケユリ(12月)

たぶん多くの人は露地物で12月にユリ が芽吹くなんて考えませんよね。最近は温暖化もあるのかもしれませんけど気候条件が発芽に適しているからこそもう冬が来るというのに芽吹くのでしょうけど不思議です。おそらく自生地では結実してすぐに発芽(晩秋)しても気候的に平気なんでしょうね。休眠が弱くほどよい温度が続けば発芽するのでしょう。自生地ではいつ頃開花で結実でしょうか?

 ただこのウケユリ 、南方系なのですが意外に寒さに強いようにも思います。積雪や極寒の地ならダメなんでしょうけど、小さい個体は遅くまで葉が残りますし冬に木子から展葉してそのまま春を迎えるなんてこともあります。別の南方系のテッポウユリあるいはそこらで見かけるタカサゴユリでも種から育ててみればいろいろとさらに気が付くこともあるのかもしれませんね。

 これが無事に開花球になるか気長な楽しみです。

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?