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サクユリの実生

 先日この6月にまいたサクユリの実生の鱗片葉が出ていると「ウケユリの実生のその後」の記事で書きました。ひとつだけですが小さな葉がひらきました。下の写真はタイトル写真とは別の個体。

サクユリ実生2日違い、左から右で少し成長しているのが見てとれる。

どうもたまたまひとつが早く成長したのでなく多くの小球で鱗片葉が伸び始めています。さらに気がつくのは小球が緑色なこと。元は葉(鱗片は葉に近い)なのだから当たり前と言えば当たり前、不思議でないと言えば不思議でないのですが葉緑素ができてるんでしょう。私は経験がないですけど培養(フラスコ)で成長させた球根は写真を見るに緑がったものが多いです。陽(ライト)に触れているって点で同じことなんでしょう。
 またサクユリ(他の遅発芽型も)は条件さえよければ(ほどほど暖かければ)展葉はすぐできるのでしょう。経験はありませんが種子からのフラスコ培養も同じなんだと思います。

 これまで多く袋播きをしてきたわけではありません。ただ発芽が確実に終えていることを考えて真冬ばかり掘り出して植えなおしていました。今回は少し早く10月下旬に掘り起こし植えなおしています。また用土の都合もあったのですがかなり軽めに(浅く)植えました。掘り出した時の写真がこちら。

サクユリ袋播1 いつもはスーパーのロールの袋を使っているがメッシュにしてみた。
サクユリ袋播2 メッシュはこんな風に飛び出して発芽するのもあり結果よくないと判断。

地中にあるので小球は真っ白です。次の写真はまた別の機会の袋播(1月に掘り出し)の写真です。

ヤマユリの袋播

よく見ると鱗片葉ができ始めています。ただこの時分だと寒すぎて成長しないのでしょうね。また地中に埋められていたので葉緑素はできていません(鱗片葉の部分は少し黄色味を帯びている)。

 こういった小さい植物がまわりの環境に負けずに大きくなるには少しでも早く成長する必要があります。確かに雑草でも春先のスタートダッシュのためか冬場に小さい芽を出し越年するものをよく見ます。小さければ意外に寒さに耐え得るものなのかもしれません。
 冬枯れ時分なら地面まで陽が差し込みます。落ち葉が覆うような環境でなく草原なら種子も半年やそこらで地中に埋もれることもないでしょう。でしたら発芽すぐの小球も自然下で光合成しているのかもしれません。また鱗片葉も小さいながらも冬にも出る。あるいは春先にすぐ展葉できるようにスタンバイしている。そうすることで少しでも光合成を行い早く大きくなるようにしているのかもしれませんね。ユリの多くが小さい時分は割に発芽が早いのはこんな理由(光が手に入るうちに少しでも成長する)からだと思います。そう言えば私が野外で観察しているヤマユリも2月頃に木子が動き出してます。
 すると霜にさえ注意すればちょっと小球が見える程度に植える方が小球は早く成長するかもしれませんし、春先までハウスでもいいんでしょう。よほどの極寒以外は定期的な液肥(ただしかなり薄いもの)も有効だと思います。と言ってもよほど上手に育てないと半年ほどでは大きな差はあまりないかも。今回のウケユリの実生はそうでした。ともかく一度しっかり観察してみます。





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