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ものすごい●要素。『君たちはどう生きるか』

『君たちはどう生きるか』を観た。

主人公と同じように、中学生のころ母親から『君たちはどう生きるか』を渡されて読んだ(内容はほとんど覚えてない)。そして同じようにその母はもういない。

難解だという感想をよく聞く印象がある作品なので、よほど淡々としたアート寄りな映画なのかと覚悟して観に行ったのだけれど。
むしろ話の流れは起伏もあってちゃんと観やすかった。

もちろんわからない部分はあるけれど(たいていの映画がそうだともいえるけれど)、普遍的で大きなことを言おうとしている部分は伝わるようになっていて「おお、問いかけられている…」ってな感じに背筋が伸びる。
自分を去り行く者とした作家が、タイトルの通り「どう生きるんだ?」とわりと直接的に訴えかけてくる。
それはしっかり希望もあるように書かれているものの、むしろ世の中への憂いのほうが強く感じる。

そして普遍的かつもっとも個人的な事柄である母への想いが描かれる。
最後の別れのシーン、めちゃくちゃ泣いた!
「また悲しい別れが待っているとしても、もう一度あなたのお母さんになりたい」と自分の母も(母なら)行ってくれそうな気がして。映画の中で直接そう言っているわけではないけれど。

でも鑑賞中に一番考えていたことは、
「思ってたより、鳥要素強かった…!」。
目を閉じると何かしらの大群の飛び立つのが見えます。
ポップにデフォルメされた鳥たちが、鳥らしい可愛らしさを失いがちなのもちょっと面白い。

エンドロールのクレジットは「原作・脚本・監督 宮崎駿」となっていたので、吉野源三郎は「原作」ではないんだろう。
でも実家に帰ったら、また読んでみよう。


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