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「気持ち悪かった」自分への決別ー「シン•エヴァンゲリオン」最速レビューー

※鑑賞直後です。大変混乱しています。ネタバレもします。書き終わって読み返したら、そんなにしてませんでしたが、自己責任でお願いします。

待ちに待った「シン•エヴァンゲリオン」をついに見る。

もちろん、公開日が平日の月曜日だなんて関係ない。当然のように有給を使い、朝7:00の回の予約をとった。

私と同じように、待ちに待った人々が、パンフレットを買うために列を作る。ネタバレがあるから、上映前に読むはずもないのに、なぜか並んでしまう。絶対になくなることはないのに。皆、いち早くゲットしたいだけだ。

上映中は、感情の変化がおかしなことになり、最後に至っては、完全に無になってしまった。

私の感想は、たった一言で言えば、本当にくだらないのだけれど、「やっぱり、俺はアスカが好きだったのか」という、そんなどうでもいいことだった。

小学生の時に初めてエヴァをテレビで観た時も、昔の劇場版をビデオで借りて観た時も、シンジに感情移入しつつも、ずっとアスカを追いかけていた気がする。

オリラジのあっちゃんが、綾波が初恋の人と公言しているが、もしかしたら、私の初恋はアスカの可能性すらある(気持ち悪すぎて、誰にも言ったこともないし、気づいてもいなかったが)。

今まで、好きになってきた人もどことなくアスカの気質がある気がする。それくらいに、あのアニメが私に与えた影響はでかい。

エヴァのストーリーや演出の巧みさや、謎ときの面白さは、後々になって気がつき、すごいと思っただけで、アスカがいなければ、エヴァにハマることは、なかったに違いない。

だから、まったく意味がわからないQが、そこまで嫌いではなかった。なぜなら、アスカがかなり活躍するからだ。そういう意味では、破よりは、好きなぐらいだ(かなり、少数派だろうが)。

旧劇場版「まごころを、君に」で、アスカが最後に「気持ち悪い」というシーンは、腑に落ちすぎて、だからこそ、あの映画が大好きなのだろう。

そう、あのアニメを観て熱狂していたオタクは、皆、あの時、絶対に「気持ち悪かった」のだ。

エヴァを見て、ストーリーを考察して、綾波やアスカに萌えて、二次創作やオリジナルと関係のないゲームに手を出す。それでは、飽き足らず、エヴァっぽい作品を見つけて求め続ける。

それを一言で、「気持ち悪い」とばっさりと切る。なんと気持ちの良いラストだっただろう。当時、劇場で観たオタクたちのほとんどが「庵野ふざけんな」と激怒したと言うが、私は、これ以外のラストはなかったように思う。

少なくとも、テレビ版の「おめでとう」よりは、はるかに、しっくりとくる。オタクである「気持ち悪さ」を引き受けつつも、外にでようよ、というメッセージは、思春期の私にとても大きな影響を与えた。

前置きが長くなった。今回の「シン•エヴァンゲリオン」の話だ。

まあ、最初に書いた通りだが、この映画について、私にある感情は、ぐちゃぐちゃを通り越して、ほぼ「無」である。

特に何の感想もないと言えば、ない。

以前、内容の予想を書いたが、それが、まあまあ当たっていたな、というくらいだ(まあ、誰もが予想した通りという感じだが)。

しかし、決定的に違うところもある。

それは、アスカエンドではない、ということだ。

私は、予告のあの、寒そうな息を吐く少し幼いアスカを見て、アスカエンドを勝手に間違いないものとして、観ていたのだ。

あれが、3.0+1.0の1.0の部分だと、、、。

それは、全くの間違いだった。

1.0は、本当に短い。そして、そこにアスカはいない。全く存在しない。するかもしれないが、画面には映らない(見間違えてなければ)。

私は、初めて、そこで気が付いたのだ。

この深い絶望感。そして、無。

なるほど。

エヴァを、アスカを追いかけていた「気持ち悪い」自分に、ようやく、20年ぶりに気がついた。

そういう意味では、感謝だ。いや、感謝しかないと言っても過言では、過言でははない、、、。

だから、エヴァスタッフの皆さん、庵野さん、「完結おめでとうございます」。