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翻訳者になります【近況報告&自己紹介】

プロフィール

俵 航太(たわら こうた) 芸名:ザ・ニンジャ
翻訳者 兼 お笑いボランティア
2000年東京都生まれ。
2019年4月 早稲田大学のお笑いサークルに入部、お笑い活動を始める。
2021年9月 テレビ東京『大学お笑いMONSTERS』出演。
同年同月 「第1回大学生すべらない話王決定戦」準優勝。
2022年冬 就活の挫折から進路を真剣に考えなおし、翻訳者を目指す。
2023年3月 早稲田大学文化構想学部を卒業。
2023年4月~ 翻訳専門校「フェロー・アカデミー」で翻訳を学ぶ。


お久しぶりです/はじめまして。俵です

この記事は、
①すでに僕を知っている方への近況報告
②今後新たに知ってもらう方への自己紹介

の2つを兼ねています。
②の方はまずプロフィールをお読みください。

実は昨年の4月から約1年間、翻訳の勉強をしていました。
ただ、今までそのことをSNSに書かず、直接会った一部の人にしか話していませんでした。
そこで、これまでの経緯や今後の目標を発表したいと思います!
4部構成です。

1. 将来を考えたきっかけ

翻訳を志したきっかけを一言で言ってしまえば、「就活に挫折したこと」です。

まず背景として、僕は大学在学中の4年間、お笑いサークルに所属していました。
漫才、コント、漫談などいろいろやりましたが、一番反響が大きかったのが大学3年生の時のテレビ出演です。

テレビ東京『大学お笑いMONSTERS』

僕は審査員の方々にその場でお題を頂いて即興なぞかけを披露し、「スゴ技部門」という変なジャンルでなんと優勝することができました。
これ以降、ライブに呼んでもらう機会が増え、親戚の集まりの場でもなぞかけを要求されるようになりました。

しかし、卒業後お笑い芸人にはなりませんでした。
正確には、芸人になろうと思っていた時期もあり、一度ナベプロのオーディションを受けてみたりもしたのですが、考えが変わりました。
職業として芸人になれば、事務所やテレビ局の指示に従わなければいけないし、芸人間の上下関係にも縛られます。
「売れたい」という欲があまりなく、ただ好きなようにお笑いをやりたいだけの自分には、事務所に所属するメリットよりデメリットの方が大きかったのです。

そこで目指したのが「社会人お笑い」です。
社会人お笑いの界隈では、普段は会社で働いている人たちが休日に集まってライブを開催し、観客ではなく演者としてお笑いを楽しんでいます。
「このほうが自分に合っている」と思いました。お金は別で稼いで、あとは好きなお笑いに没頭すれば楽しく暮らせるんじゃないかと。

ところが、そう簡単にはいきませんでした。
「社会人お笑い」の「社会人」が難しすぎました。
「お笑い」なんて、やるだけならエントリーフィー払って舞台に立てば誰でもできます。
しかし「社会人」を名乗るには、面接というフィルターを潜り抜ける必要があるのです。ここで僕は躓きました。

「やりたい仕事はないけど、早稲田卒で英語の資格もあるからどっかには受かるだろう」「入社したら仕事もそこそこに趣味のお笑いを楽しもう」という魂胆はことごとく見透かされ、内定は1つも取れませんでした。

そもそも僕は組織の一員として周りと足並みそろえて仕事に取り組むのが大の苦手なのに、お金のためだけに無難な就職の道を目指していたのです。
けれども面接官の目はごまかせなかったし、やりたくもない仕事をやりたいかのように見せるのにも嫌気がさしてきました。そこでようやく自分の進路に疑問を持ちはじめました。

面接後、『孤独のグルメ』の「腹が減った」シーンを再現する俵
(面接は落ちた)

2. 「翻訳」を選んだ理由

初めて自分の将来について真剣に考えた僕は、「フリーランスでできる仕事」かつ「英語力を活かせる仕事」を探した結果、翻訳を仕事にしたいと思いました。

なぜフリーランスかといえば先ほど書いたとおり、自分は組織に属して仕事をするのには向かないな、と就活を通じて再確認したからです。

しかし、フリーランスで食っていくには、人にお金を出してもらえるだけの価値がある何かしらの能力が必要です。大学生としての時間の多くをお笑いに費やしてきた自分には、英語しかないと思いました。

なぜ急に英語が出てくるんだという話ですが、僕はなぜか昔から英語が好きだし得意でもありました。センター試験の英語は満点で、TOEIC L&Rのスコアは大学4年当時900点でした。英語での会話の経験は少ないものの、読み書きには自信がありました。

高校時代の模試の、極端な偏差値

英語の勉強なら苦にならないし、自分の性格的に持続可能だと思ったので、翻訳に挑戦してみたいと思いました。

とはいえ、英語が好きだからといっていきなり仕事ができるほど世の中甘くないだろうと思った僕は、大学卒業後もう1年学校に通い、翻訳の勉強をすることにしました。

昨年4月から麹町にある翻訳学校「フェロー・アカデミー」に通い、約1年間翻訳を学びました。
この1年間は非常に忙しく、非常に楽しかったです。
ほとんどの授業で毎週課題が出るので締め切りに追われる毎日で、こういった近況報告を書く時間も取れませんでしたが、好きなことをひたすら勉強できるのは幸せでした。

3. 今後の目標

当面の目標は「フリーランス映像翻訳者」として食っていくことです。言語は英→日です。

翻訳を大きく分けると、実務・出版・映像の3つの分野に分けられますが、フェロー・アカデミーではすべての分野を基礎から学ぶことができました。
実際に取り組んでみて、一番楽しかったのが「映像翻訳」でした。

映像翻訳には吹替翻訳と字幕翻訳がありますが、吹替ならセリフの尺に合わせる、字幕なら1秒当たりの字数制限を守るという制約がある点が特徴です。できるだけ意味内容を過不足なく伝えつつ、同時に尺や字数を制限内に収める工夫が必要になります。
もともと言葉への関心が強かった僕には、この制約との格闘が言葉のパズルのようでとても楽しいのです。

それに、今までやってきたことが意外なところで活きているのを実感します。
たとえば、今までお笑いのネタを作る中で、お客さんの反応を予想しつつ不自然に聞こえないセリフを書こうとしてきた経験が、吹替翻訳において声優さんが読みやすく、視聴者が耳で聞いて分かるセリフを書く助けになっていると感じます。
また、前述した尺や字数の制限を守るには同じことを別の言葉で言い換える必要がありますが、なぞかけで培った瞬時に類語・関連語を思いつく力が役に立っています。

しかしながら、一般的にいきなりフリーランスになって十分な収入を得るのは難しいと言われています(翻訳会社に就職して経験を積んでから独立する人が多い)。
さらに、映像翻訳は実務翻訳に比べて狭き門だとも言われています(仕事の数は多いがやりたい人も多い)。

けれども、僕はもともと会社で働くのが無理だと思ったから翻訳者を目指したわけで、「一度就職してから……」というのは本末転倒です。
それに、これまでの人生から僕は良くも悪くも「一般的」な人間ではないと感じているので、多くの人にとっての最善が自分にとってもそうだとは限らないと思っています。

そこで、とりあえずやってみることにしました。
これから1年間はバイトをしつつフリーランス契約の求人に応募し、自分の実力がどれだけ通用するのか確かめます。
1年間やってみて何の進展も見られないようなら、翻訳会社への就職を検討しようと思っています。が、それは嫌なので、そうならないように頑張ります。

そして、長い目で見た将来の目標としては「お笑い・コメディの翻訳がしたい」です!

「お笑い」と「英語」という僕の好きなもの同士を組み合わせた仕事ができるなら、最高だと思ったからです。

ただ、そのためにはまだ実績もないし、もっと海外の文化に詳しくならないといけません。理想の仕事を実現するためにも、これからも勉強し続けたいと思います。

4. お笑いは続けるの?

もちろん続けます!

昨年度は翻訳の勉強で忙しかったものの、合間を縫って計6本のライブに出演しました。
「今年は勉強優先」と決めていたので自らエントリーはせず、すべてありがたいことにオファーを頂いたものでした(M-1とR-1はエントリーしたんですけど1回戦落ちでした)。

今後も出演するライブはSNSで告知するので、観にきていただけたら非常にうれしいです! ちなみに最近は「ライブだけがお笑いじゃなくね?」とも思いはじめています。詳しくはまた今度書くかもしれません。

サークルの先輩(左)とのコンビ「﨑(ざき)
2023年12月2日『GERA LiVE』にて

昨年の夏ごろ、「お笑いボランティア」という肩書きを思いつきました。
僕はお笑いを仕事としてやっているわけではないので、プロではありません。
しかし、「アマチュア」という言葉には時として「素人」「下手」というイメージが伴いますし、「プロ」の対義語としての意味合いが強すぎます。
確かにアマチュアで間違いないんだけれども、わざわざ「アマチュア」を自称しなくてもいいかなと思いました。

そこで考えたのが「お笑いボランティア(=自発的にお笑いをする人)」です。
せっかくなので今後は「翻訳者 兼 お笑いボランティア」を名乗っていきたいと思います。
翻訳とお笑いの二足の草鞋を履きこなせるように頑張ります。


~ここまで読んでいただきありがとうございました!~


あとがき

今回は非常にまじめな文章を書いたんですけれども、普段はふざけた文章も多く書きます。両方とも、今後noteなどで書いていきたいと思っております。

改めて、長文を読んでいただきかたじけないです🥷

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