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ゆるい勉強で定性的理解をしよう

転職活動に端を発して、最近勉強している。

勉強といっても経済学とかマーケティングとか営業スキルとか、社会人が身に着けたい実践的な内容が学べる勉強ではない。熱力学の勉強だ。

私は学生時代から熱力学や量子力学が嫌いだった。まず私自身の頭の悪さが問題なのは言うまでもないが、とにかく捉え方がシンプルでない。私が一番好きだった電気回路は回路を簡単に図に書くことができる。それを方程式に落とし込んでせっせと解く。非常にシンプルだ。対して熱力学などは想像力が試される。密度、分布、不確かさ、エントロピー、電子雲。線一本で完結する世界はどこへやら。大学の頃はとにかく単位を得るためだけに勉強した。悲しいことに、当時勉強した内容を何一つ覚えていない。

ところが転職活動をしている中で自分の興味のある分野に出会い、その分野に到達するためには熱力学の大まかな理解が必須の状況となり、勉強をし始めた。転職活動を進めるに際して熱力学が本当に必要かといえば、かなり懐疑的なところではあるが。

今のところ勉強は続けられそうだ。総じてつらい時間の方が多いが、「快感」を感じれるときもあるので昔に比べれば相当実りのある時間になっている。「快感」を感じるというのは非常に懐かしい。中学の頃に感じていた「分からないことが分かって楽しい」という感覚に近い。つまり私にとって「快感」とは、勉強したその部分について定性的な理解ができたときに感じるものなんだと思う。

思えば、この「快感」を私が一番好きだった電気回路、すなわち今の専門分野に対して感じたことはあっただろうかと振り返ると、多分頻度としては稀なんじゃないかと思う。だとすれば、私は自分の専門について、定性的な理解ができていないのだろう。

では今の勉強と自分の専門に対する勉強で何が違うのかといえば、それは先日私が記事にしたように、今の勉強が肩肘張らないものであるからだろう。

そう思うと、本業である自分の専門分野を肩肘張らずに学びなおすことは、学問を定性的に理解するにあたって大事なことではないかと思う。今まで何かに追われて勉強をしてきたので、分かった気になっていても本質的には何も分からないまま、どんどん知識を上塗りしてきた。その結果、公式を覚えるだけの大学受験と似たような勉強に至ってしまったのではないかと思う。まさに定量的理解にとどまっていたのだと思う。試験問題は解けるけど、それを日常場面に応用できないような状態だ。

要は定性的理解に対して定量的理解が先行している状態。何かを本当に理解するにはその両方のアプローチが必要なんだと感じた、という話。

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