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高知の八彩帖(ヤイロチョウ)45・「モーニング」

 かつてとある会社のサイトに連載していたショートエッセイです。高知のあれこれを書いています。

 今回のテーマは「モーニング」。この記事は夏に書きました。ところで、全国的にも高知県のモーニングは有名です。トーストに味噌汁がつくのがミソ。喫茶店の数も人口あたり日本一だったかな?今回はそんなお話です。

 このエッセイを書くのは、朝方が多い。午前中の方が頭が冴えていて、活動的だからだ。もっともエッセイを書くのは朝飯前というわけには行かず、こんなクオリティ(?)でも結構苦労している。

 ネタだって、あまりにも個人的なことはどうかと思うし、かと言って単なる一般論を書いても面白味が無い。

 それに八彩帖は、一応「ちょっと懐かし」「高知あるある」がテーマだ。というわけで、今朝SNSチェックをしていて思い付いたのが今回のお題、モーニング。

 旅先で食べるモーニングほど美味しい物は無いと、私は思う。地元の人しか利用しないような喫茶店。昭和テイストな店構えに、年季の入った調度品。

 ベルの付いたドアをカランと開けて、クーラーの効いた店内へ。沈むようなソファにボンッと腰掛け、メニューを一読する。

 和風の朝定食もいいけれど、やはり私は洋風のモーニングセットAをチョイス。トースト、卵、サラダ、味噌汁(←ココがミソ)、そしてデザートにコーヒーが付いてワンコイン!

 運ばれてきたモーニングセット、分厚いトーストにバターを塗りたくる。幡多だとトーストに砂糖がついて来るんですよね。あれがなんともたまらん美味しさなのだ♪

 ジュワッと広がるバターにじゃりじゃりとした砂糖が絡みついて、口の中はヨダレの海!一気に飲み下した後、味噌汁をすするのが旨い!なんで他の県はトーストに味噌汁を付けないんだろうか⁉︎

 味噌の余韻が残っている間に、頃合いに茹で上がった卵を口に放り込む。とろりとした卵が口中にまとわりつくのをねぶりつつ(!)、サラダにも手を伸ばそう。

 千切りキャベツにきゅうり、トマトのサラダにゴマドレがかかっているのが個人的ベスト。シャキシャキとした生野菜は、どこまでも風味が濃い。このトマトの甘さよ!

 店のおばちゃん手作りのデザートを一口で食べ、最後にコーヒーをすすり込む。ふーっ。幸せというのは、このようなことを言うのだろう。 

 店の外へ出ると、まばゆい日差し。セミの声も高くなってきた。さて、今日はどこに出かけようかな。楽しい1日が始まる予感がする、夏の朝。

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