見出し画像

高知の八彩帖(ヤイロチョウ)56・「パワースポット」

 かつてとある会社のサイトに連載していたショートエッセイです。高知のあれこれを書いています。

 今回のテーマは「パワースポット」。皆さんはご自身のパワースポット、ありますか?高知のパワースポットについて書いてみました。それではどうぞ。

 先日のこと。高知市内の山中にある「ゴトゴト石」が、何者かによって工具で固定されたという衝撃的なニュースが駆け巡った。ゴトゴト石といえば落ちそうで落ちない、受験にご利益のあるありがたいパワースポットである。

 私も現地に行ったことがあり、石を揺すって来たことがある。それが悪さをされるなんて。まことにけしからん、犯人は早く出て来なさい!
 
 パワースポットといえば。各人それぞれ自分の中のお気に入りがあると思うが、私の中のそれは「五台山」と「早明浦ダム」である。

 家の窓からもよく見える五台山は、常に私の心のよりどころとなっている。取り壊された古い展望台にも、思い出が沢山ある。

 かつてそこにあった喫茶店で食べたホットケーキが、実に美味しかったこと。コインを入れて覗く望遠鏡は、入れなくても良く見えたこと。古き良き昭和時代の話だ。

 竹林寺にある一言地蔵にも、何回お願い事をしたか分からない(効き目があるのか!?)。文殊菩薩が御本尊なので、受験の際には念入りに拝んだ。

 また小学生の時には、そこの五重の塔を写生した記憶がある。緑豊かな時も、紅葉の時も、竹林寺の苔庭はとても趣がある。いつ行っても清々しい気持ちになる。

 あとは牧野さん(牧野富太郎博士)推しの私にとって聖地である、牧野植物園。以前の温室も懐かしいし、今の立派な植物園も誇らしい。

 リニューアルされてからは、年に何回も足を運んでいる。行くたびに何かしらのグッズを買ってしまうのがやめられぬ。

 それにしても牧野さんは魅力あふれる偉人だ。今年の朝ドラ「らんまん」は毎回欠かさず見ており、最終回はハンカチ片手に号泣した。

 そして早明浦ダム。クルマで走っていると突如現れる、壮大なコンクリートの建造物。その見事な佇まいには感動すら覚える。

 ダムの上まで行くと「四国のいのち」と刻まれた石碑があるのだが、訪れるたびに記念撮影をするのは恒例行事だ。おかげで「石碑と私」という同じ組み合わせで、数十年分の写真がある。

 石碑は変わらないが、私は幼児から子ども、大人になり、今や立派な中年女だ。これはライフワークとして続けるつもりである。心のオアシスであるパワースポット。来年に向けてのパワーを貰うぞ!

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?