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銀次郎(前編)


2015年10月20日15時頃


バイトの夜勤が終わり
家で寝ていたら
上の階の
おばちゃんから電話。



「昨日の夜から
私らの家の前くらいから
子猫の鳴き声がするから
探して!!」


といわれ起床。


どんな起こされ方やねん。



はじめての起こされ方で

「嘘でしょ?」

って言うた。



急いで下に降りると

知り合いのおばちゃんと
お隣のおばちゃんが
建物の隙間とか
見ながら
ウロウロしてた



弱った白い子猫を
用水路のところ発見
すぐ保護。


まだ鳴き声が
聞こえるので探すが

どこにいるのか
わからない。



よくよく聞くと


フェンスで囲われてる
マンホールの中から
聞こえたような気がした


這いつくばって
耳すますと
微かに
鳴き声が聞こえた


「この中かも
しれないです。」

と言ったら、


上の階のおばちゃんが

「よし、わかった!」

って言うて
腕まくりして、
フェンス登ろうとした。



この時僕は
おばちゃんが
フェンスに
登っている光景を
見たすぎて
一瞬ためらいました。



おばちゃんが
何かを登ろうとする
ところなんか
滅多に見れないので
一瞬言葉をのんだ。



おばちゃんは
チラチラ僕を見てくる。



おばちゃんは
確実に僕からの


「僕が登ります!」


を待っている。






変な間ができた。

時間にして2秒。
 



しかし、僕と
おばちゃんの間では

映画「グリーンマイル」


と同じくらいの
長さ(3時間9分)
に感じた。


話がそれました。




おばちゃんが
フェンスを登る姿を
見たいという
気持ちを抑え、


おばちゃんに
登らすわけに
いかないので
僕が登りました。


鉄の蓋を開けると

狭い排水溝の奥に
水に半分浸かった
ビシャビシャの
子猫がいました。



深さは2メートル
くらいだったので、 


僕もその中に入りました。


マンホールの中の
地面に両足を
つけた瞬間

腰くらいまで
ヘドロに浸かりました。



「うわ!」
っと声をあげたら

かぶせ気味に


「え?!
骨折れたの!!??」


というおばちゃんの
早すぎる
骨折確認は
忘れもしません。



なぜ骨折の
1択だったんでしょうか。



そのあとヘドロまみれの
子猫を2匹保護。



両方黒猫でした。


鳴き声もか細くなっていて

急いで病院に
連れていかないと
いけないが
夕方から
劇場の出番だった、


そのため

上の階のおばちゃんと
お隣のおばちゃんに
病院をお願いして
連絡を待つことに。



病院から連絡が、
結果はかなり悪く


マンホールの中に
落ちていた時間が
長かったので


ムシがわいていたり
体の中までも
やられている
という結果でした。


まだ子猫で
手術も受けられない。


ここまで
衰弱していると
希望は薄い
と先生に言われました。



その日から3匹の
入院生活がスタートしました。



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