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私の「推し」はどこにある

これからは「推し」を探したほうがいいよって言われてね、私は野球チームの〇〇を応援することにしたんだ。成績とか、各選手のデータとか色々知ると、野球観戦するのも以前より面白く見れるよ。

前回帰国した時に、昔からの地元の友人とお互いの近況を話していた時のこと。彼女は現在ある野球チームにはまっているそうである。

そんな話を最近思い出したのだ。最近は毎日あまり変わり映えのない生活なので何か楽しいことをしたいと思い立ち、そうだ、今流行りの「推し」を探そうと思い立った。「推し」を見つければ、色々知りたくなって調べたりして、きっと楽しい気分になるんじゃないかと思った。

まず私の好きなものといえば、猫である。家の猫を触っている時は幸せであるが、10年以上一緒に住んでいてお互いに知り尽くしているので、うちの猫について特に新しく知りたい事はない。鳴き声次第で彼女らの言いたいことがわかるのだ。ご飯をくれ、暇だからかまってくれ、今吐きそうだ、などなど。

読書を「推し」にするというのもちょっと違う気がする。気に入ったキャラクターがあればいいのだが、今は特にない。

ここは王道で木村拓哉なんか「推し」のターゲットとしてはどうだろうか。彼が若い時から素敵ではあったが、特に大好きな対象ではなかった。でも最近のドラマの「教場」を見て、40代の木村拓哉って格好いいじゃないのと思い出した。テレビを見ている時はいいなと思うけど、見ていない時は何とも思わない。何とも思わないのはときめいていないからだ。次の「推し」を探してみようと思った。

これまた王道の大谷翔平選手はどうだろうか。WBCの試合後のインタビューを見て思ったのは、野球だけではなく人としてもよく出来た人で、ドキドキの相手として見るのではなく、尊敬の思いを持って見るので私の「推し」の相手にはならない。次に行ってみよう。

ここは原点に帰って、福山雅治はどうだろうか。昔々、一番搾りのコマーシャルをしていた頃、ものすごくハマった。電車内ポスター広告掲示期間の一週間の間、毎日その広告を見るたびにドキドキしていた。その一週間が終わり、車内ポスターを見ることがなくなると、私のときめきは終わった。最近の日曜ドラマで福山さんを見るようになった。ドラマの第一話を見た後、25年前に比べるとやはり年齢を感じると思ったが、毎週見ているとやっぱり福山さんは格好いいなあと思い始めた。でもドラマを見ていない時は全く気にならないので、「推し」にはならない。

原点といえば思い出した。私は昔から西島秀俊くんが好きだったのだ。平成一桁年代に新聞屋さんにもらった無料映画券で見に行った、宮尾登美子原作の「蔵」で見たのが始まりである。西島くんが目の見えない一色紗英に「お嬢さん」と呼びかけをするのがなぜかとても良くて、私にも「お嬢さん」って呼びかけてくれないかしらと、妄想全開であった昔を思い出す。数年前の私の日本帰国中にタイミングよく彼の結婚ニュースを聞いた。おめでたくて喜ばしい事だし、自分にも夫がいるのにもかかわらず、ちょっと凹んだ。その後はテレビで彼を見る事があれば何となく嬉しいが、録画してまで見るという熱い思いはない。私の「推し」はどこにあるのか。

俳優からミュージシャンに標的を変えてみてはどうだろうか。

私が中学生の頃、安全地帯の玉置浩二さんが好きだった。それから10年以上経った頃、ソロ活動で出てきた彼の顔が私の記憶と少し違っていた。その後年代を重ねることに彼の顔は進化していった。声だけ聞けば素敵なのだけど、私は昔の醤油顔が好きなのだ。他に誰かいなかったかな。

そうだ、私はThe Boomの宮沢和史さんが好きだった。昔々コンサートに行った事もある。彼の顔も好きだが声がとってもいい。音楽は今でもたまに聞くけど、ドキドキする対象ではなくて、音楽を聴いていいなあとぼーっとするのが好きなのである。色々知りたい!って思うほどではないのだ。私の「推し」はどこにあるのか。

藤井風くんをYouTubeで見た。音楽は素敵だが、彼が若すぎて私が好きになって夢中になる対象ではないことに気がついた。

ここまでで分かったことは、イケメン年齢問わずは私の推しの対象になりにくいということだ。そこで改めて、私の好きなことは何かと考えた。

特にいないのである。強いていえば、冨永愛さんとか、天海祐希さんとか、米倉涼子さんとかの背の高い系美人は好きである。でも追いかけるほどではない。

仕方がないといっては失礼だが、私の推しはやっぱり私の夫と猫になるようだ。その理由は、私が彼らを見ているだけで幸せになるからである。チルチルミチルではないが私の青い鳥は手元にいたようだ。



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