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CB1300SB〜レンタルバイク試乗記〜

最近涼しくなって、どうしてもバイクに乗りたい気持ち。
でも今はバイクを所有していないので、レンタルバイクを利用して今回はCB1300SBに乗ってみました。

憧れのCB

①外観から運転まで

まずご対面。デカイ。デカすぎ。そしてエンジンがとにかくデカイです。
今までレンタルや友人の借りたりで色々乗ってきたつもりですが、外観だけでも迫力があります。さすがBIG−1。

さて跨ります。重いです。ものすごく重いです。
所有していたバイクの中でも重い部類はせいぜいZ900RSですし、借りて乗ったのもドラスタ400が重いバイクな私ですが、やはり重さを感じます。
それでいて、普通のネイキッドなので起こす瞬間に「おっ」って感じます。これは乗り慣れた後も感じてました。「これはバランス崩したら一撃でアウトだろうな」と直感するレベル。
とはいえ、足つきは非常に良いです。両足べったりどころか膝も曲がってくれます。背が高いので基本足つきに苦労することはありませんが、これならよほど油断しなければバランスは崩さなさそう。踏ん張るにはちょうど良い曲がりって感じです。停車時のちょっとした重みくらいなら余裕で支えられます。これなら安心。(とはいえ、油断してたらすぐ転けそうですが)

あと、タンクが長いです。ネイキッドですがシートの最前に座ってようやく体が起きる感じで、遠目に座ると軽い前傾になります。身長178cmあるのですが、ネイキッドでこの前傾は予想していませんでした。感覚的にはフルカウルツアラーのイメージ。
ただし後で色々書いてますが、これくらい前傾していないとむしろ自分が吹っ飛ばされかねないのでこうなったのかなとも。

ところで本日10/1は雨。路面も悪いです。大丈夫だろうか…転けないだろうか…正直かなり不安でした。

エンジンをかけます。これまた迫力があります。Z900RSも相当迫力がありましたが、排気量がさらに上がってますので相応に音圧?がすごい感じ。
とはいえホンダ車、ガムシャラにうるさいとかガサガサしている感じは無いです。CB650RやCB400はそれこそモーターの様に回ってる印象でしたが、排気量が凄まじいからかちょっとバラツキ?みたいなのを感じるような。四気筒!!!って感じ。

②発進〜街中を流して

では発進しましょう。ローに入れて半クラして…でもうバイクが進もうとします。慣れてないのでちょっとアクセルを煽り気味に発進しました。ロケットです。
「これ駐車場出る時にすっ転びそう」真っ先に嫌な予感がしてしまいます。路面が濡れているので尚更。
なので、車がきていないことをちゃんと確認して、ゆっくり出て行きました。重い!!!曲がらない!!!出た先の道路は二車線だったのですが、左側に出るつもりが右車線へ。ちゃんと車が来ないタイミングで出て正解でした。

走り出してしまえば軽い軽い…ってのは今まで乗ってきたバイクで感じてきたあるあるなのですが、そんなことはありませんでした。ジャイロから来るであろう、直進安定性。軽快さなんて微塵も感じません、どっしり・ずっしり。
それでいて、ちょっとでもアクセルを煽ればロケットです。3速で街中を巡航してしまいます。4速に入れるともはや車かというくらい、低振動で静音。
でも、やっぱりバイクだなと思うのは排気の振動でしょうか、エンジンの振動でしょうか。色々な振動がバイクを走らせているという実感があります。

そして街中を走ってて感じたのは、バイク自体は前に行こうとしないなということ。ネイキッドだからでしょうね。YZFーR6に乗ったことがあるのですが、あれは前に前に行こうとした覚えがありますし、エンジンも回りたがってるのが分かるような、そんな覚えがあります。それとは違いますね、やっぱりネイキッドなんだなと。
排気量とトルクのせいで低速だと前に行こうとするのは当たり前なんですが、例えばちょっと細い道とか、前が遅い車で40km/hくらいで走ってる時。全然辛くありません。トルクが太いので前に出ていっちゃいますが、バイクそのものは速く走ろうぜ!!とはならず、合わせてくれます。

今乗ってる車もそうなのですが「走ろうと思えば速く走れるから、別にゆっくりでもいいや」ってなれます。
個人的にこの感触ってかなり重要視していて、速く走って気持ち良いのは当たり前です。だって、車バイクが好きなんですから。飛ばしたいです。
でもそんなことしたらお星様になるか、お縄になるか、ですし周囲から見ても良い気持ちにはならないでしょう。
だからこそ遅く走ってて気持ち良いってのが私が乗り物に求めるスペックです。Z900RSはこれにかなり合致していて、とても気に入っておりました。(車に興味を持たなければずっと乗ってたと思います)それと感覚が同じです。この時点で凄く気に入りました。

ちょっと気になったのは、初めて乗るバイクということで十字路やコーナーを曲がる時に全然曲がらないことでしょうか。特に最初は曲げ方が分からずアンダー出まくりでした。恐る恐る曲がって、尚且つ速度が出過ぎてて結局リア踏むみたいなことばっかやってました。

③快走路でのツーリング

今回のツーリングは、雨が降っていたこともあり遠乗りは辞めておこうと思いつつでもそれなりに走りたい。ということで、国道122号(渡良瀬川沿い)を選択。交通量はそこそこありますが、高速コーナー多めの快走路です。

さて、走ってて感じたのは走り過ぎ。重い。止まらない。そして曲がらない、です。良いバイクの条件として良く「走る・止まる・曲がる」がしっかりしていることってのがちょいちょい見るんですがその真逆って感じです。
特に、私なんてせいぜいバイク乗るようになって5年、しかも今は乗ってません。今時の良くできたバイクの感覚で運転すると全然曲がりません。最初はハンドルを抉ったり、セルフステアを抑えるような運転をしていました。
路面が濡れてることもあっておっかなびっくり乗ってたこともあるんでしょうが「これがビッグバイクか…」と実感しながらの運転でした。

これが曲げ方が分かってくるととても楽しいものでした。路面が濡れてますから大体50kmとゆっくり走ってましたが、それでもちゃんと体重の掛け方を意識するとバイクなりに曲がれるようになりました。
今まで乗ってきたバイクは、それこそ視線を誘導するだけで曲がるような最近のバイクのみでしたので、ちゃんと荷重移動して減速してって意識はありませんでした。それを意識しないとバイクがちゃんと動いてくれない、なんだか「大型免許を取る前に思い描いていた時の大型バイク」って感じでした。
「ちゃんと操らないとバイクが思うとおりに動いてくれないけど、ちゃんと動かすとちゃんと動いてくれるんだな」と、たった数時間のレンタルでも実感できました。もちろん、ちゃんと思うとおりにバイクを曲げられたのなんて数十回のコーナーのうちの3、4回くらいですし、今まで乗ってきたバイクに比べたらずっとへたくそでゆっくりな曲がり方でした。それでも、その片鱗を味わうことが出来たのがとても嬉しいことでした。

日光市に入ったところ

でもこれは大型取り立てでいきなり乗ってはいけないなとも感じたし、これこそ大型免許が必要だなとも感じました。

何より、アクセルをちょっとでも煽るとすごい勢いで加速します。コーナー中減速しすぎた時にアクセルを煽ると、加減を間違えて即アンダーみたいなことがよくありました。そこそこバイクに乗りなれているつもりですので、事なきを得たのですがこれが中免ステップアップ直後ですとそれこそ事故を起こしてしまうくらいアクセルを煽ってしまったり、逆に減速しすぎたりしちゃうのかなあと。
バイク自身もかなり重いですから、上に書いたとおり曲がるのも難しいです。

もし仮に、バイクの免許に排気量区分が無かったら?という想像はするに難くないです。すっ飛んで即死かなあって。かつての大型免許は一発検定だったとのことですが、それくらいの力量を求められてるんだろうなって。
自分も大型を取った直後にこれに乗らなくてよかったなって思いました。もし乗っていたら、事故を起こしていただろうなって乗ってて感じました。パワー・重さ・サイズ、全てで持て余すなと思いながらツーリングをしてましたし、バイクに乗り慣れたからこそ、少しながらこのバイクを楽しむことが出来ているんだろうなと思いました。

日光いろは坂手前の休憩所まで
証拠…的な

④高速道路を使って帰路

さて、いろは坂まで来ましたが路面も濡れてますのでこのワインディングはちょっと楽しめないかなあと思い、引き返して高速道路へ。もちろん、高速を使ってみたかったのもあります。(高速性能を試せるのもこのツーリングコースを気に入っているところ。)

早速ですが、やはりやりたいアクセル全開加速。なんてのは出来ませんがアクセルを開けていきます。とんでもねえ加速、トルク大爆発です。かつネイキッドですから姿勢は起きています。後ろに吹っ飛ぶんじゃないかというロケット。

さて一瞬を楽しんだところで巡航開始。まあ想像に難く無かったのですが、楽チン楽チン。6速80km/h、トラックの後ろをゆっくり着いていく感じで2000回転くらいだったと記憶しています。もう車ですね。排気音は無闇やたらに大きいわけでなく程よく耳に届きながら、いろんな振動を感じながらの巡航です。
ポイントが高いのは、アクセルを全然煽らずに走れることです。ニーハンなど、排気量が小さいとアクセルをかなり捻らないといけないので右手が疲れてしまうのですが、これは全然捻らずに80km出ます。速度計をそんな見ないでも80〜90kmを維持できるくらい。まさしく速度と回転数が程よいです。
これ、高速巡航が凄まじいくらい楽です。バイク側は全てが余裕ですので、人間のスペック(?)次第で無休憩でいくらでも走れるんじゃないでしょうか。最新型はクルコンが付いてるみたいですのでもっと楽なんでしょう。

体が起きていること、ハーフカウルのスクリーンもそんなに立ってるわけでないので走行風が結構辛いなと思いました。高速メインならスクリーンは変えたいでしょうね。伏せると流石に風を感じませんが、純正だとSFよりちょっとマシ、クライナのかなあって程度。

まあ走行風による抵抗を加味してもトルクでスルスル走ってくれるので快適な高速旅が出来ますね。私は高速移動が多いので、ポイントアップ。

PAで休憩

土砂降りの中、高速をマイペースに走って今回のツーリングは終了、無事無事故です。

⑤まとめ

さすが、30年以上のベストセラーバイクということでとても良いバイクです。もちろん、欠点はあります。むしろ、最近のバイクに比べたら欠点だらけなんじゃないでしょうか。

でも、大型バイクたる大型バイクっていうのは今や中々無いと思ってます。その中でそれを現行車種で味わうことのできるこのバイク、ロングセラーとなって熟成の進んだ車体と相まって非常に楽しむことが出来ました。

とにかく何でもこなしてくれそうな気配がします。ツーリングはもちろん、ダブルシートで荷物が積めそう・だからロングツーリングやキャンプが出来そう。重くてデカいですが、スポーツ走行も出来そう。
流石に街乗りメインには出来ないと思いますが、ネイキッドですから街乗りが苦というわけではないです。重いので取り回しに苦労するくらいじゃないでしょうか、トルクがあるので車の流れに乗るのは余裕です。

なんというか、大型セダンって感じでしょうか。何をやらせてもそつなくこなしつつ、長距離移動は大得意ってところ。何をやらせてもそこそこにしかならないとも言えますし、大排気量重量級バイクですからサイズで気を使う場面をありますが、それが「大型バイクを操ること」なんじゃないでしょうか。それを楽しむバイクと言ってしまえばそれも楽しみになります。

気軽に付き合えるバイクではないと思います。気合を要すると思います。でもそれがこのバイクだし、それがこのバイクの醍醐味なんだろうなと体験できた一日でした。

本日のツーリングは201km。燃費は約22.2km/Lでした。

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