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保育園の頃から「絵の才能がない自分」が嫌いだった

今の私は、絵を描くことが大好きです。
毎日のように、絵を描いています。

だけど、昔の私は、絵を描くことが苦手でした。
……いや、ここはハッキリ言わせてください。


私は、絵を描くことが大嫌いでした。



保育園の頃、「お絵描き」の時間がありました。
私は、その時間がとても憂鬱でした。
絵を描いていて、楽しいと思う瞬間なんてありませんでしたし、自分の下手な絵が大嫌いで、できる限りお絵描きを避けて生きてきました。


あれは、保育園の年中ぐらいのことだったと思います。
「自分の似顔絵」を描いて、教室の壁に貼るというイベントがありました。
当時の私からしたら、自分の下手な絵が壁に貼り出され、その上みんなに見られるなんて、とても苦痛なことです。
それでも、参加しないわけにはいかないので、下手なりに一応描きあげました。
そして、いざ壁にズラッと貼り出された絵の中に、自分の絵を見つけた時、私は絶望しました。


「私の絵は、なんて下手なんだ」


私は、その頃「美少女戦士セーラームーン」が大好きでした。
だから、みんなが髪の毛の色を黒や茶色で塗る中、私だけはセーラームーンと同じ、黄色で塗っていました。
周囲の絵と比べると、あまりにも私の絵だけが浮いていて、自分の才能の無さに打ちひしがれました。

そんな苦い思いで絵を眺めていた私を見かねてか、そばに居た担任の先生が「描き直す?」と声をかけてきました。
きっと親切心だったと思うのですが、私は「やっぱり私の絵が下手だから、描き直しを提案されているんだ」と、負の思考になっていました。
ただ、私も子供なりの意地というか、小さなプライドがあったので、「このままでいい」と、先生に強がったことを覚えています。

今思えば、″自分の似顔絵を描く″というテーマの中で、自分の憧れであるセーラームーンに似せて似顔絵を描いた私は、むしろ「絵の才能があった」ように感じます。
しかし、まだ年中の私には、そこまで考えが及ばず、絵が嫌いな思いに拍車がかかるだけでした。



また、もう1つ、私がコンプレックスを抱いてしまった原因がありました。

私の祖父は、絵がプロレベルに上手でした。
昔は自分のアトリエを持っていたぐらい、油絵や水彩画や筆絵など、どんな画材でもその才能を発揮しており、子供の私が見ても感嘆するほどの作品を描いていました。

おまけに達筆で、冠婚葬祭など、字を描かなければならない機会には、家族みんな祖父に代筆を頼むほどでした。
そんなこともあって、絵だけでなく、字も超絶下手な私のコンプレックスは、どんどん大きくなるばかりでした。


そこから10年以上、絵から逃げ続けてきました。
物心ついた時から、アニメや漫画が好きだったこともあり、絵が上手くなりたいという気持ちは常々ありました。
でも、「私には絵の才能がないから」と、はなから諦めていました。




人生の転機は、大学に入ってから訪れました。
空き時間に、友達がノートに落書きをし始めたので、私も一緒に絵を描きました。
落書きとは言え、私の絵は、見せるのもためらうほど下手な出来栄えでした。

でも、その絵を見た友人は「ねこのしっぽちゃんの絵、下手だけど、味があって可愛いね!」と、楽しそうに笑いました。

私はその時、すごくすごく嬉しい気持ちになりました。
絵を描く喜びに、やっと巡り会えたと思いました。

「絵が下手だったとしても、そんな私の下手な絵を誰かが楽しんでくれるなら、もっと描いてみたい。

例え、おじいちゃんみたいな、プロのイラストレーターや漫画家みたいな、上手な絵が描けなくても。

私だから描ける絵、私にしか描けない絵が、きっとあるんじゃないか?」

下手だとしても、私の絵の良いところを見つけて楽しんでくれた友達の反応が嬉しくて、そんな思いを抱くようになりました。


それから、家でもちょくちょく絵を描くことが増えました。
就職してからは、仕事柄お子さんと接する機会があり、時々一緒にお絵かきを楽しんでいたこともあって、だんだんと絵が好きになっていきました。



そして、去年の9月。
本格的に絵を描いていきたい、プロレベルの絵が描けるようになりたいと思い、本腰を入れて絵の勉強を始めました。

ようやくスタート地点から、一歩二歩と歩き出したところです。

今も、自分には絵の才能があるとは思いません。
それでも、自分が描いた絵を、自分で好きだと思えるようになってきました。

今は天国で暮らしている祖父も、絵の面白さを知り、お絵かきを楽しんでいる私を見て、きっと喜んでくれていることでしょう。



さて、そんなイラストレーターとしての活動を始めた私に、また新たな問題が立ちはだかるのですが……。

ここから先は、また別のお話です。



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