介護のあれこれ日誌

※「小説家になろう」に載せた物を手直ししてます。

 私は介護関係の仕事をしています。この出来事は、2から3年程前の事です。

1.マスクがナイナイ

 あれはマスクが手に入りにくくなり、誰しもが、マスクを手に入れようと血眼になり必死になっていたころの事です。

「マスクを失くないようにお願いします」

 当時の勤務先のデイサービス朝の送迎時に、必ずと言っていいくらい聞いた言葉。もしくは連絡ノートにそう書いてありました。
 主には、認知症を患っている利用者様のご家族からのお言葉でした。
  ご家族に言えませんが、99.9999%無理です!(;゜0゜)
 いやだって、コロナの危険性話して、マスクの着用をお願いするだけでも大変なのに、その上失くすな。無理ゲーですよ。まじ。

たえば………ある日の昼食後のその日のフロアリーダーとのやり取り

「ねぇー。◯さんさ~、マスクしてた??」

「えっ、お昼前までしてましたよ!」

「今みたらないのよー( ゜Å゜;)」
「えー!朝失くさないでって娘さんに言われたのにー( ´;゜;∀;゜;)」

「ぎゃー、探さなきゃー!!ヽ(゜д゜ヽ)(ノ゜д゜)ノ!!」


 もう無いという事実とご家族に怒られるかもという焦りでスタッフは、阿鼻叫喚です。(;´д`)
普段なら、デイサービスに常備しているマスクをあげるのですが、前述通り世の中マスク不足の頃の出来事です。おいそれとあげれないので、大捜索開始です。

とりあえずご本人に訊きますが………

「ねー、◯さん。マスクは?どこに置いたか覚えてます?」
「んー?マスク?してかしら?」 
「朝、してましたよ」
「そういえばしてわ。ちょっと待ってね」

と◯さんは、ポケットや鞄、ポーチまでゴソゴソと探してくれるのですが………


「んー、無いわねー。あっあった。あらティッシュ。んー、これは飴の袋」

  出てくるのは、大量のティッシュ&ペーパータオルとその他のゴミ。収集癖のある認知症の方あるあるなのですが、なぜか大量のティッシュやペーパータオルなんかの紙やゴミ類がポケットから出てきます。
そんな大量の紙&その他のゴミ軍団を探して見つかればいいんですが……


「マスクありませーん」

「ないのー!じゃ、トイレ行ってボディチェックして!」

「はい、わかりました!("`д´)ゞ」


 ご本人をつれてトイレかお風呂場の脱衣所へ直行です。
なぜトイレや脱衣所でボディーチェックするのか?
ご本人の鞄やポーチ、巾着などの袋系の物を探しますが、その中から発見される率が低いと、残るは服の中なんです。(;´∀`)

「◯さん。ごめんなさいね~。マスクさー、失くさないでって娘さんから言われてるからさ、探させて下さいねー」
「いいよ~」


 数分後。下着の中まで探して出てきたのは、紙の山だけで、マスクは、みつかりません。



「なんで、紙が沢山あるのに、マスクないのー!◯さんさ~、ホントどこやったか、覚えてません?」

「んー、わかんない。捨てたかも」

 

 ---捨てたかも。 うん……そうだね。わかってたさ。99.999%失くすって。私らもさ、四六時中見張ってるわけじゃないし。昨日もその前も失くしてんだもん。


一瞬遠い目になります。スタッフも名前をマスクの端っこに書いたり、外す時は、ティッシュに包んで更に名前書いてるけど、無理です。

仮に見つかっても、パンツやリハビリパンツ(はくタイプの紙オムツ)から出てきた時は、さすがにそのマスクを着けて頂くのは、ちょっとな感じです。

何度もマスクが行方不明になるため、利用者さま全員に紙製のマスクケースを作ったりしましたが、そのマスクケースごと失くなるということもありました。しばらくしてご利用者様もマスクに慣れた為か、マスク行方不明率は減りました。

2.アクリルボード


スーパー、コンビニ、飲食店でもお馴染みとなったアクリルボード。デイサービスでも、テーブルに置いてありますが、利用者様には、不評です。

目の前にあるから、おしゃべりしにくい。声聞こえない。

いやわかりますが、マスクだけじゃ防ぎ切れない飛沫を少しでも避けるためなんです。

だから動かさないでくださ~い。

動かさない替わりに、マスクを外す人が続出です。


意味ないし(  ̄▽ ̄) 。

注意すると着けてくれる。スタッフ離れると、また外す。また注意する。

もう一日中、いたちごっこ!頼むけぇ、マスク外さんといてください。


 大半の人は、マスク着けて、アクリルボードごしにおしゃべりしてます。

たまに「何言ってんのか、聞こえねえよ!」

「あんたの耳が遠いんだよ!あたしゃ大きい声でしゃべってんの!これ以上大きい声出したら、声がかれちまうよ」というやり取りが、見られます。それでも、大きい声で他愛のないおしゃべりを楽しんでいらっしゃいます。(^_^;)


  当時努めていたデイサービスは、下記の図のように対面式にして、置いてありました。

 

◯ ◯
 ̄ ̄
○○


そのアクリルボードは、サービス終了後にアルコール消毒するのですが、とある夕方、アクリルボードを消毒してた同僚に呼ばれました。


「ねこたさん、ちょっと来て。見てよ。これ!」

「うわ、白い点々がいっぱい飛んでますね」


  あるアクリルボードの一面に、窓ガラスに泥とか散って汚れた時みたいに白い点々がついる事ではありませんか。

「なんでしょこれ?」
「多分、飛沫じゃない?ほら1mから2mくらい飛ぶんでしょ?」
「ああ、かもしれませんね」


 私は、テレビ見た飛沫の実験映像を思い出してました。

実際にこういうのを見ると、飛沫ってスゴい飛ぶんだと、実感しました。


3 フェイスシールドorゴーグル

  勤務中ダース・○イダーのテーマ曲が私の頭の中を流れます。ダース・◯イダー軍団じゃなくて、マスクとフェイスシールドかゴーグルを装着したスタッフです。

 私には、この時のスタッフは、ダース・◯イダー軍団にしか見えません。 

最初は昼食の介助時だけが、朝からずっと着けろとお上からの指示で四六時中で着けてました。

私は、フェイスシールド着けた時の視界が不快で、ゴーグルを選らんだのですが、私の使用してるゴーグル、ずれるし曇る。ずれ防止に輪ゴムを着けましたが、たまにずれる。かと言ってフェイスシールを着けると、視界がクラクラするし………
法人が用意したくれた物なので、文句あんまり言えません。

自分で購入したいけど法人が指定した物以外は、駄目だったので、「コロナが終わるまで」と自分に言い聞かせてました。



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