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4カ月の育休を終えて(2019.12.31)

育休がほぼ終わりました。

約4ヵ月の専業主夫としての生活は、住処や家族こそ変わらないものの、働いている時とはまるで異なるものでした。家事と育児に追われながらも、主体的で変化に富んだ生活は、さながら学生時代の長旅のようでもありました。だから、職場復帰を間近に控えた今は、その長い旅を終えて、帰りの空港に向かうバスに揺られている時のような、ぼんやりと、ふわふわした心地でいます。
本当にあっという間でしたが、他では得難い経験・成果がありました。育休取得を認めてくださった職場、応援してくださった皆様に感謝するばかりです。ありがとうございました。引き続き、せっせと育児に励みつつ、得た経験・成果を社会に還元できるように努めていきたいと思います。復職後もどうか宜しくお願いします。
以下、備忘録として、この育休中の経験をまとめました。長いです。興味のある方は、どうぞご覧ください。

【標準的な1日の生活】
5:45 起床(夏~秋は5時起床で畑作業)
5:45-6:45 朝食の準備※、子どもの着替え、布団片付け
6:45-7:10 朝食
7:10-8:30 妻の見送り後、怒涛の家事(朝食片付け、洗濯、保育園準備、昼食準備)
8:30-9:10 長男の保育園送り
9:10-10:00 次男の昼寝(その間、オンライン英会話)
10:00-12:30 子育て支援施設で保育
12:30-13:00 昼食
13:00-14:00 買い物など
14:00-15:30 次男の昼寝(その間、夕食仕込み、部屋掃除、洗濯物の取り込み)
15:30-17:00 長男保育園迎え、畑や公園などで外遊び
17:00-18:30 夕食準備※
18:30-19:30 夕食とその片付け
19:30-20:30 お風呂、就寝準備
20:30-21:00 絵本と寝かしつけ
21:30-23:00 デスクワーク
23:00 就寝
※朝食・夕食の準備は妻が担当する日も有。

【育休中に得たもの】
子ども達の成長を日々見られたことは素晴らしい経験でしたが、それ以上に「自分達らしい暮らし方を模索できたこと」が何より大切な経験だったと思います。一連の家事・育児を夫婦で共有し、意見を交わすことで、見えなかった課題が見え、様々なアイデアが生まれました(これは余談ですが、育休中、収納のDIYをよくやりました。子どもが寝ている隙にトンカントンカン。男性だから見える、できる家事・育児も多いかと)。この自分達らしい暮らし方の模索は、これから数年間の育児期間のみならず、ずーーっと長く続くであろう夫婦生活全般で、じわじわ効いてくるんじゃないかと思っています。

それから、本筋ではないですが、平日の日中に子ども達を連れて様々な場所を巡り、これまで関わりをもつことのなかった世代・境遇・職業の方と出会う中で、この社会の多様性や可能性を知ることができたことも貴重な経験でした。本当に世の中には色々な人がいるんだなぁと。

【育休中にやってみて良かったこと】
男性育休は人と接する機会が女性以上に乏しくなりがちという点で、市内の子育て支援施設「ひろば」巡りとオンライン英会話はよかったです。前者は、子どもを遊具やおもちゃで遊ばせながら、経験豊富な保育士さんに相談できる、無料の有難すぎる施設で、平日はほぼ毎日通っていました。それぞれの「ひろば」の個性を発見することが面白くて、市内25箇所のひろばを全て回りました(北は天竜二俣、南は篠原まで! 全てのひろばの制覇は前人未踏だそうです)。結果、100人以上の保育士さんから様々な事を教わり、「ひろば」主催のパパ会や子育て講座もとても勉強になりました。後者のオンライン英会話は、子どもの昼寝の時間にやっていました。スマートフォンを使って毎日30分。自分自身の英語力は怪しいままですが、昼寝中の次男はサブリミナル効果でちょっとは身についたんじゃないかと思います。

【育休中嬉しかったこと・悲しかったこと】
嬉しかったことは、長男が私の作ったご飯を「最高に美味しいよ。また作ってね。ありがとう。」と言ってくれたこと。悲しかったことは、次男が気に入らないご飯を床にポイポイ投げ捨てたこと。どちらも涙が出ました。
※子ども達に喜んで貰おうと、自分が小さい頃に好きだったメニューのレシピを母から送ってもらったりもしました(煮込みハンバーグ、肉巻き、茶わん蒸しとか)。食事を通して、家族が繋がるのもハッピーな事だなぁと思います。

【育休中に助けられたこと】
妻が家事の引き継ぎ書を用意し、私が不慣れな家事は段階的に委ねてくれたことでした。例えば、夕食の準備は週1日から始まり、段階的にその日数を増やし、最終的には毎日作りました。妻も大変だったと思いますが、とても助かりましたし、一緒に献立を決める作業は楽しいものでした。

【育休中に変化したこと】
女性や子どもとばかり話していたので、自然と女言葉になりました。「そろそろ行くわよ。」とか「あらあら、こぼしたらダメじゃないの。」とか。また、子育て支援施設などで「ママさん達、集まってください」と呼ばれても、何の違和感なく動けるようになりました。だから何なの?とは言わないでください。

【今後の男性育休の在り方について】
上述のとおり私自身は男性育休を取得してよかったですが、全ての方にお勧めできるかというと、ちょっと自信がありません。今の日本では、職場環境の整備、育休取得者のサポートの両面で課題が残っていると思います。特に後者については、夫婦それぞれに忍耐と前向きな取組姿勢が求められるもので、上手くいかなければ夫婦の軋轢を生み、最悪の場合、子どもに矛先が向く恐れもあるのではないかと。当面は、男性育休が選択肢としてしっかりと認知され、取得者をサポートする仕組みを充実させることが大事なのかなと思います。

将来的には、育休がぱったり全休というのではなく、多様な勤務形態(例えば、隔日や半日勤務、在宅勤務など)が選択できること、育児から遠のきがちな中学・高校の教育課程で育児を含めた家庭科をガチでやることも大切なんじゃないかと思いました。もっと他にも必要なことはあると思いますが。

【追伸】
写真は、育休を始めた頃、ある先生から頂いた絵葉書です。温かいメッセージとイラストが嬉しくて、部屋に飾り、日々眺めて過ごしていました。こんな風に人を励ますことができたら素敵だなぁ。

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