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編集者って

「編集の仕事が好きだ」
 そう思ってこの世界に身を置いているのだが、時々、自分の信念が揺らぎそうになる。
 新米なので、自分が抱えている仕事もあるが、先輩の手伝いや他部署の仕事を手伝うことも多い。
 私は先生が書く文章を活かしつつ、読者の目線、つまり一番目の読者として原稿に目を通したり、校正をしたりする。
 先生の一番のファンであり、一つ一つの文章に気持ちを入れて読むことが、出来の悪い私の最大の武器としてやっているつもりだ。
 中には、「いや、このまま出したらあかんよ」って文章もたくさんある。その時は愛を持って修正、つまり赤字を入れたり、質問を入れる。

「それが編集者だ」

 そう思っていた。だけど、現実は違う。時間がなければ、サラッと素読みで誤字脱字まみれで、校正会社に丸投げの部署がある。
 私はそのゲラを見て、今日はやる気が失せて、悲しくなって昼休み、誰もいない公園に行って泣いた。
 私の部署ではそういう人はいない。だが、「編集者になりたい」と願っていたってなれない人もいるこのコロナ禍で、その仕事に就けたことを誇りに思えないのだろうか。
 こんな風に無料で読める媒体であれば、多少の誤字脱字や文章の羅列が変でも大目に見てもらえる。
 だけど、お金を払って、楽しみにしていたものが、支離滅裂だったり、誤字脱字まみれだったら納得いかない。
 書いている先生は、当事者だから誤字脱字や支離滅裂の文章に気づけなくても仕方がないが、それに気付いて直すのが編集者の仕事だと思う。

私が間違っていたらごめんなさい。

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