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言葉の花束-アキの詩集No.1

1.「成り上がり人生」

生まれた時から

正しくて強い人でいるより

間違いを犯したり

ひねくれたり

弱音を吐いたり

色んなマイナスな人生を経験して

コツコツと真っ当な人生へと

プラスに向かって

徳を積み上げていく

そんな成り上がりの人生を歩みたい


クソと思えるような人生

歩んできたけれど

そう思うなら

成り上がれ!


そう

自分に言い聞かせ

今日も生きる



2.「銀杏の夫婦」

立派な銀杏の木が
2つ並んで
そこに立っていた

いつも通りかかる
近所の公園にある
2本の銀杏の木

毎年、秋になると
太陽の光をその葉へと
一身に取り込んだように
見事な黄金色に染まる

落ちた葉っぱが
公園の地面を埋め尽くす

それを君は
「まるで絨毯のようね」と言ったね

そこに
ころころと
あちこちに転がっている銀杏の実

「銀杏の実がなっているということは
この2つの木は男と女
つまり夫婦だね」
そう僕は呟いたっけ

そうしたら君は
「木の世界にも夫婦があるのね
なんだかロマンチック」と言って
微笑みながら銀杏を見上げたね

そんな君が
とても愛おしく思えて
だから僕はこんなことを言ったんだ

「この銀杏の夫婦のように
いつも、当たり前のように側にいて
支え合う
そんな夫婦に君となりたい」と

そうしたら君は
銀杏から僕に視線を移して
照れくさそうに言ったね

「この銀杏の夫婦が
毎年色づいて実をならして葉を落とす
その景色を毎年一緒に見てくれますか?」

それは君の
Yesの返事だった

その日を思い返している
今の僕の隣に
君はもういない

けれど
君は僕に見えないだけで
今も僕の手を取り
側にいてくれているんだろうね


3.「父娘の会話」

私は
祖母の下の世話で出たゴミを捨てに
台所に入った

そのとき
ちょうど父が
皿洗いをしていた

「ありがとうね」
皿洗いをしてくれて
という意味で私は言った

「お前の方が大変だろう」
父は
私が祖母の介護で忙しいことを気遣い
そう言った

「お父さんの方が大変でしょう?」
父は定年後も中学教師として
多忙な日々を送っている

「そんなことない
お父さんは大変じゃないよ」

そう言って
父は笑った

それに対し
「それじゃあ
私も、大変じゃないよ」
そんなこと言って
私も笑い返した

「お前は本当にいい子だなぁ」
父は嬉しそうに笑って
私の顔を見た

強がって気張る性格は
お互い様だな

そう感じた今晩の
出来事だった


4.「この世界は欲張り」

この世界は
とっても欲張りだと思う

だって
いい人、悪い人
健康な人、そうでない人
頭脳明晰な人、天然な人
明るい人、暗い人
などなど
多種多様な人々が
この世界に存在するけれど

全く同じ人間は存在しなくて
世界にいる人間の数だけ
色んな価値観、人生観を持って
それぞれの人生を生きているわけでしょう?

私はね
この世界に存在する人全てが
この世界にとってなくてはならない
「役者」だと思うんだ

世界は
それぞれの役者に
個々の配役に応じた役割を与えて
その人にしか出来ないストーリーを
展開して欲しいんだと思う

そして
その人にしか出来ない
経験をしてもらって

「世界」という壮大なストーリーを
総集するための
いわばパズルのピースを
埋めて欲しいんだと思うんだ

何で欲張りかって?

だって
この世界にいる人間
いや
この世界にいる生き物全てが役者ということは

それだけ
無尽蔵に「経験」という名のストーリーを
欲していると言うことだよ?

つまり
順風満帆な人生も
苦労だらけの人生も
みんな必要

人に恵まれた人生も
孤独な人生も
みんな必要

いじめられた経験も
いじめた経験も
みんな必要

愛し、愛され
支え、支え合う人生も
憎み、憎まれ
さげすみ合う人生も
みんな必要

また
嬉しい、悲しいなど
全ての喜怒哀楽も
みんな必要

全ての正負を
あますことなく
世界は欲している

無駄と思えることも
悪いと思われることも
必要としている

世界は
あなたに与えた
あなただけの配役をきちんと果たし
あなたにしかできない
ストーリーを展開して欲しいのよ

もちろん
今の自分に不満があるという人も
いるだろう

ならば
このままバッドエンドを待たないで

世界が期待するのは
あなたが被害者になる人生でも
加害者になる人生でもない

ただ苦しみ抜く人生で終わらせないで

世界が本当に期待することは
たとえ苦しい境遇にいたとしても
打開しようとする強さを持ち
ひたすら「生きよう」と努力すること

そして
苦しみを肥やしにして
新たな自分へと成長し
また違った角度で世界を見て
いかに気づき、経験するか

自分という役割を
いかに全うするか

それを問い続けることが
世界が求めることよ


5.「命に対して心掛けること」

あなたが
何気なく手を叩き
蚊を潰すように

あぁ、こいつら
邪魔だな

そんな
軽い気持ちで
地震や水害を
神様が起こしているとしたら

あなたは
どう思いますか?

少なくとも
蚊にとって
あなたの行為は
天災と同じです

ならば
あなたは
そんな暴君の神様と同じですか?

そんな傲慢な気持ちで
虫を殺しますか?

少しでも
違うと思うならば

出来る限り
手間だとしても
外に逃がすなどして
見逃してあげて下さい

仕方なく
手を下すときは
せめて
相手に心の中で詫びて下さい

気持ちをこめる
それだけで供養になり
小さな命は光の世界へ行けます

あなたは神様ではない
勝手な理由で
命を奪っていいはずがない

だからこそ
人として
できる心掛けはすべきだと
私は思う


6.「相対的な生き方」

学び続けて
色々な経験を積むと

否定することも
拒絶することも
欲することも
必要なくなってくる

つまり
あれは好きでこれは嫌いとか
あれは正しくてこれは間違っているとか
あれが欲しいこれはいらないとか

そういう価値観や観念
欲がなくなる

いや
消失するのではなく
偏りがなくなってくる

自分の価値や観念
欲求を生み出すものは

必要でもあり不必要でもあり
正しくもあり間違ってもいる

全ての物事は
絶対こういうものだと言うことはなく

色んな視点で
相対的に捉えることが出来る

そして
経験を積むごとに
色んな状況で
色んな視点で捉えることができれば

様々な人々の考えや
物事を認め
受け入れることができ
適切に対処することが出来る

何かを肯定するために
否定する必要もない

何かを欲するために
我慢する必要もない

目の前にあること
自分の中に生じたこと
全てに意味がある

その意味に気付き
上手く調整していくこと

ほどよく
自分の考えや気持ち
行動をコントロールすること

それを心がけていけば
自然とそれらの偏りがなくなっていく

自分の中の正しさに陶酔すること
他者の自分より劣る何かに安心すること
あらゆる差別が
バカらしくなっていく


7.「正しさを解釈するには」

正答を伝えるだけでは
相手には伝わらないこともある

なぜならば
その答えに辿り着くまでの
過程を自分で経験しないと
解釈に至らないからだ

正しいことを押しつけ
なぜそれが正しくて
それをしなければならないか

その意味と理由を
「暗記」で知るのではなく
「経験」で知らなければ
人は解釈することが難しい

だから
色んなことを見聞きして
経験することが大事だ

また
自分にとって正しいことが
相手にとってそうであるとは限らない

自分の正しさを押しつけるのではなく
とりあえず参考に聞いてもらい
どう解釈するか補助すること

つまり
一緒に考えて
相手にとっての
「最適解」を探すことが大事だ


8.「魂に歴史を刻め」

いくらお金とか
物を持っていても

死んだら
持ち帰れない

いくら食欲とか
欲求を満たしても
時間が経てば
空になる

自分の人生への貯蓄って
何だろう?

少なくとも
物や欲求を満たすこと
それ自体じゃない

いつか死んだ時
何を持ち帰らなければ
いけないか?

やはり
経験ではないだろうか?

自分の魂に
人生という歴史を刻むこと

どう歴史を刻んでいくかが
1番評価されるのでは
ないだろうか?

華々しい歴史でなくてもいい

平凡であっても
慎ましく
自分を持って
誰かのため
何か大切なもののために
生きた人生ならば

その魂の歴史は
素晴らしいと見なされると
私は思う


9.「詩を歩む人生」

私は
詩を歩む人生を
歩んでいきたい

日々
思うこと
感じることを心にとどめ

その心の中から
言の葉を集めて綴る

そうして
自分の視野を広げ
感性を研ぎ澄まし
人間としてさらに成長していく

生きることとは何か?
自分はどう生きていくべきか?
自分にとって素晴らしいと感じるものは?
何に感動したか?

など
様々な問いを自分に投げかけ
答えを模索する日々

その自問自答
葛藤や苦悩
または歓喜など

私の心を
ありのままに表象したもの

それが
私の綴る詩

私にとって詩を綴ることは
自分の心を見つめ直し
フィードバックするツールであり

今後、どう生きていくべきか
計画していくための指標でもある

詩を読むような心
その有り様は
美しい心でもあり
醜く歪んだ心でもある

どんな色や形でも
詩は綴ることが出来る

だから詩は面白い

自分を俯瞰して
自分の心の変化を見つめることができる

私にとって
詩を綴り読むということは
自分の人生の軌跡を残すことだ

つまり
詩は私の人生の象徴とも言える

その人生の象徴を形作り
残していくこと

「人生」を
「詩」を書き記し
歩んでいくことが

私の望む人生だ


10.「空模様と心模様」

ふと見上げた空は
とても鮮やかな青空で

ゆっくりと雲が
少しずつ形を変えていく

その様子がとても不思議で
雲の形の変化をじっと眺めていると

その素朴な感じが美しいと
感じてしまって

心の中のノイズも
いつの間にか消えていた

白い雲が青い空を巡る旅路は
白い雲が青い空というキャンパスを

時の経過と共に
変幻自在に描いていくアートだと感じる

だから
私の心を癒やし
美しいと感じさせてくれたんだな

そういえば
刻一刻と
徐々に模様が変化していく様は
何だか人の心にも似ている

誰かに対する印象や物事への考え方も
時の経過と共に変わっていく

それは
その相手や物事について深く関わり
知っていくことでそうなるからだ

人間関係もそう
関わり続けて
深まる縁もあればそうでない縁もある

良くも悪くも
心に関わる全ての物事や関わりに
変化のないものはない

変化があるのは
ありがたくもあり
悲しくもある

変化があるからこそ
色んな学びや気づき
感動がある

いずれにせよ
心の織りなす模様は常に形を変え
空模様と同じように
どこかに向かって果てのない旅を続けている

生きるのに必死すぎているあなた
ちょっと立ち止まって
自分の今までの人生を振り返ってみなよ

心の織りなしてきた模様
どんな感じかな?

昔よりも見え方も捉え方も変わったなら
その模様は変化してきている証拠だよ

たまには
自分の描く心模様を眺めてみると
面白いと思うよ

素朴でもゆっくりでも
ちゃんと形を変えていく雲のように

何かに向かって
ひたむきに努力し
変化していこうとするあなた

あなたの成長の軌跡は
きっと美しいと思う


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