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言葉の花束ーアキの詩集(猫特集)

1.「サンマを狙う現行犯」


昨日買った
調理済みのサンマが
美味しくなかったからと

悔しさから
父は
また買ってきて
今晩もサンマ

機能とは違うのは
生のサンマを買ってきて
父が焼いたというところ

焼きたてのサンマ
良いにおいが立ち込める

その匂いにつられて
やっぱり来るよね

鼻をひくひくさせて
目線の先はサンマ一直線

家族が目を離したすきに
身を乗り出して
ちょいちょい
サンマに手を伸ばす

「こら!」
手と体を取り押さえられ
現行犯逮捕される
うちの泥棒猫

だが
この食欲の塊は
そう簡単には
諦めない

目線は相変わらず
サンマ一直線

食卓の傍らに
ちょこんと座り
すました顔

そう
まだ狙っている

スキあり!
てい!

ちょいちょいサンマをつつき
サンマを引き寄せようと
試みて

その度
「こら!」と叱咤され
現行犯逮捕される
泥棒猫

サンマをめぐる
攻防戦

サンマは柔らかく
ジューシーに焼けていて
飼い主の口の中で
ほろっととろける

その様子を
恨めしそうに見つめる
可愛い子

諦めるものかと
何度もちょいちょいを
繰り返す

こちらは
ゆっくり落ち着いて
食べられやしない

攻防戦が疲れたのと
ちょっと可哀そうになって

ついに飼い主は
根負け

サンマを一部
分けてやることに

「にゃあ」と
嬉しそうに鳴く
可愛い子は

はぐはぐ食べて
満足そうに寝転がる

かと思ったら
再び
サンマを探して
じっと見つめる

「シマ、もうサンマはないから
諦めな」

とっくにサンマは
なくなって
お皿の上にないのに

それでも
「もっとくれ」と要求してくる
食いしん坊猫

なんて食い意地の張った奴なんだ



2.「猫は触られる運命にある」


猫は
触られる運命にある

なでなでされて
飼い主を
癒しの魔法にかける
運命にある

さぁさぁ
私を癒やしたまえ

ふわふわの毛皮にしっぽ
ぷにぷにの肉球

さぁ
私に捧げなさい

その運命を
受け入れるのだ

そして
運命を受け入れた猫は
触られて

ゴロゴロと
気持ちよくなってしまう
運命にある

お互い
幸せに包まれて

その幸せの時間は
いつまでも
続いていく
運命にあるのだった



3.「君の寝姿」


私の隣で
丸くなる君

そっと撫でると
ペロペロ
私の手を舐める

温かくて
ざらざらした舌が
気持ちいい

今度は
くねんと体をよじらせて
足を伸ばす

お腹を見せるものだから
たまらず私は
お腹をもふもふする

あぁ
柔らかくて
気持ちいいな

そして
寝ている顔も
ポーズも
仕草も

みんな
可愛いな

しょっちゅう
脱走を図る
君の悪事を

つい
許してしまいそうになるよ

それだけ
君の寝姿は
天使なんだ



4.「ちりちりちり、猫の鈴」


ちりちりちり
猫の鈴

餌の音が聞こえれば
ちりちりと
鈴を鳴らして

駆けていく
餌まっしぐらに

もりもり食べるよ
猫たちは


ちりちりちり
猫の鈴

玄関の音を聞きつけて
うちの悪い子は
ダッシュで駆けていくよ
玄関めがけて

もちろん
脱走するために

だから
家の出入りは気をつけなければいけない

しょっちゅうやられているよ
脱走劇

やっぱり
元野良猫は
外が好きなんだね


ちりちりちり
猫の鈴

うちの子たちが
駆けていく音

聞こえてくると
「今日も元気だな」
「何をやらかしてくれるかな?」なんて
思ってしまう



5.「浮気心」


タイヤ交換に行った先で
飼われている子猫

最近
死にかけているところを拾い
助けてあげた猫だという

黒くて可愛い
女の子

普段は
お転婆で悪戯ばかりしているという

うちの子と同じだ

気になったから
連れてきてもらった

あら!
可愛い!

まだ4ヶ月くらいで
抱っこすると
軽い

うちの子も
そんな時があったっけ

今じゃ
ずっしりと重い

そりゃ
あれだけガツガツ食べて
4キロもあったらね

知らない人に見られているからか
随分と大人しい

人見知りしているの?
そんなところも
可愛い

なんて
余所の家の猫に
浮気している私

写メなんて撮って
上機嫌で帰宅したけれど

家に帰れば
うちの子を存分に
良い子良い子して
撫で回し

体に顔を埋めて
うっとりする

あぁ
やっぱり
うちの子が一番



6.「睡魔の生き物」


よく晴れた日曜日の午後

食べてすぐ寝ると
牛になると言うけれど

喜んで
牛にでもなってやろう
と思いながら

布団に潜りこみ
一寝入りした

窓辺から差し込む
暖かな日差し

途中から
猫たちが脚の上に乗り
昼寝に合流

重く温かな錘と
ごろごろという喉の音

さらに
眠りが促される

あぁ
気持ちが良い

こんなに
気持ちの良い昼寝は
初めてだ

そろそろ起きようと
体をもぞもぞさせると

「あ、猫たちが起きてしまうな」
なんて
遠慮してしまって

そうこうしている内に
1時間、2時間と経過

昼寝の共に

最高のタッグだ

そして
一度脚の上に乗られたら
なかなか起きられない

だって
可愛いんだもの

猫はそういう意味でも
魔性の生き物だ

いや
魔性というより
睡魔の生き物か



7.「しっぽ」


しっぽ
しっぽ

ふわふわしっぽ
つるんつるんしっぽ

君のしっぽは
握れば必ず
幸せな気持ちになれる
そんなしっぽ

癒やしをもたらす
不思議なしっぽ

君の
やわらかなボディも
肉球も
しめった鼻も
耳も
みんな好きだけれど

やっぱり
つい
握りたくなるんだ
君のしっぽを

しっぽふりふり
上機嫌だね

そんな君のしっぽを
えい!と握ると
君は「何?」と言いたげに
こっちを見る

それがたまらなく
可愛いんだ

隙さえあれば
えい!と握ってしまいたくなる
魅惑のしっぽ

だって
君のしっぽが
「握ってくれ」と
誘ってくるんだもの

そして
握ればたちまち
私は幸せな気分になれるんだ

君のしっぽは
特別な魔法でも持っているのかな?

しっぽ
しっぽ

可愛い
しっぽ

さて
寝ている君のしっぽを
そっと握って
癒されたいな



8.「うちの悪い猫」


この悪い猫は
とにかく暴れん坊のお転婆で

急に猛ダッシュしたかと思えば
エアコンの風に吹かれて
舞い上がったカレンダーめがけて大ジャンプ

先住猫にしょっちゅう
絡んでちょっかい出しては
「しつこい!」と怒らせてけんかになる

魚を焼けば
泥棒しようとする
特にサンマは
狙わない日はない

玄関先に人が出入りしようとすれば
察しのいいこの猫は
すぐさま駆け出して
ちょこんと玄関前でスタンバイする
脱走を図る気満々だ

捕まえられた際に
必ず「にゃー!」と
抵抗の声を上げ
身体をのけぞる

玄関は横開きドアなため
簡単に開けられてしまう

だから
家の出入りは要注意だ

それを怠れば
たちまち脱走を図る

今日もしてやられた
悪い猫


今日は
いつもは大人しくていい子の先住猫も
真似して脱走を図った

あぁ
なんて悪い子なんだ

その悪い子は今
私のすぐ隣で
ごろんと寝ている

なんて無邪気な寝顔なんだ
寝ているときだけは
良い子なんだよな

私が布団で寝ていると
のそりのそりと寄ってきて
足と足の間に入るか
足にぴったり体を寄せて
一緒に寝てくる

人を困らせてばかりいる
この悪い猫は
こういうことをするから
可愛いんだよな

悪いけど
可愛くて
やっぱりいい子!

そう思って
なでなでしてやると

かぷっと
手を噛んでくる


大人しく撫でさせてくれない

やっぱり悪い子かな



9.「君にとっての「にゃー」」


愛猫に
「本当に可愛い子だなぁ」と
猫なで声で
語りかけても

猫にとっては
人語は
「にゃーにゃー」と
言われているのと同じなんだろうな


言葉は通じ合えなくても
君は
私の足下に寄り添って
寝てくれている

安心して
すやすや寝息を立てている


「本当に可愛いんだから」

君の寝ている様子を見て
呟いたこの言葉が
君にとっての
「にゃー」でしかないとしても


安心して
傍で寝られる相手と
認識されているなら

君にとっても
私は
大好きな存在ということなのかな?



10.最後に(詩の解説)


週1回のペースで詩集を投稿しています

アキです♪


その中でも

今まで書いてきた

愛猫2匹(先住猫:ココ♀、妹分の元野良ネコ:シマ♀)

についてつづったポエムを集めて

投稿しました(^^)

ちなみに

写真のアメショーがココで

キジトラの顔を隠して寝ているのがシマです♪


ココは比較的大人しいのですが

シマがお転婆すぎて

困ります(笑)。


そんな猫たちとの日常の詩集です。


お楽しみいただければ幸いです~♪


お読み下さりありがとうございます(^^)/

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