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【映画レビュー】想像の上をいく秀作『ゴッホ〜最期の手紙〜』の感想

※この記事は2017年にアメーバブログで投稿した記事の再編集版として無料公開しております。
https://ameblo.jp/nejimakikoibumi/entry-12335104006.html

『ゴッホ〜最期の手紙〜』のざっくりとした感想

『ゴッホ〜最期の手紙〜』を観てきました。

ゴッホ〜最期の手紙〜
(原題:Loving Vincent)
制作年:2017年 / 制作国:イギリス・ポーランド合作
監督:ドロタ・コビエラ、ヒュー・ウェルチマン

https://eiga.com/movie/87342/

実際に油絵を何枚も描いてゴッホの画風のアニメーションでゴッホの物語を紡ぐという一作。映画賞でもちょいちょい名前があがってきているタイトルです。

本作を観てきた感想をざっくり一言で言うと

思った以上に良かった!!!

というかなりポジティブな印象の映画でした。

もう少し詳しい感想を書いていきます。


『ゴッホ〜最期の手紙〜』のもっと踏み込んだ感想


■“画だけ映画”の予想を振り払うおもしろさ

事前情報でまあまあすごいアニメーションになってるんだろうなぁとは思ってましたが言うて絵がちょっと特徴的なだけで話はすっげー地味なんじゃないか?

なんて疑念も抱いていたりしたのですよ。
しかし、実際に観てみたら全然予想の上をいってました。

(C)Loving Vincent Sp. z o.o/ Loving Vincent ltd.

あの絵もこの絵も動いちゃう!

このシーンくらい止め絵で良いんじゃねーか?ってシーンですら、かならずどこかで動いており、油絵なんて大変だろうに、本編中一切静止画が登場しないという結構しっかりアニメーションでした。しかも、ロトスコープ手法を伴っているので、めっちゃ人物がぬるぬる動きます。

結構カクカクなんじゃないかと思った私が馬鹿でした。すみません、全然私舐めてましたわ。

しかも、確かに話は地味なんですが、ちゃんと面白いのですよ。
主人公のダグラスと一緒にゴッホの死の真相を探っていくわけですが、恥ずかしながらあまりゴッホの情報が少ない分、新情報も多く、まんまと見入ってしまいました。画も話もホントに嬉しい誤算でした

登場人物も個性的なキャラクターが多くてわかりやすいですね。

(C)Loving Vincent Sp. z o.o/ Loving Vincent ltd.

すごい画(え)力に負けない、しっかり面白いストーリー


■ゴッホの自殺ってそんないろいろなストーリーがあったのか!


私、デザイン系の大学出身でありながら、恥ずかしながら全然ゴッホのことを知らなくて
自分の耳切り落としちゃった人
生きている間は絵が全然売れなかった人
最後に自殺した人
ぐらいの情報しかゴッホ情報を持っていなかったのですよ。

これがホント、うまくハマりましたね。

(C)Loving Vincent Sp. z o.o/ Loving Vincent ltd.

ゴッホについておおざっぱに知らなかった分、ストーリーを追っていって手に入るゴッホの造詣を知っていく心地よさも感じ、終盤に向かって明らかになっていく、私の持っていたゴッホの知識が実は本当じゃなかったり……?といった展開には、素直に驚きを感じました。そして単純なミステリー的な着地ではなく、手紙をキーアイテムにした演出で後味を整えるクールなところも素敵でしたよ。

以下の記事とか、この映画を観た後などは読みごたえがあるのではないでしょうか。

ゴッホを詳しく知らなくても楽しめる!


■その他親指がグッと立つとこ諸々


あと、日本語吹替え版で観たのですが主人公のダグラス役の方がすごくいい味出していました。

エンドロールでそれが山田孝之さんと知り、びっくり!!

いやー、良かったですよ。
DCvs鷹の爪』の時には特になんにも思わなかったのになぁ。

エンドロールで思い出しましたが、本作では各場面に実際のゴッホの作品をモチーフにしたシーンがいくつか登場するのですが、エンドロール手前で、答え合わせのように作品とさらには実際のキャストの写真を画集の様な構成で見せてくれる演出が用意されていました

こういうところもだーいすき。
すごくお得な感じがしますよね。

キャストもエンドロール演出も細かいところまで気が利いてる!


まとめ

●画もストーリーもしっかり見応えあり!
●ゴッホを知らなくても楽しめる
●ボイスキャストもエンドロールも気が利いてる!

そんなわけで、癖は強いし、派手さはないんですが、個人的にはかなり満足の一作でした。

もっと早い段階で観て、早い段階でオススメできれば良かったのですが、観るのが遅くなってスミマセン。まだ近隣で公開されていましたら是非足を運んでみて下さい。いい映画でしたよ。


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