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【映画レビュー】もはや最終回だと思っている!『名探偵コナン黒鉄の魚影』の感想

2024年の映画『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』の公開がすでに始まっており、すでに観ているのですが、思うことあって感想記事とかは時間が経ってから紹介します。

それぐらい、最近のコナン映画って、いろんな感情がめぐるんですよ。
消化に時間がかかる。


というわけで、今更ですが時間をかけて消化できた去年のコナン映画の感想を書いていきます。

『名探偵コナン 黒鉄の魚影』のざっくりとした感想

『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』を観てきました。

名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)
制作年:2023年 / 制作国:日本
監督:立川譲

https://eiga.com/movie/98326/

映画『名探偵コナン』シリーズ第26作目は、ついに灰原哀がキーキャラクター。世界中の防犯カメラと連動した海洋施設パシフィック・ブイを舞台に、黒の組織もFBIも集結します。

今年の監督は立川譲さん、脚本は櫻井武晴さんということで『ゼロの執行人』タッグ。久しぶりの登板という点でも期待度も高めでした。

そんな本作を観てきた感想をざっくり一言で言うと……


コナン映画ベスト。


というぐらいの私にとっては、かなり大きな衝撃を残した映画でした。

ネタバレ有りでもっと踏み込んだ感想を書いていきます。

『名探偵コナン 黒鉄の魚影』のもっと踏み込んだ感想

□前提:灰原哀という人物について

映画の感想の前に、大前提として知っておいて欲しいのが『名探偵コナン』に登場する灰原哀というキャラクターですよ。私はこの哀ちゃんが作中では一番大好きなキャラクターなんですね。

(C)2023青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

哀ちゃんは、コナンと同じく薬の影響で小学生の姿に戻ってしまった元・黒の組織所属の女の子。コナンが工藤新一であることを知っている数少ない身近な存在で、現在は生活でも推理でもコナンをサポートしてくれる頼もしい味方です。

そんな哀ちゃんは新一が蘭のことを好いていることは知っています。二人の仲にも協力的な一方で、どこかコナンに対しての好意がゼロではない気配がこれまで何度か描かれており、“実はコナンのことが好きかもしれない”といった立場のキャラクターです。

(C)2023青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

で、私はそんなコナンと哀ちゃんが仲良くしている様子が好きな
“コ哀”というカップリングが好きな側の人間で、哀ちゃんの恋路を応援したい……と思っていた人間です。

そんな私がこの映画を観た、という前提でこの感想は書かれています。


■ラストが最高すぎて全部持ってく!私のコナンはここで完結だよ

この映画、ラストがすごい。

色々事件は起きるんだけど、正直それはもはやどうでもいいぐらいの出来事が最後の最後で起きています。

(C)2023青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

ワケあってコナンが海中で意識を失ってしまうのですが、そこへ哀ちゃんが助けに来て人工呼吸で酸素を送ることでコナンの意識を復活させ、その上で“黒の組織に生存を知られた”ことから哀ちゃんは死を選ぼうとするんですね。

人工呼吸とはいえコナンと哀ちゃんが口づけをしているという衝撃がすでにあるんですが、意識を復活させたコナンはそんな灰原を笑顔で手に取り、海面へと連れていこうとして、絶望の中でも希望を与えてくれるコナンに対する哀ちゃんの気持ちが赤裸々に語られた上で、クライマックスへと物語は向かいます。

潜水艦の爆発で起きた大波をコナンの活躍でかろうじて防いだのですが、ここで哀ちゃんを助けに蘭ねーちゃんが現れ、気を失ったフリをしていた哀ちゃんはここでおもむろに蘭ねーちゃんにキスをします。

人工呼吸でキスをしてしまった哀ちゃんが“唇を返した”ということで、灰原哀のコナンに対する好意の決着をつけるシーンでこの映画は終わります。


公式が描く、決定的なコ哀への回答ですよ、これは。

何か事件が起きて哀ちゃんとコナンが結ばれる未来もあるかもしれないと密かに思っていたコ哀派に対して、公式見解を叩きつける事態。
哀ちゃん自身がコナンに対する気持ちにはっきりと答えを出すという衝撃的な映画でした

哀ちゃんは新一と蘭の恋を応援する。
それが公式の答えだったのですよ。

ヒロインから哀ちゃんが決定的に外れたという意味で、コ哀派の私に“終わり”を叩きつける映画、それが『黒鉄の魚影』だったのです。

©︎広江礼威/『BLACK LAGOON』第3巻

ありがとう『名探偵コナン』。
ありがとう哀ちゃん。

私の中で、物語が一つの終わりを迎えました。
切ないけども哀ちゃんの決断に私は拍手を送ります。
幸せになってくれ、哀ちゃん。
素敵な映画をありがとうございました。


■それ以外のことはどうかしている

正直な話、このラストがあるから内心をめちゃくちゃにされているのですが、この終盤に至るまでの内容は結構言いたいことやツッコミどころの嵐。

(C)2023青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

ユーロポールの管轄である巨大施設パシフィック・ブイだとか、それを攻撃する黒の組織の潜水艦だとか、ディープフェイク映像によるそれが謎解きの答えかよって事件だとか、あまりにもヘッポコすぎる黒の組織のメンバーだとか……

正直、どうかしている。

どうかしているシーンばかりだよ。

でも、それを覆すほどの意味をラストの哀ちゃんが持っていってるので、あのシチュエーションを作るために強引なハンドル捌きがこの映画には必要だった、ということで全てを許します。


まとめ

●哀ちゃん周りは最高。
●それ以外はどうかしている。

というわけで私にとっての『名探偵コナン』最終回がこの『名探偵コナン 黒鉄の魚影』でした

哀ちゃんの気持ちを思うとほんと、最後の“それ”の意味の大きさに喰らっちゃうし、「新(コ)蘭」との折り合いのつけ方に泣きながら吐きそうになっちゃうよ。

オ゛ェエエエ。

長かった私の中の『名探偵コナン』はここで一区切りを迎えました。
今やってるコナンは私にとってはほぼアフターストーリー。
哀ちゃんがヒロインから完全に外れた後日談よ。


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▼この映画はコナン映画初の100億円突破作品となりました。


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