【映画レビュー】ゴツくて粗いけどしぶとく生きた希望のラストが熱い!『CAFARD』の感想
2016年の東京アニメアワードフェスティバル(TAAF)で観てきた映画です。
『CAFARD』のざっくりとした感想
『CAFARD』を観てきました。
平日上映ということでかなり客席がスッカスカだったので、なんかの試写かなにかの会場に間違って入ったのか?と、入場時に己の場違い感を感じました。
あらすじはこんな感じ。
第一次世界大戦の時代の出来事を描いた作品です。
本作を見てきた感想をざっくり一言で言うと
みてくれに反して
すっげーおもしろい!!
というかなりの大傑作でしたよ。
もっと詳しい感想を書いていきますね。
『CAFARD』のもっと踏み込んだ感想
■あまり知らない第一次世界大戦の西部戦線を知れる映画!
本作は主人公であるジャン・モルダンの娘がドイツ兵にレイプされたことをきっかけに、出兵するという物語。事件をきっかけにジャン・モルダンは世界を巡るはめになります。
第一次世界大戦の凄惨さはもちろんのこと、当時の世界の雰囲気なども知ることができるのも魅力の一つでした。自分が中国で生活していることもあり、この頃のアヘンが蔓延している中国の描写なども興味津々で見ておりました。
そもそも第一次世界大戦って、なかなか日本でも題材にされるものでもないので、こうして海外の作品というフィルターを通して見ることができるのは貴重な体験。
見た目であまり興味がわかない作品だっただけにこうして見るチャンスを与えてくれたことにTAAFには本当に感謝です。
丁度この年のTAAFは運営サイドで事件があったので、いろいろあったわけですが、この映画を見せてくれたことはマジグッジョブ!
■粗くてゴツイこの見た目の正解っぷり
本作の特徴は題材もさることながら、
やはり粗くてゴツイCGの見た目が一番大きいと思うのです!
ティザームービーなどで見る映像では、モーションキャプチャーで撮影された人間の動きに合わせて、ポリゴンばりばりのモデルが動く姿がチープに見えてしまっていました。
ですが
いざ本編として見始めていくと
意外と悪くないと思えたのだから不思議です。
むしろ味として物語とベストマッチしているようにも感じました。
主役であるジャン・モルダンの不器用で無骨な人生の描き方として、この角ばったような力強さが、まさに適切なタッチになっていました。
背景には殴り書きのような模様がついていたり、かつてはチープだと思わせられた見た目を、“新しいアニメーション”と感じさせてくれました。
あと、ちょいちょいあるショッキングな描写の緩衝材の役割にもなっていて、そこもこのタッチならではの効果だと思いました。
私はこの見た目、正解だと思ってます。
■やっぱり映画はラスト!
そしてこの映画が私のお気に入りな作品になれたのは映画のラスト!
この映画の終わり方がすっごく私の好みの終わり方でした。
この映画ではタイトルの「CAFARD」(ゴキブリの意味)にあるように、周囲が次々に死んでいく中、主人公のジャン・モルダンがゴキブリよろしくしぶとく生き続けることになるという物語になっているのですが……
その果てに迎える結末がどんなものなのか……不安に感じながら見続けていましたが、まさか、こういう希望に満ち溢れたラストになっているとは!
映画はやっぱりラストの印象が大きいものです。
このラストのおかげで私のこの映画の感想がとてもすがすがしいものになったように思いました。「CAFARD」大好きです。
まとめ
というわけで、イベントでの限定上映となった一作でしたが、すごく良かったです。
こういう機会でなければ、なかなか日本での上映もできそうもない、題材・見た目の映画ですから、恐らく本作の日本上映はそうそうないような気がします。その貴重な上映の1回をしっかり体験できたことは非常に幸運だと思いました。
とても良い映画だったので、目撃者として何度でもこのブログで証言しておきます。
なんらかの機会で見ることができるのであれば是非見ておいてください!
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