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【映画レビュー】2023年ベスト級の大傑作!そこまでやるのか『グリッドマン ユニバース』の感想

好きすぎる映画ほど、あれこれ考えていて結局感想を書きそびれてしまうのですが、本日11月8日(水)よりAmazon Prime Videoで見放題配信がスタートするということで、このタイミングでやっと感想を投下しますよ。

『グリッドマン ユニバース』のざっくりとした感想

公開当時、『グリッドマン ユニバース』を観てきました。

https://twitter.com/trigger_inc/status/1722089682505502896

グリッドマン ユニバース
制作年:2023年 / 制作国:日本
118分 / TRIIGGER制作
監督:雨宮哲

https://eiga.com/movie/96301/

特撮ドラマ「電光超人グリッドマン」を原作にTVアニメ化させた「SSSS.GRIDMAN」と「SSSS.DYNAZENON」の2作品がクロスオーバーするグリッドマンシリーズ最新作。監督には雨宮哲さんをはじめ、TVアニメシリーズのスタッフやキャストが集結し、新たなグリッドマンの物語が描かれます。

無予習が多い私ですが、公開直前にTVアニメシリーズの総集編映画を公開してくれたおかげで、総集編映画、元のTVアニメシリーズ、さらに元の特撮ドラマシリーズを完走してホカホカした状態で、映画を観に行けました

で、そんな本作をホカホカしながら観に行った感想をざっくり一言で言うと……

大傑作。

「これはやるだろ」の予想を軽々と超える
「そんなことまでやってくれるんですか!?」というベストofベストをかまされた最高体験。

タイトルにもある宇宙スケールの戦いが、最後に“その”わずかな前進に終着するところを含めて大大大好き。

ただ、めちゃ一見さんお断り映画なので気軽に勧められない映画でもありました。

ネタバレを含むもっと踏み込んだ感想を書いていきます。


『グリッドマン ユニバース』のもっと踏み込んだ感想


■ここに来ての初めての裕太の物語!

今回の『グリッドマンユニバース』、冒頭で改めて気づかされるのですが初めての“本物の裕太”が主人公の物語なんですよね。

(C)円谷プロ (C)2023 TRIGGER・雨宮哲/「劇場版グリッドマンユニバース」製作委員会

TVアニメ「SSSS.GRIDMAN」を観ていない人には「なんのこっちゃ」って話ですが、赤髪の主人公・裕太くんはTVアニメシリーズで“実はその意識は全てグリッドマンが乗り移っていた”という秘密が明かされて、アニメシリーズの記憶がスッポリ抜けているんですよね。

それを経て、迎える今回の劇場版。
グリッドマンが乗り移っていないナチュラルな裕太くんが、恋に戦いに本気を出す青春ストーリーに仕上がっています。

何が良いって、割と序盤で怪獣が現れて危機的な状況を迎えるシーンで、グリッドマンが乗り移っていないはずのナチュラルな裕太くんが、しっかりと他者のために危険を顧みないヒーロー然とした性格であることが分かるシーンが用意されているんですよね。

もうそこで私のハートはガッチリ掴まれちゃいまして、
裕太くんを応援しないでいられるかっての!

(C)円谷プロ (C)2023 TRIGGER・雨宮哲/「劇場版グリッドマンユニバース」製作委員会

記憶がスッポリ抜けているせいでビミョーな距離感の裕太くんが、思いを寄せる六花ちゃんと徐々に接近していく展開は、もう最高。主に前半にかけて描かれる文化祭の様子は、すっかり私を学生の心へと戻してくれました。

応援しないではいられない裕太くんの恋路に私は夢中だよ!


■もはや過剰サービス!てんこ盛りの戦闘シーン

前半はそんな青春時代を繊細に描いていたのに対して、全く対照的な展開を迎えていくのが後半。

(C)円谷プロ (C)2023 TRIGGER・雨宮哲/「劇場版グリッドマンユニバース」製作委員会

グリッドマンとダイナゼノンという二大ヒーローが集い、新たな敵と戦っていく戦闘シーンが後半では大迫力で描かれていくわけですが、この二体が揃うならまぁ合体ぐらいするだろうと思うのは想像の範疇。

まさか、お前が!
え、お前も!?
いや、そんなこともやってくれるの!?

というぐらいに、集大成らしい想像の遥か上をゆく展開と何かが立て続けに登場するので、面白くないわけがない!

「劇場版をやるならこれぐらいやってほしいよね」という気持ちを軽々と超えてくるサービスの量に度肝を抜きました。

ただし、このマシンが何で……といった整理がつかないうちにグリッドマンたちが私の理解を超える早さで次のパワーアップをしていってしまうという問題も発生。

(C)円谷プロ (C)2023 TRIGGER・雨宮哲/「劇場版グリッドマンユニバース」製作委員会

目まぐるしすぎてクライマックスの最後の方とかはもはや何と何がどうなってて何をしてるのか理解が追いついてなくて「なんかすごいことが起きてる」ぐらいにしか認識できなかったのが悔しくもありました。

この映画、よく鬼盛りフードに例えられていたのですが、
私は若干腹痛めてますね。

サービスが手厚すぎて、私の身体がついていけてないよ!


■奥深すぎるだろグリッドマンワールド!

この映画、さらに見事なのがこの映画一本にいろんな視点が詰まっていることにあります。

私がグリッドマン贔屓寄りなので、あまりダイナゼノン側の登場人物に今回のレビューで言及しきれてないのですが、そっちのドラマにも大きな事件が起きています。

(C)円谷プロ (C)2023 TRIGGER・雨宮哲/「劇場版グリッドマンユニバース」製作委員会

中盤にはタイトルにもある“ユニバース”にあたる概念に踏み込んで「グリッドマン」という作品自体をメタ的に捉えて読み込むことができる場面も登場し、それを踏まえて今回の悪役の正体とは?といった点も読み解くこともできます。

さらにさらに、コミックであったりMVであったりといったグリッドマンシリーズから派生していったジャンルにもしっかり言及しており、それを探す楽しみや逆にここから掘り込んでいく楽しみもできます。

つまり、あれこれ言うてますが
意味が乗りすぎてるんだ、この映画。

(C)円谷プロ (C)2023 TRIGGER・雨宮哲/「劇場版グリッドマンユニバース」製作委員会

クライマックスの過剰サービスっぷり同様、それ以外のシーンでもファンサービスにこれでもかと工夫や意図が乗せられているので、観ている間はずっと楽しいし、観た後に思い返してもずっと楽しいんだ、これ。

間違いなく、一見さんにはオススメできない映画ではあるんだろうけど、『グリッドマン』というコンテンツの沼は断然オススメしていきたい、底なしの世界ですわ。

一見さんお断り映画だけど、無理して履修して観る価値あるよ。


まとめ

●裕太くんの青春恋愛映画としてだぁいすき。裕太くんもだぁいすき。
●戦闘シーンはてんこ盛りすぎて、ついていけない。すごすぎ。
●シリーズの掘り下げ方が徹底すぎる!

というわけで、一見さんお断り映画の極致を観たという感じの映画でした。
間違いなく2023年公開映画の中でもかなり上位にくる大傑作……というかベスト級の作品となっているので、配信やソフトリリースがスタートした今こそ、上映当時に見逃した方には手を取ってもらいたいです。

そして、大阪では11月11日にBAR miscoさんで、『グリッドマンユニバース』ソフト化を記念したクラスTを作ってたこ焼きパーティー「文化祭 2年G組 KAIJU CAFE missssco」をやるらしいので、お近くの皆さんはグリッドマンの話をしに行きましょう。


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▼『劇場総集編SSSS.DYNAZENON』の感想


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