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【映画レビュー】一大事が起こっちゃうけど終始お上品な優しい映画!『シルバニアファミリーフレアからのおくりもの』の感想

全然知らないといえば知らないシリーズ。
とはいえ予習がそんなに必要ってシリーズでもないんですよね。

『シルバニアファミリーフレアからのおくりもの』のざっくりとした感想

『シルバニアファミリー フレアからのおくりもの』を観てきました。

シルバニアファミリー フレアからのおくりもの
制作年:2023年 / 制作国:日本
64分 / 紺吉制作
監督:小中和哉

エポック社の人気ドールシリーズである「シルバニアファミリー」を3DCGアニメで初めて映画化。

監督は『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』『ULTRAMAN』など90年代末〜00年代中期にかけてウルトラマン映画を手がけてきた特撮・実写畑にも出自を持つ小中和哉監督です。

ちなみに「シルバニアファミリー」のアニメシリーズは欧米版てのもありまして、そちらが先行して劇場版を作ってるということもあり、映画化自体は厳密にはこれが“初”ではなかったりします。

ちなみに私はシルバニアファミリーで遊んだ経験もないので思い入れはほぼゼロです。

そんな私が本作を観てきた感想をざっくり一言で言うと……

優良作。

びっくりするような展開は所々にあれど、終始ちゃんと可愛く平和なお話。
母親のめちゃうまサックスは必聴でした。

もっと踏み込んだネタバレを含む感想を書いていきます。


『シルバニアファミリーフレアからのおくりもの』のもっと踏み込んだ感想


■ぶっ飛んだ展開をしながらも上品なのがさすが

この『シルバニアファミリー フレアからのおくりもの』は話数形式で全3話で一つの物語にもなっている三部構成の作品。

本編全体でも約60分とあまり長くない上に、エピソードをさらに分けてくれているのが未就学児向け作品として見やすくてまず優しい。
意外と映画を観るってスタミナが必要な行為なんですよね。

(C)2023 EPOCH/劇場版シルバニアファミリー製作委員会

内容も子供向けの優しいお話……かと思いきや、意外と大人も「えっ」と思う展開が紛れ込んでいます

本筋は主人公のフレアが母親に誕生日プレゼントを用意してあげようとする話なのですが……

誕生日プレゼントに帽子を作ったところ、帽子が強風で飛ばされてしまった上に、それを追っていたら自分たちまで風に飛ばされ、死にかけます。

帽子がダメなら……と楽器を作ろうとしたところ、うっかり音波兵器を作って近隣の窓を破壊したりもしちゃいます。

なかなかにぶっ飛んだ展開が含まれているので、意外と私も楽しく見れちゃいました。

見事なのはこんな展開をやりつつも「しっかりお上品」な雰囲気が保てているところ。“シルバニアファミリーの枠でできる嘘”の絶妙なラインをうまく狙った作りになっていました。

キャラクターのリアクションや見せ方で、結構なトンデモ展開もうまく作品のテイストになじませることができるんだな、という学びでした。

ぶっ飛んだ展開を盛り込みつつも、しっかり上品な雰囲気。


■シルバニアファミリーらしさがしっかり保たれているビジュアル

本作は3DCGアニメーション映画

(C)2023 EPOCH/劇場版シルバニアファミリー製作委員会

ただ、まるで人形をそのまま使っているかのように結構元の人形の雰囲気に合わせたルックにしているのも本作の上品さを担っている気がします。

キャラクターの表情をあまり変化させず、わずかに動く口元や瞼と声色で心情を表現しているのが活きていて、シルバニアファミリーの人形がそのまま動いているようなところが良い。

これでちゃんと喜怒哀楽伝わっているからまた見事です。

実際の人形を使ってストップモーションアニメーションにしたのも見てみたかったなぁ、なんてことも思ったのですが、公式YouTubeチャンネルでは実際にそれに近い映像も作ってました。

人形を使ってみたら使ってみたで、やっぱ物足りなさは感じたりします。

このあたりは『LEGOムービー』が、実際のレゴブロックを使って撮影せず、3DCGで実際のレゴブロックっぽい映像を作るに至ったのと近い結論かもしれないですね。

玩具を題材にしたアニメーションを作るなら、実際の玩具を使うより、3DCGで“実際の玩具っぽい映像”を作るのが正解

ということ。

実際のシルバニアファミリーの人形っぽいビジュアルの雰囲気がGood!


■タレントキャストは豪華……だけど?

ボイスキャストもやけに豪華でした。

主人公を務める黒島結菜さんを始め、蒼井優さん、松岡茉優さん、DAIGOさん、そして妹のクレム役にはののちゃんこと村方乃々佳さんが参加。すっかりタレント化していたのですね。

(C)2023 EPOCH/劇場版シルバニアファミリー製作委員会

実は既存のアニメシリーズとは今回の映画に合わせてキャストが変更になっているようでしてそこはファンでもないながら、「あまり好きな傾向じゃないなぁ」なんて思っていたりするのですが、タレントキャストの効果がゼロじゃないこともわかるので悩ましいです。

せめて上手い演技をしてほしいなぁなんてことを思ったので、ぜひののちゃんとDAIGOさんのどっちの演技が上手かったか、みんなにも劇場で確かめて貰いたいです。

ボイスキャストは豪華だけども、演技に引っかかりもあり。


まとめ

●お上品で優しいテイストで素敵。
●元ネタのおもちゃの雰囲気がしっかり再現されているのも素敵。
●ボイスキャストも豪華で素敵だけど、一部演技に引っかかりあり。

というわけで、“大人も楽しめる”みたいな深みはない一方で、
安心して子供を連れてこられる優しい映画でしたよ。

本編終了後にはキッズ向け作品ではすっかり定番になってきた映画本編後の撮影タイム付き。

映画鑑賞がキッズたちの思い出として形に残るのはホント、良いことだよ。
他の映画もどんどんやろう。


おまけ

1週目の入場者特典が“めちゃ可愛い”という噂を聞いており、滑り込みで初週の回に行ってきたのですが、なんと実際のシルバニア人形が貰えるんですよね。

マジでめちゃ可愛いやん......。

エンドロールの後になぜか紙芝居パートがあるんですが、多分この入場者プレゼントとの関連性をつけるためですかな。
よくよく考えると本編でこの子出てこないもん。


公式サイト


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