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【映画レビュー】俺はeスポーツ王になる!中国アニメ映画『マスターオブスキル ー栄耀のためにー』の感想

電影祭の一環で、貴重な映画の上映がスタートしましたよ。

『マスターオブスキル ー栄耀のためにー』のざっくりとした感想

『マスター・オブ・スキル  ー栄耀のためにー』をシネマート心斎橋に観に行ってきました。

マスターオブスキル ー栄耀のためにー
(原題:全职高手之巅峰荣耀)
制作年:2019年 / 制作国:中国
98分
監督:史涓生(スー・ジュアンセン)、鄧志巍(デン・ズーウェイ)

http://dianying.jp/den_ei_sai/film/F_1xx411c7QP

WEBアニメ化や実写化も果たしたWEB小説「マスターオブスキル 全職高手」のアニメ映画版。eスポーツの世界を舞台に主人公・叶秋が仲間たちとチームを結成し大会に挑む!登場人物は男女共になかなかの美形揃いとなっています。中国でも興収8500万元という、ちゃんとヒットした映画です。

限定的な上映なのに公式サイトまで作られていて好待遇!(↓)

本作を観てきた感想をざっくり一言で言うと……

佳作!

ゲームのルールはざっくりで良いから、とりあえず美男美女が素敵アクションでぶつかり合う姿を観ろ!という潔い作品。

クライマックスに「GO!GO!GO!」って歌う主題歌も最初はダサく感じたのだけど癖になってきました。

以下、ざっくりではなくもっと詳しい感想を書いていきます。


ストーリーは結構ベタ?むしろそれが助かるとも

中国のアニメーションといえば、日本でもヒット作となった『羅小黒戦記』や、3DCGでは『白蛇』シリーズなどいろんなベクトルで秀でた作品が登場していますが、『マスターオブスキル ー栄耀のためにー』はこれまた違った方向に挑んだ作品。

現実世界を舞台に、等身の高い美形キャラクターによるドラマとアクションに重きを置いています。

と言っても、現実世界でゴリゴリのアクションはやりにくいということで、「ゲームの世界ならなんでもありだから、そこで魅せよう」という発想は大胆。ドラマ部分は現実世界のパートに任せ、盛り上がるアクション部分はゲームの世界で描くというはっきりと分けていました。

ただ、その肝心のドラマは結構ベタ

自分は涙腺がかなり弱い方と自覚しているので、しっかりホロリとさせられたのですが、それでも
「この後こうなるんだろうなぁ…….」
とか
「あざとすぎないか……」
とか
「割とよく観るやつ…….」
なんて思いが湧き上がってくるのを止められない内容になっています。

日本の作品でよくあるシチュエーションを中国でやるとこんな感じなのか、という面白さはあるし、複雑なゲームのルールに対しては明快で助かる部分でもあるんですが、せめてもっと素直に物語を受け取れるように、演出とかで捻りは加えてほしかったナァ。

効果的に働いているとも言えるけど、にしては話がベタすぎない?


基本は綺麗だけど、妙な違和感が否めない

ただ、多分この映画の肝は画よりもアニメーションの方に重きを置いているのでしょう。

『マスターオブスキル ー栄耀のためにー』では、題材的に『ソード・アート・オンライン』や、キャラクターのテイストから『Fate』シリーズなどを彷彿とさせる路線でアクションを再現。スピーディーな剣さばきは、新鮮味こそないものの、日本アニメ特有の動きがこうして中国からやってきた作品で見られることへの驚きはあります。

作画も基本的に綺麗です。
あくまで基本的に。
動きの早いシーンは違和感がない一方で、じっくり見せるような現実世界のパートなどでは、日本のアニメに慣れてると妙な違和感を感じながら観ることになるはず。

パッと見は美麗ルックなのに、妙なぎこちなさがあったり、中国の風景の見慣れなさが、他にない違和感を生んで、独自の味になっています。狙ったとこじゃないんでしょうけど、違和感の正体を探しながら観せられる感じは日本人だからこそ感じられるところですよ。

日本人なら「妙な違和感」がともなう独特の美しさ。


私の推しキャラはこの子だ!

キャラクターが美形ばっかりなのも、おもしろい特徴。

基本メインの活躍は美形男性キャラばかりなのですが、それでも限られた女の子キャラクターもしっかりみんな美人で眩しいです。

中でも一番の推しはライバルチームの女の子ですね。
全然セリフないけど、可愛いです。ぜひ注目してください。

温媛ちゃんって名前らしい

ライバルチームの女の子がかわいい


まとめ

●良い意味でも悪い意味でもストーリーは明快
●絵は確かに綺麗だけど、日本作品に比べると妙な違和感あり
●ライバルチームの女の子が可愛いから加点

そんな感じで、「傑作!」みたいな推し方はできない一方で、日本作品じゃ絶対味わえない映像体験にはなっているので、これはぜひ劇場に足を運んで見て欲しい一本です。現実では、キーボードをカチャカチャやってるだけなのに、こんな派手な映画になるんだ、というマジックですよマジック。

『マスター・オブ・スキル  ー栄耀のためにー』は東京・グランドシネマサンシャイン池袋と大阪・シネマート心斎橋で6月17日~23日まで一週間限定上映。そして来月7月15日〜21日にはシネマート心斎橋での再演と、東京・シネマート新宿での上映も実施されます。

最後に件の「GO GOソング」でお別れです。
映画館にGO!GO!GO!(雑)


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